新規助成
助成事業名 |
子どものための国際福祉:持続可能性に向けた組織基盤強化 |
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団体名 |
社会福祉法人 日本国際社会事業団 |
代表者 |
理事長 大槻 弥栄子 |
【推薦理由】
本団体は、1952年に設立され、国際養子縁組、国際離婚を背景とする親子の面会交流、日本に残された外国籍児童の国籍取得や家族の再会支援などを行ってきた。また、国連の諮問機関である、International Social Service(ISS)の日本支部でもある。グローバル化に伴う多国間の狭間に置かれた子どもの問題は増加・複雑化しており本団体の活動意義は大きい。
長い歴史を持ち、国際ソーシャルワークの専門性をもつ人材を多数有しているが、財政基盤が弱く、新しい社会福祉法人制度や経営手法に合わせた柔軟な対応を行う体制が脆弱であり、適切なリソース配分ができないなどの運営課題を抱えている。
今年の7月に事務局体制が新しくなったことから、組織診断を通しての組織基盤強化は必要かつ適切な時期であると判断し、助成を行うこととした。なお、助成事業の実施に当たっては、外部コンサルタントに過度に依存することなく、主体的に取り組むことが重要であろう。
本助成を通して、国籍、人種、信条の別なく、子どもを含めた一人一人の人権を守り、より脆弱な環境に置かれた子ども、女性、外国人市民の権利を擁護する意識が日本社会に広がることを期待したい。
団体概要
- 設立(開設)
1952年設立(法人格取得:1959年) - 設立目的
多様な福祉サービスがその利用者の意向を尊重して総合的に提供されるよう創意工夫することにより、利用者が、国籍、人種、信条の別なく個人の尊厳を保持しつつ、心身ともに健やかに育成され、又はその有する能力に応じ自立した日常生活を国内及び国際社会において営むことができるよう支援すること - 活動内容
国際養子縁組、国境を越えた未成年者の家族再会援助、未成年の難民や無国籍児等への定住支援、国際結婚の破綻による親子の面会交流、難民および難民申請者への相談支援、国際ソーシャルワークに関わる人材育成など - 活動地域
東京、大阪、沖縄 - 子どもの対象年齢
乳幼児、小学生、中学生、高校生、大学生、その他(養育者、法や制度の狭間で福祉を必要とする人) - 有給スタッフ数
事務局有給職員3人、現場有給職員10人 - ボランティア数・寄付件数
ボランティア30人、寄付160件 - 会員数
正会員150人、3団体 - 財政規模(年間経常収入)
5,138万円(2015年度予算)、4,720万円(2014年度決算)、4,439万円(2013年度決算) - ホームページアドレス
http://www.issj.org/
助成事業名 |
会計・広報の戦略性を高め、マンスリーサポーター拡大を起点とした財政基盤強化の達成 |
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団体名 |
特定非営利活動法人 e-Education |
代表者 |
理事長 三輪 開人 |
【推薦理由】
本団体は、「最高の授業を世界の果てまで届ける」をミッションに掲げ、開発途上国の農村部などで、学校が無い・先生が足りない・良質な授業を受けられないといった課題解決のために映像での授業を提供している。
学生中心のボランティア団体からの脱皮を図り、2014年12月にNPO法人格を取得した団体で、若い力と新しい手法で開発途上国の社会的課題を解決しようとする意欲と勢いを感じる。
しかしながら、組織的には未整備な部分も多く、組織基盤の強化が喫緊の課題と言える。その点が強化されれば今後の発展が期待できることから助成対象とした。
応募事業として挙げている①会計処理機能の強化、②支援者獲得及び支援者満足度の向上、③広報力の向上、は妥当なものであるが、外部コンサルタントのアドバイスを受け、セミナーに参加しつつも、あくまでも自分たちが自主的・主体的に取り組むことを中心に置くことが重要であろう。
