
テーマ:民生
LAN通信のサージ耐性は大丈夫?通信線(LANケーブル:UTP)のサージ試験サービス
2023年6月19日
プロダクト解析センター EMCテストラボの河北です。
いつも篠山EMCサイトをご利用いただきましてありがとうございます。
みなさん、LANケーブルには2種類のタイプがあるのをご存じでしょうか?
- STPタイプ:遮へい効果があるシールド材で覆われているためノイズ耐性が高いが、コストが高く、硬い
- UTPタイプ:シールド材で覆われていないためノイズ耐性が低いが、コストが安く、柔らかい
私たちが普段家庭やオフィスで一般的に使用している、LANケーブルはUTPタイプがほとんどだと思います。そのためLANケーブルの芯線に重畳したノイズが、通信に悪影響を与える可能性が、STPタイプに比べ高いです。
各EMC規格では、有線LANポートに対するイミュニティ試験が複数あり、STP/UTPのLANケーブルにノイズを印加し製品が誤動作しないかを確認します。
この度、UTPタイプに対応した雷サージ試験用の「高速通信線用重畳ユニット」を導入し試験サービスを開始しました。
LANポートの雷サージ試験は、長距離ケーブル(30m以上)の利用や建屋間を直接接続する場合が試験対象となり、各EMC規格に要求が追加されています。
最近では2020年に改定された家庭用電気機器に対するイミュニティ規格のCISPR 14-2にも要求が追加されました。
EMC規格におけるLANケーブルの雷サージ要求事項 例
今回の導入した重畳ユニット F-130814-1004-4は、±4 kVまでの雷サージ試験が可能です。

試験では、EUTと周辺機器の間に重畳ユニットを挿入し、線 ー アース間に雷サージを印可します。

今回の導入により有線LANポート(UTP/STPタイプ)に必要な試験項目を全て篠山EMCサイトで実施可能となりました。
篠山EMCサイトは、パナソニックグループ以外のお客様もご利用いただけますのでお気軽にお問合せ下さい。皆様のご利用をお待ちしております!