新規助成

事業名

荒廃した足尾の山に百万本の木を植え自然を回復させ渡良瀬川の清流を取り戻す活動の組織診断
組織診断

団体名

特定非営利活動法人 足尾に緑を育てる会

代表者

鈴木 聡(会長)

【推薦理由】
足尾銅山は日本の公害の原点とも言われ、銅の精錬所から排出された亜硫酸ガスや酸性雨、坑木・燃料木のための乱伐等で広範囲にわたって「禿山」と化したエリアが広がっている。本団体は、渡良瀬川流域の市民活動グループが集まり、足尾の山に緑を取り戻そうとの思いから結成され、「足尾に百万本の木を植えよう」というスローガンの下、1996年から20年に亘って植樹活動を続けている。

本団体の熱心な支援者の一人で、思想的な指導者であった立松和平氏が2010年に亡くなり、翌2011年には創業メンバーの神山英昭前会長が亡くなるなど、立て続けに精神的支柱を失った団体は、理事や支援者の高齢化、会費・寄付金収入の低迷などによる2期連続赤字など苦境に陥っており、活動が終息してしまう危機感を持ったことから本助成へ応募された。

選考委員会では、百万本の木を植えるというスローガンと地道な植樹活動に共感が集まったが、団体の現状を考慮すると、拙速にクラウドファンディングで資金集めに走るより、この20年間の実績、経験、経営資源の棚卸を丁寧に行ない、ミッションやビジョンの見直しを行なうべきではないかとの意見が呈され、初年度は組織診断に取り組むことで採択された。
2,500haにおよぶ広大な荒廃地で緑を回復させることは容易ではないが、これまで16万人余りの市民が本団体の植樹活動へ参加し、20万本余りの苗木が植えられてきた活動の軌跡をしっかり承継できる組織へと進化されることを期待する。そのためにまず初年度は、この地域に縁のある外部専門家の支援を得て、着実な組織診断に取り組んでいただきたい。

団体概要

  1. 設立(開設)
    1996年(設立後 満21年)
  2. 設立目的
    足尾銅山の煙害で荒廃した足尾の山の緑化活動を通じて、水循環系を中心とした環境問題に取り組むとともに、渡良瀬川源流地域の問題を考え、もって自然環境の健全化ならびに地域社会の伸展に貢献すること
  3. 活動内容
    足尾ダム周辺の荒廃地緑化事業、植樹活動支援事業、足尾銅山と環境問題に関する文献収集事業、調査研究・情報収集および提供事業、環境問題および緑化に関する講習会や研修会の開催等
  4. 活動地域
    栃木県日光市足尾町
  5. 有給スタッフ数
    23人(常勤3人、非常勤20人)
  6. 正会員数
    個人会員50人
  7. 財政規模(年間経常収入)
    2,450万円 (2017年度予算)
    2,394万円 (2016年度決算)
    2,365万円 (2015年度決算)
  8. ホームページアドレス
    https://www.ashiomidori.com
足尾に緑を育てる会 2016年度収入内訳

※円グラフは、2016年度の収入内訳

事業名

環境共生「自伐型林業」の全国展開期における中期事業推進計画策定を通じた組織基盤強化事業
組織診断 基盤強化

団体名

特定非営利活動法人 持続可能な環境共生林業を実現する自伐型林業推進協会

代表者

中嶋 健造(代表理事)

【推薦理由】
本団体は、日本の林業において、森林経営・管理・施業を林業の担い手自らが行なう「自伐型林業」を提唱し、その全国的な普及、推進を展開している。我が国は国土の約7割が森林で占められ、質の高い樹種が多く、木材蓄積量も豊かな世界有数の森林国であるにも関わらず、森林資源の利用率の低さは先進国中で際立っている。本団体は、こうした状況を招いた背景には、大規模林業の経営体育成に偏重した「施業委託型林業」を推し進める現在の林業政策があり、持続可能な林業へ転換するためには、50年周期で皆伐と造林を繰り返す「短伐期皆伐施業」から、択伐方式で一定の森林を施業しながら長期間に亘って収入を得る「自伐型林業」を推し進めることが必要であると主張している。