今後、教育以外の他の分野でも、新しい発想と手法で開発途上国の社会課題を解決したいと願う若者たちへの良きモデル団体となること期待したい。
団体概要
- 設立(開設)
2010年設立(法人格取得:2014年) - 設立目的
開発途上国の子どもたちをはじめとする、学習機会や学習環境に恵まれない人々に対して、日本および開発途上国の若者が中心となり、映像教育の提供を中心とした学習支援事業を行い、彼らが自らの可能性に挑戦できる社会の実現に寄与すると同時に、これを発信して広めていくこと - 活動内容
映像教育を用いて、地理的・経済的な教育課題を抱える地域の生徒たちに良質な教育機会を提供 - 活動地域
バングラデシュ、フィリピン、インドネシア、ミャンマー、ベトナム、スリランカなど - 子どもの対象年齢
中学生、高校生 - 有給スタッフ数
事務局有給職員1人、現場有給職員1人 - ボランティア数・寄付件数
ボランティア50人、寄付20件 - 会員数
31人 - 財政規模(年間経常収入)
2,004万円(2015年度予算)、420万円(2014年度決算※法人格取得後)、794万円(2013年度決算) - ホームページアドレス
http://eedu.jp
※法人格取得後
助成事業名 |
設立当初の目標「常設居場所」の獲得から、これからの組織体制・事業の再構築 |
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団体名 |
特定非営利活動法人 アレルギーネットワーク京都ぴいちゃんねっと |
代表者 |
理事長 空閑 浩人 |
【推薦理由】
本団体は、食物アレルギーの子どもと保護者・家族が地域社会の中で安心・安全に過ごせる社会を目指して、食物アレルギーに関する研修、子どもと保護者の居場所事業、災害時対策、政策提言などに取り組み、当事者性と専門性を重視した市民団体である。
設立当初から、「食物アレルギーに配慮された常設の居場所」づくりを目指しており、2014年度に非当事者スタッフを事務局職員として雇用し、2015年度に京都市より「つどいの広場」事業を受託して、全国初の食物アレルギーに配慮した公共の場を運営することとなった。
今回の助成事業では、これまでのアレルギーをもつ子どもと保護者・家族に加え、地域の親子にも対象を広げ、セーフティネットの役割を担う法人として、ミッションについて改めて考え直し、役職員全員で中長期の計画を策定していこうと組織診断から取り組む。
この事業を通じて社会的な理解が広がり、食物アレルギーの子どもと保護者・家族の生活の質が向上していくことを期待したい。
団体概要
- 設立(開設)
2005年設立(法人格取得:2009年) - 設立目的
アレルギーの子どもとその家族及び、子育て支援各関係者、保育園・幼稚園・学校等の公的機関、不特定多数の地域住民に対して、アレルギーに対する情報発信と一般周知に関する事業を行い、保健医療の増進、社会教育、災害時支援、地域福祉の向上に寄与すること - 活動内容
保護者・支援者を対象とした食物アレルギー研修会(アレルギーの学び舎、アレルギー大学)、食物アレルギーサポートデスク&つどいの広場の運営、災害支援ネットワークの推進、食物アレルギーに関する情報発信、食物アレルギーの子どもや保護者の生活の質の向上に関する政策提言 - 活動地域
京都府京都市・舞鶴市・木津川市など - 子どもの対象年齢
乳幼児、小学生、中学生、その他(保護者、施設職員) - 有給スタッフ数
事務局有給職員4人 - ボランティア数・寄付件数
ボランティア6人、寄付5件 - 会員数
正会員14人、その他会員65人 - 財政規模(年間経常収入)
1,154万円(2015年度予算)、2,403万円(2014年度決算)、1,169万円(2013年度決算) - ホームページアドレス
http://www.allergy-k.org
助成事業名 |
“ちょっとやんちゃな、ごちゃまぜスタイル”というMerryTimeらしさを明確にするための人材・組織基盤整備 |
