2011年から始まった「Panasonic NPOサポート ファンド for アフリカ」は、今年で5年目を迎えました。アフリカで活動するNGO/NPOを対象に、組織の活動基盤、特に広報力の強化を支援するというユニークなものです。
そのアフリカは、ファンド開始から5年間の間に大きな変化を遂げました。豊富な地下資源と多くの人口によって、高い経済成長を遂げた国が見られ、資源供給源としてまた市場として大きな期待がかけられています。
確かに成長の波に乗った国々もありますが、一方で内戦や紛争が各地で続いており、資源を持たずに発展から取り残された国がたくさんあります。さらに、経済発展を遂げた国でも、富める人と貧しい人々との格差は圧倒的です。そのため、アフリカへの開発協力は、まだまだ必要とされています。
今回、Panasonic NPOサポート ファンド for アフリカには、13団体から応募をいただき、選考委員会の審査を経て6団体が採択されました。それぞれ、アフリカにおいて現地の人々と共に汗を流しながら着実な成果をあげている団体です。
そのうち、(特活)リボーン京都と(公益社団)日本国際民間協力会の2団体は昨年からの継続支援となりました。広報能力の向上は、その成果が表れるのに時間がかかります。この2団体は、1年目の成果を元にさらに広報効果を向上させるための提案をしていただいたことによって継続支援となりました。
一方、新規に採択された(特活)日本紛争予防センター、(特活)TICO、(一般社団)コモン・ニジェール、(特活)ムワンガザ・ファウンデーションの4団体は、それぞれ特徴がある団体で、いずれも長くアフリカに関わっています。各団体の概要や助成対象事業については、助成団体概要をご覧ください。
審査に当たって新委員の間では、事業の中身に加えて、団体の規模や地域のバランスについても議論されました。
限られた助成金でより大きな広報効果が得られることを期待して、比較的小さな団体を応援したいという意見が多かったのですが、結果として年間数百万円規模の団体から数億円の予算規模を持つ団体までを支援対象とすることができました。
また地域のバランスについては、東京1団体、茨城1団体、長野1団体、京都2団体、徳島1団体と、地方のNGOのがんばりを応援する形になりました。
アフリカは日本から距離的にも精神的にも遠い存在ですが、豊かな自然と多様な文化、10億人を超える人々が住む今後の発展が期待される大陸です。Panasonic NPOサポート ファンド for アフリカを活用した広報力の強化によって、アフリカの魅力と現実が多くの人々に伝わり、アフリカを身近に感じる人が増えることを願っています。
アフリカ分野 選考委員長
(特活)国際協力NGOセンター
常務理事・事務局長 山口誠史