団体設立から4年目を迎えた現在、27自治体、14企業と連携が進み、「自伐型林業普及推進議員連盟」が設立されるなど世の中の関心が高まっている。自伐型林業の普及は今まさに一段レベルアップするタイミングにさしかかっており、こうした状況に十分に対応できるよう組織の経営基盤強化の必要性を切実に感じ本助成へ応募された。選考委員会では、普及が急速に進み始めるこのタイミングで本助成に取り組むことは有効との評価を得て採択に至った。

議連が発足し、政府の施策の中でも「自伐林家」が多様な林業の担い手として位置づけられるなど、本団体を取り巻く外部環境は急速に変化しつつある。本助成の取り組みを通じて、こうした世間からの期待に対して十全な対応がとれ、自伐型林業を進める上で多様な支援ができる自立した団体へと成長されることを期待したい。

団体概要

  1. 設立(開設)
    2014年(設立後 満3年)
  2. 設立目的
    持続可能な環境共生林業を実現する自伐型林業を推進すること
  3. 活動内容
    自伐型林業の普及活動、自伐型林業推進のための全国的組織およびネットワークの形成、自伐型林業普及のための情報発信および啓発広報活動、自伐型林業に関する調査研究および自伐型林業定着のための政策提言
  4. 活動地域
    全国
  5. 有給スタッフ数
    2人(常勤1人、非常勤1人)
  6. 正会員数
    個人会員43人、企業・団体会員15件
  7. 財政規模(年間経常収入)
    5,790万円 (2017年度予算)
    5,635万円 (2016年度決算)
    2,571万円 (2015年度決算)
  8. ホームページアドレス
    http://jibatsukyo.com
持続可能な環境共生林業を実現する自伐型林業推進協会 2016年度収入内訳

※円グラフは、2016年度の収入内訳

事業名

農家が主体となった都市農山村連携事業を継続するための組織基盤強化
組織診断 基盤強化

団体名

特定非営利活動法人 山村塾

代表者

宮園 福夫(理事長)

【推薦理由】
本団体は、1994年に福岡県八女市黒木町の農家2軒が中心となり、地域の豊かな自然環境を保全していくことを目的に発足した。以降、都市と農山村の住民が連携交流できる環境保全型農業や山林保全体験(植樹、間伐)のプログラムを実施し、年間600名以上の都市住民の参加を促したり、また、年間200日以上の国際ボランティア合宿を運営、地域の様々な環境保全プログラムを提供したりするなど、地域貢献度を高めてきた。

一方、活動拠点のある黒木町笠原地区は、2012年の九州北部豪雨災害によって甚大な被害が発生した地区である。本団体は災害ボランティア拠点を運営し、家屋の土砂だしや避難所の運営、農地復旧作業の支援のため、2年間で延べ3,500名のボランティアをコーディネートした。それを機に事業数が増加し、組織体系が複雑化してきていること、また、発足から23年目を迎えて次世代への継承が必要なタイミングに差しかかったことから、組織基盤強化の必要性を感じて本助成へ応募された。
具体的には、組織診断の実施、中長期ビジョンの作成、理事会・運営会議・事務局の役割の整理、また、事業のブラッシュアップの後に新しく人材を獲得するための基盤整備(マニュアル作成など)に取り組む。

選考委員会では、短期間で急速に事業拡大した結果、組織内で様々な弊害が生じており、本助成を受けて組織全体の診断から丁寧に取り組んだ上で基盤強化を図ることは有効であると評価されて採択となった。本助成で、次世代継承を目指した組織基盤の強化を達成し、全国各地の農山村で同様の課題解決に取り組むNPO/NGOが参考となる好事例へと成長し、成果を本団体だけに留めずに水平展開できるようになり、社会的影響(インパクト)にまで高められることを期待したい。