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団体名 |
NPO法人 キッズ&子育て応援隊 MerryTime |
代表者 |
代表理事 永谷 陽子 |
【推薦理由】
本団体は、1994年に母親たちの仲間グループが幼児のあそび場づくり「わんぱくらんど」を事業として始めたことを皮切りに、母親の支えあいと学びの場「子育てキャリア塾mam」、行政との連携を切っ掛けに始まった小学生の居場所「わくわくこども村」、親子の居場所づくり、一時保育など、地域や時代のニーズ、出会った母親たちのニーズを汲み上げながら活動を展開し、創立22年目を迎える市民団体である。
この間、設立当時からのメンバーが団体を牽引し、NPO法人化による組織整備や行政需要の取り込みなど、時代の変化に伴って発展し、次世代・次々世代メンバーの参画も得てきた。しかし、設立当初からのメンバーには「当たり前」であった団体の独自性・強み・ミッションが共有できず、また少子化や働く母親の増加による社会ニーズの変化に対応したビジョンが見出せないという課題を抱えている。
当事者発のNPO・市民活動においては典型的な、“いつか迎える”課題をどう乗り越えていけるのか、また子どもをめぐる現代の諸課題を解決していくために、親子関係を原点にしつつも子育てを社会化していくビジョンをどう確かなものにしていけるのか、組織診断を通してメンバーが共有し、組織・事業の再構築へとつながることを期待したい。
団体概要
- 設立(開設)
1994年設立(法人格取得:2007年) - 設立目的
「キャリア教育(生きる力支援)」「子育てはキャリア」「子育て世代のキャリア形成支援」の3つの視点から子育てを捉え、親子の健全な自立(律)を目指して、双方向からの支援に関する活動を行うとともに、地域社会との連携を図り、様々なコミュニティとネットワークの形成を図ること - 活動内容
入園前の子どもの集団の遊び場「わんぱくらんど」、3歳から小学生までの放課後の居場所「わくわく子ども村」、母親たちの子育てキャリア塾mam、おやこのスペース、一時保育 - 活動地域
大阪府箕面市・豊中市 - 子どもの対象年齢
乳幼児、小学生、中学生、その他(インターンシップの高校生や大学生) - 有給スタッフ数
事務局有給職員1人、現場有給職員3人 - ボランティア数・寄付件数
ボランティア30人、寄付23件 - 会員数
正会員59人、その他会員2人 - 財政規模(年間経常収入)
1,454万円(2015年度予算)、1,535万円(2014年度決算)、1,107万円(2013年度決算) - ホームページアドレス
http://merrytime.jimdo.com
助成事業名 |
学校外で学ぶ貧困家庭を含む子どもたちに対する持続可能な支援の再構築 |
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団体名 |
特定非営利活動法人 ふぉーらいふ |
代表者 |
理事長 中林 和子 |
【推薦理由】
本団体は、阪神・淡路大震災を契機に設立した団体を前身にもち、フリースクール・不登校の子どもの居場所づくり、発達障害の子ども・親の支援活動など、地域に根差して、目の前の課題に地道に取り組んできた団体である。
フリースクールはスタッフと固定の場所を必要とする活動であり、本団体も年間事業規模5~600万円で継続して運営しているが、昨今、貧困家庭からのニーズが増えてきており、それに応えたくとも応えられないという課題を抱えている。また、有償・無償スタッフの役割分担や育成、フリースクールの事業収入に依存した財源構成などの構造上の課題に加え、長年の活動の中で大学・高校、フリースクールのネットワーク、社協・地域福祉、医療など幅広い連携・協力関係を築いてきたものの、その貴重な資源を十分に活かしきれていない。
昨年度、中間支援NPOのプログラムを活用して第三者の視点を入れた組織診断を独自に試みており、今回の助成事業は診断結果を踏まえた計画であり、変革の意志と基盤強化イメージを明確にしている点を評価した。多様な教育NPOがネットワーキングし始めていること、国がフリースクール支援を検討し始めていることなども考慮し、学校外で学ぶ子どもたちを応援するNPOの組織基盤強化モデルとなることを期待したい。
