無電化地域ソリューション
インドネシア活動レポート
太陽光による電気を活用し、
モリンガなどの加工と商品化に成功
2020.04.20
農民たちが栽培したモリンガから、
サプリメントを生産。
ディアン・デサ財団の研修センター(P3M)で、近隣住民とともにモリンガの栽培や加工の取り組みを始めてから約1年半。
育成方法の研修を受けた近隣の農民がP3Mの敷地で栽培した苗を譲り受け、自らの畑で育てています。これまでに52,000本の苗を提供し、187kgを収穫できました。
栽培と同時に、モリンガせんべいの試作などを通じて、よりよい加工法を模索し続けてきました。
その努力が実を結び、今回、太陽光発電・蓄電システムの電気を活用して乾燥させたモリンガの葉を、粉末にしてカプセルに詰める加工でサプリメントへの商品化が実現しました。今後はニーズや顧客ターゲットを絞るなど、マーケティングプランの作成に取り組んでいきます。
栽培したロセラの花で、ジャムやティーを生産。
P3Mの農場ではモリンガのほか、ハイビスカスの一種であるロセラという植物を育てています。乾季の5月から7月に咲く赤い花でつくるロセラティは、インドネシアでは美容と健康のために飲まれている人気のハーブティです。
2018年から近隣住民とともにロセラティやジャムへの加工に取り組み、これまでにお茶を14.2kg、ジャムを8kg生産することができました。
天然のハチの巣から、“森のハチミツ”を生産。
近くの森の木々から天然のミツバチの巣を取り、P3Mの作業小屋で、採蜜やろ過などの研修を受けた近隣住民が加工に取り組んでいます。これまで生産者から購入した300kgを30kg(ボトル300本分)に加工しました。今後は近隣企業への直販など、販売ルートを検討していきます。
販売ルートを確保し、地域住民に収益を還元していく。
モリンガやロセラ、ハチミツの加工・商品化に成功した次のステップの課題は、流通ルートを確保すること。売上げによる収益を栽培や加工に参加した住民にしっかりと還元していくために、今後、約2年間かけて取り組んでいきます。
これまでP3Mでの取り組みに参加した近隣住民は、のべ100人。P3M周辺には約4,000世帯が暮らしていて、今後、参加希望者の増加も見込まれます。近隣住民に積極的に参加を呼びかけながら、地域全体の収入向上への貢献を目指していきます。