団体概要

  1. 設立(開設)
    1994年(設立後 満23年)
  2. 設立目的
    都市と農山村の住民が、その連携交流を通じて農林業および農山村の環境に関する役割を認識するとともに、それを学び実践することによって、農山村の振興、環境の保全、食物の安全、健康ひいては持続可能な社会の構築に寄与すること
  3. 活動内容
    環境保全型農業体験活動、里山保全活動、災害ボランティアのコーディネート、国際ボランティア合宿の受入れ事業
  4. 活動地域
    福岡県八女市黒木町笠原地区
  5. 有給スタッフ数
    5人(常勤3人、非常勤2人)
  6. 正会員数
    個人会員61人、企業・団体会員3件
  7. 財政規模(年間経常収入)
    2,382万円 (2017年度予算)
    2,866万円 (2016年度決算)
    2,849万円 (2015年度決算)
  8. ホームページアドレス
    http://sansonjuku.com
山村塾 2016年度収入内訳

※円グラフは、2016年度の収入内訳

継続助成

事業名

大雪山国立公園・旭岳エリアにおける「利用者による環境保全」の実現に向けた組織基盤強化
基盤強化

団体名

特定非営利活動法人 大雪山自然学校

代表者

荒井 一洋(代表理事)

【推薦理由】
北海道の自然学校の草分け的存在であったNPO法人ねおすより「大雪山自然学校」事業として2015年に独立した本団体は、大雪山の麓の雄大な自然を活かしたエコツアー、子供自然体験プログラム、また、地元行政との協働で観光促進や旭岳をはじめとした自然の保護に取り組んできた。

昨今の観光客の急激な増加に伴って旭岳の自然環境の悪化を招いており、地元行政の受託事業として登山道整備などの自然保護対策に取り組みながら観光客のマナー改善に努めてきた。しかし、業務内容が春から秋までという季節的な事情に制限されるため、高いノウハウを蓄積したスタッフを継続雇用できる体制構築が困難という課題があった。そこで、昨年度の本助成を受けて、スタッフ雇用体制の改善のため新たな財源の獲得戦略を検討し、ミッションに「利用者による環境保全の仕組みづくり」を掲げ、観光客だけでなく大雪山の自然を利用している地元住民や企業も“協力者”として捉えたファンドレイジングの仕組みを構築した。

助成事業2年目は、前年の成果であるファンドレイジングの取り組みをさらに強化するとともに、現場のスタッフやボランティアの育成プログラムの改善、事務局スタッフの顧客管理と会計実務の能力の向上に努めていく。助成1年目に外部協力者の指導のもとで着実な組織診断に取り組んだこと、また、ステークホルダーと丁寧なコミュニケーションを続けており、2年目の助成事業も地域の様々な支援を受けて大きな効果が期待できることから採択となった。
人材的・経済的な理由により、豊かな自然環境を維持することが困難なのは当該地域に限ったことではない。ミッションの「利用者による環境保全の仕組みづくり」は、国内で同様の課題を抱える過疎・高齢化の進む地方の団体にとって持続可能な組織体制の新しいモデルケースとなるだろう。

団体概要

  1. 設立(開設)
    2001年(設立後 満16年)
  2. 設立目的
    環境保全と人材育成に関する事業を行い、身近なところからの実践活動や人と自然の豊かな出会いをつくり、大雪山周辺の自然環境を保全・再生するとともに、持続可能なまちづくりの実現に寄与すること
  3. 活動内容
    旭岳自然保護監視員業務、子どもの自然体験活動、人材育成事業等
  4. 活動地域
    北海道東川町、大雪山国立公園(主に旭岳姿見の池園地、旭岳温泉周辺)
  5. 有給スタッフ数
    11人(常勤3人、非常勤8人)
  6. 正会員数
    個人会員10人
  7. 財政規模(年間経常収入)
    2,655万円 (2017年度予算)
    2,868万円 (2016年度決算)
    2,587万円 (2015年度決算)
  8. ホームページアドレス
    http://daisetsu.or.jp/
大雪山自然学校 2016年度収入内訳

