市場トラブルの再現実績
2021年10月20日
EMC設計・解析担当の政井です。
私たちは市場で発生した不具合に対し、現状把握、不具合の再現、対策案の立案と効果確認を行い、トラブルの収束を支援するサービスをご提供しています。
今回は、市場トラブルの再現率について紹介します。
私たちは、お客様から「原因不明の市場や製造工程でのトラブルの再現及び解決」のご依頼を年間20件以上対応させて頂いておりますが、これらトラブルの再現率は約90%の実績になります。
この再現率90%は、トラブル現象、対象機器、現場環境をヒアリングし、これまで積み上げてきた経験を元に現場のノイズ源や伝播経路を推定し、その推定したノイズ源や伝播経路に近い状態でEMC試験条件を設定し、実現しています。
私たちの設定した条件でのEMC試験で不具合が再現したことをお客様に報告すると、「EMC試験を実施しているが、故障や誤動作はなかった」ということをお聞きすることがあります。
製品のEMCは、各国の法律が採用する試験規格を満足すれば、市場でトラブルが必ず発生しない、ということではありません。市場では自然界で発生するノイズはEMC規格要求よりもレベルが高かったり、その周波数が異なることがあります。私たちは、この市場で発生するノイズレベルや周波数を把握しております。
ちなみに、トラブル再現率の高い試験の割合は、故障は雷サージ試験で約6割、誤動作はバースト試験、静電気試験、伝導イミュニティ試験が多いです。
最後に、再現できなかった10%の案件のその後をお聞きしますと、
- 使用しているICで同LOTしかトラブルが起きていない
- 類似製品でコンデンサのはんだ外れが起こっている
などEMC以外の要因の可能性が高いのではないかと思われます。
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