2023年5月25日

受益者の方々とPMPCメンバー

パナソニックグループでは、2013年から2018年まで「ソーラーランタン10万台プロジェクト」を通じて、アジアやアフリカなどの国・地域30か国に10万台以上のソーラーランタンを届けてきました。しかし、いまだ無電化地域に暮らす人々は6億人以上存在すると言われています。そこでその思いを受け継ぎ、「無電化地域の未来を照らすプロジェクト~LIGHT UP THE FUTURE」として、あかりや電気を無電化地域に届け、「教育」「健康」「収入向上」の機会を創出することで、貧困のない社会づくりを支援しています。
今回は、グループ会社であるパナソニック マニュファクチャリングフィリピン(PMPC)とともに、フィリピンの無電化地域で暮らす方々にソーラーランタン500台を寄贈しました。

寄贈先は首都マニラで活動している2つのNGO団体。
1つ目は、Angat Kabataan Volunteer Group。彼らは、特に電気がいまだ利用できない地域の若者やその地域の人々が高校教育を修了できるよう、社会問題に関わりながら若者に力を与えることを目指した活動を実施しています。12月9日にマニラ西部のTaytay地区のBrgy Sta Anaにて、PMPCから団体にソーラーランタン200台を直接手渡ししました。ランタンを受け取ったAngat Kabataanは、電気にアクセスできない家庭(特に学校に通っている子どもを持つ家庭)や、夜間の移動販売業者・農家・漁師などにランタンを配布しました。

ランタンの配布を待つ方々
PMPC・Angat Kabataanからランタンを手渡し

2つ目は、Our Lady of Light Parish。彼らはクリスマスシーズンに政府の少額資本補助金を通じて小さな店舗を運営する失業中の主婦に持続可能な生計手段構築の支援、つまりナイトマーケットを照らす“あかり”の供給を行っています。12月12日にマニラ西部のCainta地区のParish教会にて、PMPCの近藤社長らも出席しソーラーランタン300台を寄贈しました。これらのランタンは、山間部に住んでおり明かりへのアクセスが難しい方々に贈られました。ランタンを受け取った人々は、早速各家庭に持ち帰り、家の天井に設置していました。初めてランタンのあかりを見た男性は、喜びと驚きの表情をしていました。Our Lady of Light ParishのPaolo牧師は、「恵まれないコミュニティへの支援に感謝します。フィリピン企業の支援がまだ行き届いていない家庭にあかりを届けることは神の手のようでした。ソーラーランタンが家を照らし夜に活動できるようになることは、人々にとっても、人々の生活にとっても大きな助けとなるでしょう」とお話しいただきました。
PMPCの上妻取締役は、「ソーラーランタンは機会の平等を提供するために非常に強力なツールです。多くの方が勉強をして生活の質を向上させたいという意欲を持っています。残念ながらいくつかの制約によりこれを達成できていません。ランタンとパナソニックのCSR活動を通じて、機会の平等を提供することで人々のくらしの向上に貢献できると考えています」と述べました。

PMPCとOur Lady of Light Parishのメンバー
初めてランタンを室内で使った様子

ランタン寄贈前まで使っていた灯油ランプからソーラーランタンに切り替えていただくことで、「教育」、「健康」、「収入向上」に多くの効果が期待されています。「教育」では子どもたちの夜間の学習時間が1~3時間増加、「健康」では呼吸器疾患の患者数が年間で10~20名減少、「収入向上」では1か月あたりの灯油代が6~8,000ペソ削減、夜間に内職することによる20%の収入アップなどを目指すことで、貧困からの脱却を目指しています。

パナソニックグループでは、「サステナブルな共生社会」の実現を目指して、無電化地域にあかりを届ける活動を継続していきます。

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