※円グラフは、2016年度の収入内訳

事業名

より多くの人が活躍するための組織基盤強化と中期計画の策定
基盤強化

団体名

認定特定非営利活動法人 JUON NETWORK(樹恩ネットワーク)

代表者

生源寺 眞一(会長)

【推薦理由】
本団体は、阪神淡路大震災などで多くの学生がボランティアなどで活躍したこときっかけにして、全国大学生活協同組合連合会の「学生が活動できる場づくりと、都市と過疎地域とのつながりを何とかしよう。」という呼びかけで1998年に発足した。現在は全国19都府県で地域活性化や農村漁村の再生などに取り組んでいる。

東日本大震災をきっかけにして、地域貢献への関心層はさらに大きく拡大している。けれども、それらの地域の活性化に関心のある都市住民に対して効率的にイベント参加を呼びかけ、ボランティアとして巻き込めているわけではなく、広報・PRの基盤の見直しに必要性を感じていた。昨年度1年目の本助成では、まず組織全体の診断を実施し、組織課題を抽出、客観的に分析した後、ミッション・ビジョン・ドメインの明確化、中期計画「20周年記念計画」の策定準備に取り掛かった。

継続2年目の本助成事業では、外部協力者の指導のもとで中期計画「20周年記念計画」を完成させ、下半期には計画実現を目指してプログラムの改善と新規事業の開発や、本団体の強みである全国6地域ブロック(北海道東北、関東甲信越、東海北陸、関西中国、四国、九州)のボランティアの力を更に引き上げるための検討会議を実施し、具体的な事業戦略を構築する。
本団体の活動発展のためには、20年間で蓄積してきた活動参加者のネットワークおよび地域のステークホルダーの力を結集させることが望まれる。昨年度の本助成事業で明確になった組織の方向性をもとに事業を充実、また、多くのボランティアを巻き込める体制を整え、疲弊した地方において活性化と環境保全を両輪で牽引される全国組織として成長していただきたい。

団体概要

  1. 設立(開設)
    1998年(設立後 満19年)
  2. 設立目的
    都市と農山漁村の人々をネットワークで結ぶことにより環境の保全改良、地方文化の発掘と普及、過疎過密の問題の解決に取り組み、自立・協助の志で新しい価値観と生活様式を創造していくこと
  3. 活動内容
    「都市と農山漁村を結ぶ自然と文化のネットワークづくり」事業、「森林の保全・育成・ボランティア活動」事業、災害救援活動等
  4. 活動地域
    全国
  5. 有給スタッフ数
    7人(常勤3人、非常勤4人)
  6. 正会員数
    個人会員481人
  7. 財政規模(年間経常収入)
    2,820万円 (2017年度予算)
    2,678万円 (2016年度決算)
    3,071万円 (2015年度決算)
  8. ホームページアドレス
    http://juon.univcoop.or.jp/
JUON NETWORK 2016年度収入内訳

※円グラフは、2016年度の収入内訳

事業名

第2創業期への移行時における危機的状況を機会とした、もっと社会に貢献できるNPOへの成長
基盤強化

団体名

認定特定非営利活動法人 自然環境復元協会

代表者

石川 晶生(理事長)

【推薦理由】
本団体は自然環境の復元技術に関する学術・技術情報を提供する学会的な立場からスタートし、法人化後、環境再生に取り組む実践者を育成・認定する資格「環境再生医」の資格制度を発足させ、これまでに5,000人余りの環境再生医を認定してきた。資格制度のスタートから15年ほどが経過し、近年は環境分野で競合する資格が増えている。最盛期では年間約600人が資格取得の講習会を受講していたが、ここ最近では年間300人ほどに落ち込み、緩やかに減少傾向で、資格制度の維持そのものが危機的状況にある。

