Panasonic Scholarship Alumni  パナソニックスカラシップ体験者が語る未来へのメッセージ

自国から遠く離れた日本の国際的企業に認められた
という自信が、自分の夢を実現する大きな足がかりに。

○サクシャム・マハジャンさん
国籍:インド
現在の居住国と職種:インド ソフトウェア開発エンジニア
2019年認定→2023年、インド工科大学ビライ校 コンピュータサイエンス&エンジニアリング学科 学士号取得→インドでアプリケーションやソフトウェアの設計、開発を行うナビ テクノロジーズ リミテッドにて、エンジニアとして勤務

サクシャム・マハジャンさんは、生まれ育ったインドでソフトウェアの開発技術を学び、現在もエンジニアとして国内でキャリアを積んでいます。コロナ禍を受けて海外渡航や留学が世界的に困難になってしまった時期に、パナソニック スカラシップの支援を受けながら、自身の得意分野を祖国でじっくり学び、夢の実現に向けて邁進ました。

経済的な懸念をすることなく、学びたい学業に専念させてくれたサポートへの感謝

「学生の頃から数学が好きでした。ソフトウェアエンジニアリングの世界に興味があり、将来はその分野でのキャリアを追求したいと考えていました。これまでに、Eコマース用のウェブサイトのシステム設計から医療用の診断システムまで、多彩な内容を担当してきましたね。その当時の思いは今も変わらず、今後もさまざまなプロジェクトに積極的に携わっていきたいと感じています。以前からコードを書くのが好きだったのですが、パナソニック スカラシップを受けてから、私の将来はとてもクリアになりました。このおかげで、経済的な問題を心配する必要がなくなって、学業や興味のある分野へシンプルに集中できるようになったためです」

2019年に大学へ入学したサクシャムさんでしたが、2020年に新型コロナウイルス感染症によるパンデミックが発生。身近な環境が一変したといいます。
「その時期、世界中のあらゆるところでよくあったように、私の両親もコロナ禍で失業してしまったんです。当時、私の家族には収入源がなくなっていました。でも、2019年の大学入学後すぐに大学からのメールでこのパナソニック スカラシップのことを知り、奨学生になっていました。そのおかげで、様々な厳しい状況下でも経済的な心配をせずに済みました」

パナソニック スカラシップに応募した際の選考段階では、試験と面接を一度ずつ受けました。
「面接では、面接官から、将来何をしたいか、何になりたいかという質問をされたことを覚えています。その時私の夢を語りました。数日後にメールで、パナソニック スカラシップ受給の通知と、デリーで開催されるセレモニーの招待状をいただくことができました」

セレモニーとは、デリーで行われた認定書の授与式のこと。航空券も提供され、サクシャムさんにとって、自身の人生で初めて飛行機に乗って旅を体験したといいます。
「同期の奨学生全員が招待され、互いに交流することができました。みんなでランチ・ビュッフェを楽しみました。あんなに大きなホテルで過ごしたことも初めてでした! そこで交流し、友人になった他の奨学生とは、今でも連絡を取り合っています。彼も私と同じ、ソフトウェアの分野に興味があり、テクノロジーや業界全体のことについて、いろいろな話をすることができました」

美しくかけがえのない故郷で、人脈を広げ地盤固めをしたい

まだインドから、他の国へ行ったことがないと話すサクシャムさん。

「私は地元の大学に留まることも大きなメリットがあると思います。自国で学ぶことで、自国内でのネットワークづくりが容易にできる点です。私はインド工科大学を卒業しましたが、友人たちは皆、私と近しい分野に興味を持っていて、同じようなものが好き。その事実は、人脈づくりにとても役立ちました」

しかし、もし機会があればぜひ海外にも飛び出してみたいと語ります。

「私が日本に行けるとしたら、有名な富士山を訪れてみたいです。私は自然がとても好きなんです。私の故郷はインド北部のヒマーチャル・プラデーシュ州というところにあります。そこは自然豊かなエリアとしてインドではとても有名で、よいところです。中でもマナリという街はとても美しく、ヒマラヤ山脈の山並みと積雪で知られていて、私の大好きな場所の一つ。故郷へ帰ると必ずマナリまで足を延ばします」

そんな美しい故郷に住むご家族も、サクシャムさんがパナソニック スカラシップを受けることになったと聞いたときはとても喜んでくれたそう。

「インドでも、パナソニックは知名度の高い企業です。そんな国際的企業からのスカラシップを受けることになって、親戚はみんな喜んでくれました。私にとっても家族にとっても、最も誇らしい瞬間のひとつだったと思います。実はこのインタビューを引き受けて自分の経験について話すことになったと明かしたときも、“すごいね”ととても盛り上がりました(笑)。私がパナソニック スカラシップへ応募する以前から、パナソニックの冷蔵庫やエアコンなどの製品で目にしていましたし、会社が社会や未来のためにどんなことをしているのかも知っていました。そのように、会社としてとても信頼できると思ったことも、パナソニック スカラシップを選んだ理由のひとつです」

国内でパナソニック スカラシップを通じて、同じ志を持つ多くの友人に出会えたというサクシャムさん

スカラシップのおかげでつかんだ夢を、これからも追い求めたい

遠い日本という国の企業からの支援が、自分に自信を持って将来の夢を追いかけるための大きな糧になったと、サクシャムさんは話してくれました。

「今の会社には日本人はいませんし、実はまだ日本人に会ったことがないんです。でも、日本人たちはとても勤勉だと聞いたことがあります。規律正しいのでしょうね。それはビジネスにおいてすごく重要なことだと思います」

最後に将来の奨学生へのメッセージをお願いすると
「“努力することをやめないで。目標に向かって邁進あるのみ”と伝えたいです」
と即答されました。
「パナソニック スカラシップに応募しようと決めたのであれば、自分らしく頑張ってほしい。私は奨学金を得たことで、自分に対して大きな自信を持つことができました。そしてその自信から成し得る仕事や成果こそが、近い将来において私を支えてくれると信じているんです。奨学金のおかげで歩み出すことができたソフトウェアエンジニアとしての道を、これからも突き進んでいきたいです」
サクシャムさんはそう、力強く話してくれました。