無電化地域ソリューション
ケニア活動レポート
ワクチンの冷蔵や鶏の飼育などで、
電気の活用を継続
2020.04.20
ワクチンが冷蔵保管できるようになり、
地域の診療所での接種数が増加。
太陽光発電・蓄電システムによる電気で、2019年からエンクトト地区の診療所でワクチン保管用の冷蔵庫が稼働しています。
以前はワクチンが常時保管されておらず、徒歩で2時間もかかる遠方の病院に行かなければワクチン接種ができないことも多々あり、特に乳幼児を持つお母さんにとって、年に何度もある定期予防接種は重労働でした。
冷蔵庫によるワクチン保存が始まってからは、診療所で予防接種を受ける子どもの数が増え、診療所の年間接種数は2018年で199本、2019年は428本となっています。電気を診療所で活かすことが、地域住民の健康改善につながっていきます。
診療所の敷地で鶏の飼育をスタート。
診療所の裏手に養鶏場をつくり、約500羽の鶏の飼育をスタートさせました。現在は、養鶏場の照明およびヒーターに太陽光発電・蓄電システムの電気を活用しています。
得られた鶏卵は、小学校の給食の材料として、または商品として販売することで、子どもたちの栄養改善や地域の収入向上を目指します。
さらに、電気でふ卵器を稼働させ、卵の一部をヒナに孵化させる取り組みにも挑戦していきます。
女性のための識字教室では、
教材開発で学びやすさの改善を。
早婚などの慣習によって、学ぶことを途中で諦めざるを得なかった女性たちのために。自分自身の力でよりよい生活を送っていきたいと願う女性たちのために。そんな思いのもと計画された識字教室が本格的にスタートしました。19時、会場の教会に夕食をつくり終えた近所の女性たちが集まってきます。
ソーラーストレージのあかりの下で授業に臨む彼女たちの表情は真剣そのもの。今後は、参加者の職業を考慮した親しみやすいテーマで教材を作成し、無理なく楽しく学べる教室を目指して改善を続けていきます。
政府公認の職業訓練校が、技術人材の育成の場に。
電気を活用した生活改善を持続可能にしていくために、太陽光発電・蓄電システムの保守や簡単な修理ができる人材を育てる取り組みも始まりつつあります。
故障状態を把握して原因分析までできる人材がコミュニティの中にいてこそ、自走の仕組みは実現します。また、電気工事会社に依頼する修理が最小限に抑えられるので、コストも減らせます。
現在、ナロク県の職業訓練校と育成プログラムの準備を行っています。