こうした中、強力なリーダーシップにより組織を牽引して来た本団体の創業メンバー2人が相次いで逝去され、運営の支柱を失って組織存続の瀬戸際に立たされたが、更に社会へ貢献できる組織へと生まれ変わるべく覚悟を決め、昨年度の本助成の申請に至っている。
昨年度の本助成事業は、外部の協力者の指導のもとで組織診断に注力する1年間とした。丁寧な組織診断に取り組んだ結果、学術者・技術者を中心に設立された団体であるがゆえ、これまで検討が困難だったビジョン・ミッション・ドメインが明確となり、組織全体の問題点・課題をはっきりさせることができた。

助成2年目は、具体的になった組織の方向性に沿って複数の専門家の指導のもとで事業戦略を策定し、各事業についてマーケティングの観点からブラッシュアップを図るとともに、組織形態の再編と最適化に取り組んでいく。助成1年目の成果をもとに、これまでの「環境再生医」事業に財政的に過度に依存していた部分が見直され、本団体の全ての事業が相乗的に発展、ビジョン達成へ向けて効果が最大化されることを期待したい。

団体概要

  1. 設立(開設)
    1990年(設立後 満27年)
  2. 設立目的
    自然環境の保全及び復元、物質資源の再生や循環、環境理解と教育の促進等の分野において、市民とともに調査研究、社会啓発、人材育成、支援活動等を通して、自然との共生、持続ある循環型社会の形成に寄与すること
  3. 活動内容
    環境再生に取り組む実践者を育成・認定する資格制度「環境再生医」事業、「環境再生医」認定校事業、都市部の環境再生ボランティア派遣事業等
  4. 活動地域
    全国
  5. 有給スタッフ数
    7人(常勤4人、非常勤3人)
  6. 正会員数
    個人会員99人
  7. 財政規模(年間経常収入)
    3,100万円 (2017年度予算)
    5,461万円 (2016年度決算)
    7,558万円 (2015年度決算)
  8. ホームページアドレス
    http://www.narec.or.jp/
自然環境復元協会 2016年度収入内訳

※円グラフは、2016年度の収入内訳

事業名

次世代へつなげる組織基盤強化に向けた理事会のガバナンス改革と組織運営強化事業
基盤強化

団体名

特定非営利活動法人 兵庫県有機農業研究会HOAS

代表者

牛尾 武博(理事長)

【推薦理由】
本団体は、1969年に母乳からDDT/PCBが検出されたことを契機に、兵庫県内の農業団体と消費者団体がともに健康と環境を守る農業を確立するため、有機農業の技術の推進、啓発を行なうことを目的に設立された。有機JAS法施行に伴い、2000年から有機JAS認証の登録機関となり、有機農業の生産者に寄り添った登録認定業務と併せて、日本の有機農業の普及拡大を目指した活動を継続している。

初年度の助成事業では、設立から40年余りが経過した団体の組織診断を行ない、そこから優先的に解決すべき課題として、理事の組織運営への関与、事務局の人材育成、ガバナンスの改善などが見えてきた。これに対して、担当理事制の導入を試み、理事と事務局が合宿を実施して、ミッションやビジョンの整理に取り組むなど、組織運営に対する闊達な意見交換ができる組織文化が醸成された。

2回目となる今年度助成事業では、前回の成果をさらに進化させ、理事会のガバナンス改革、理事と事務局との役割分担の改善、人材育成計画の策定、ステークホルダーとのコミュニケーションの改善に取り組みたいとの事業内容で応募された。選考委員会では、初年度に取り組んだ理事会改革をしっかりやり切り、中長期戦略・計画を描いて欲しいとの意見が呈され採択された。
2020年の東京オリンピック・パラリンピック開催に向け、「有機農産物」や「オーガニック製品」へのニーズは高まっている。こうした外部環境の動きを巧みに活かし、2020年以降のレガシーとして、有機農業や環境保全型農業の発展の礎を築く上で、本団体が期待される役割は大きい。日本の有機農業を推進する団体の範となるような組織へと成長されることを期待したい。

