Panasonic NPO/NGOサポートファンド
for SDGs 贈呈式
複雑化する国内外の貧困問題に取り組む
16団体に助成決定
2023年1月27日、東京都江東区有明のパナソニックセンター東京で、「Panasonic NPO/NGOサポートファンド for SDGs」の贈呈式を開催しました。会場には、2023年に組織基盤強化に取り組む16団体の皆様を始め、選考委員の皆様、事務局など約50名の方々にお集まりいただきました。3年ぶりに対面での開催となった今回は、会場の模様を助成団体の皆様にもご覧いただくために、オンラインでも配信し、約20名の方にご視聴いただきました。
●開会挨拶
コロナ禍やウクライナ情勢により貧困の解消が急務に
2001年に設立したサポートファンドは、これまで461団体に助成いたしました。コロナ禍やウクライナ情勢を巡る影響により、世界規模で貧困の解消に向けた取り組みが急務となっています。当社も昨年は、ウクライナや隣国ポーランドで長期避難している方への支援として3月に約2000万円、12月に約2000万円を寄付し、LEDランプなどを寄贈しました。また、東日本大震災から10年以上経過した今も、風評の影響を受けている福島県の農林水産物を食べることで応援する「福島『復興』応援アクション」も始めました。そして昨年末には、当社のサポートファンドをはじめとする組織基盤強化の取り組みが「企業フィランソロピー大賞」を受賞しました。これからも皆様とパートナーシップを組み、社会課題の解決を図っていきたいと思います。
●来賓祝辞(司会代読)
課題が複合的に絡み合う昨今、連携による取り組みが重要
助成先の皆様に、お祝いを申し上げます。本プロジェクトは、社会課題の解決に尽力しているNPO/NGOの組織基盤の強化から支援を行う点に特徴があります。そして今回も保健医療や教育、生活困窮者支援等、国内外の幅広い分野ですぐれた取り組みをしている団体が選出されたとうかがいました。昨今、新型コロナの脅威や気候危機、ロシアによるウクライナ侵攻を受けた食糧・エネルギー問題など、さまざまな課題が複合的に絡み合う中で、よりよい社会を実現するには、人間の安全保障の理念及び、誰一人取り残さないという考えのもと、SDGsを指針に据え、政府・民間企業・地方自治体・市民社会・個々人が連携して、取り組みを進めることが重要です。本プロジェクトのさらなる発展を祈念いたします。
●選考委員長による選考総評
【海外助成】
立ち止まり組織を振り返る勇気が世界の貧困の削減につながる
世界に目を向けると戦争や武力による政変また国策の失敗などにより経済は疲弊し、貧困はまだまだ存在しています。そんな中、海外助成は新規20・継続8団体から応募があり、選考委員会・ヒアリングを経て、新規5・継続2団体が助成の対象となりました。今年は体験型支援を意識した資金調達や、ボランティアをより活用する組織制度設計などが採択されました。また、組織診断の焦点としては、組織・財務・制度の課題抽出や、組織の勤続疲労分析などでした。さて、ここ数年はこの業界も深刻な人手不足です。人が足りないと一人の仕事が増え、しばらくはムリをされますが、その後は組織にヒズミが出ます。問題が深刻化する前に、立ち止まって組織を振り返る、その勇気が結果として世界の貧困の削減につながります。
【国内助成】
コロナ禍で貧困と社会的孤独が拡大する中、テーマも多様化
3年に及ぶパンデミックで、貧困と社会的孤立がより拡大し、中間層にも広がっています。貧困の解消に取り組む民間団体の多くがコロナ禍で活動を停止。2022年に活動が再開されると、コロナ禍の爪痕が明らかになってきました。このような中で国内助成は新規22、継続8団体からの応募があり、選考を経て新規5、継続4団体への助成が決まりました。団体の課題はミッション・ビジョンの共有体制、職員の力量不足、不安定な財政基盤に集約されます。本助成事業は持続性のある確実な力量で貧困対策に取り組めるように、組織診断を行い、組織基盤の強化を図るユニークなものです。過去の助成団体を見渡すと、5年の間にテーマは多様化し、制度のはざまで苦しむ人に手を差し伸べる活動が各地に広がっていることを実感しました。
●助成通知書の贈呈
最後に、2023年に助成を受けることが決まった16団体の皆様に、パナソニック CSR・企業市民活動担当 執行役員の三島より、助成通知書が贈呈されました。その後、団体の皆様で記念撮影を行いました。
贈呈式の後には、『誰と一緒に組織をつくるのか?NPO/NGOの組織基盤強化における「参加」の力』をテーマに「組織基盤強化フォーラム」を開催しました。