団体概要

  1. 設立(開設)
    1973年(設立後 満44年)
  2. 設立目的
    環境保全のための有機農業の啓発、技術普及、食生活の改善の提案、生産者と消費者の提携の拡大および日本農林規格(JAS法)に基づく有機農産物の認証等の活動を行うことで、地球環境保全と地域社会の発展に寄与すること
  3. 活動内容
    日本農林規格(JAS)に規定される農林水産省の登録認定機関としてJAS法に基づく有機農産物・有機加工食品・有機飼料の認証業務と農産物審査、有機農業の普及啓発に関する事業
  4. 活動地域
    兵庫県を中心とした全国各地
  5. 有給スタッフ数
    4人(常勤4人、非常勤0人)
  6. 正会員数
    個人会員92人、企業・団体会員33件
  7. 財政規模(年間経常収入)
    2,797万円 (2017年度予算)
    2,940万円 (2016年度決算)
    2,699万円 (2015年度決算)
  8. ホームページアドレス
    http://www.hyoyuken.org
兵庫県有機農業研究会HOAS 2016年度収入内訳

※円グラフは、2016年度の収入内訳

事業名

棚田保全に向けた主力事業の構築、質的向上による組織基盤強化事業
基盤強化

団体名

特定非営利活動法人 棚田LOVER’s

代表者

永菅 裕一(理事長)

【推薦理由】
本団体は様々な原因で放棄されている棚田を将来につなげるために、兵庫県の市川町や香美町などで、学生や都市住民が棚田で田植えや稲刈りなどの農作業を体験するプログラムを中心に活動を展開している。

1年目の助成事業で組織診断を行ない、ミッションやビジョンの見直しに取り組んだ。
2年目は外部専門家から指摘された「顧客と市場」を定義し、主力事業の確立に取り組んで来た。理事会や様々なステークホルダーとの意見交換を重ね、主力事業とする米づくり体験プログラムの評価基準を設け、リスク管理マニュアルを整備するなど、事業のマネジメント体制を強化した。また、理事会開催の頻度を上げ、事務局員に会計管理のスキルを有した職員を採用、事務作業の分担を図った。この結果、これまで組織の意思決定と事務局運営において、永菅理事長がほぼ一人で切り盛りしていた個人事業的な体制から、理事会による意思決定と事務局の分業体制が整いつつある。しかしながら、助成金に過度に依存せず、主力事業の収益増を図り財政的に自立するには、プログラムの改善や集客方法等の見直しが必要で、引き続き外部からの支援が必要であろうとの選考委員会での意見から採択に至った。

都市住民が定期的・反復的に、農山漁村等の同一地域に滞在する「二地域居住」がライフスタイルとして提唱されるなど、本団体が提供するプログラムへの潜在的なニーズは高まっている。組織基盤を強化する上で、主力事業の収益で財政基盤を安定させることは、継続的な人材確保の上で不可欠であり、3年目の助成事業を通じて自立への道筋を固めていただきたい。

団体概要

  1. 設立(開設)
    2007年(設立後 満10年)
  2. 設立目的
    農村地域や棚田での農作業体験・援農活動や、棚田の多面的機能を普及啓発することで、学生と地域、都市と農山村が相互に理解し協力し合える関係を作りあげ、持続可能な循環型社会の創出に寄与すること
  3. 活動内容
    棚田の保全のための農作業体験事業、棚田の保全に向けた世論づくり・普及啓発のための事業、都市と農山村の現地交流事業、都市と農山村の情報交換のための事業
  4. 活動地域
    兵庫県神崎郡市川町
  5. 有給スタッフ数
    3人(常勤3人)
  6. 正会員数
    個人会員85人、企業・団体会員6件
  7. 財政規模(年間経常収入)
    1,370万円 (2017年度予算)
    998万円 (2016年度決算)
    991万円 (2015年度決算)
  8. ホームページアドレス
    http://tanadalove.com/
棚田LOVER’s 2016年度収入内訳

※円グラフは、2016年度の収入内訳