団体概要
- 設立(開設)
1997年設立(法人格取得:2002年) - 設立目的
フリースクールの運営を柱に不登校の子どもたちとその親を支援する活動を通して、子どもの成長と学ぶ権利を保障し、社会の理解を深める活動を行う。また、子どもたちが体験学習から生きていく力やそれぞれの“個”を育てる場を提供することで、青少年の健全な育成を推進すること - 活動内容
青少年が主体となって総合的に学び・育ちあうフリースクールの運営、高校生に特化した居場所づくりと卒業資格取得支援、発達障害の子どもの遊びと学び支援、不登校・発達障害に関する講座・講演会、不登校・発達障害の子どもをもつ保護者の相談支援 - 活動地域
神戸市垂水区 - 子どもの対象年齢
小学生、中学生、高校生 - 有給スタッフ数
事務局有給職員3人、現場有給職員4人 - ボランティア数・寄付件数
ボランティア7人、寄付75件 - 会員数
正会員28人、その他会員46人 - 財政規模(年間経常収入)
524万円(2015年度予算)、681万円(2014年度決算)、653万円(2013年度決算) - ホームページアドレス
http://www3.to/forlife
継続助成
助成事業名 |
第2創業を支え長期的経営安定を図る組織基盤強化 |
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団体名 |
特定非営利活動法人 キッズドア |
代表者 |
理事長 渡邉 由美子 |
【推薦理由】
「子どもの貧困」が国民的に認知されるようになった。福祉・NPO関係者の実践や発言も大きな力となり、政治が動き、昨年「子どもの貧困対策推進法」が施行され、メディアによる積極的な報道も社会的な理解を後押しする力になっている。
本団体は一早くこの問題に取り組んできたフロントランナーであり、多くの市民の関心を牽引してきた。2007年の設立以降、世の中の関心と法制度の整備を受けて行政委託事業等が拡大し、昨年度は東京・東北あわせて31の事業を展開するまでになっている。
この急激な成長に組織基盤が伴わず、助成1年目は組織診断を行い、組織マネジメントの課題を洗い出し、事務局体制を強化し、中期経営計画の見直しに着手した。
助成2年目は東日本大震災の寄付の減少を踏まえて、長期的な経営の安定を図るため、財務経理の仕組みの確立、団体内コミュニケーションの仕組みづくり、認定NPO法人化とファンドレイジングの仕組みづくり等を目指しているが、明確な課題を設定していることを評価した。
多くの団体が後に続くためにも、本団体が子どもの貧困問題に取り組むNPOのモデルとなるよう期待したい。
団体概要
- 設立(開設)
2007年設立(法人格取得:2009年) - 設立目的
「すべての子どもが夢や希望を持てる社会の実現」を目指し、特に、親の貧富が子ども世帯へ引き継がれる「貧困の世代間連鎖」を断ち切ると共に、困窮家庭の子どもたちが将来の夢を失わず、進むべき選択肢が増えるように職業体験や学力向上の機会を得られるようにすること - 活動内容
低所得家庭の中学3年生向けの無料学習支援、困難状況にある小学生から高校生までを対象とした学生ボランティアによる学習支援、震災による東京への避難家庭および被災地等での子どもの支援 - 活動地域
東京都中央区・足立区・世田谷区・墨田区・品川区等、宮城県仙台市・南三陸町、福岡県福岡市 - 子どもの対象年齢
小学生、中学生、高校生、大学生、低所得家庭の保護者 - 有給スタッフ数
事務局有給職員6人、現場有給職員18人 - ボランティア数・寄付件数
ボランティア1,200人、寄付200件 - 会員数
正会員13人 - 財政規模(年間経常収入)
11,711万円(2015年度予算)、8,198万円(2014年度決算)、7,400万円(2013年度決算) - ホームページアドレス
http://www.kidsdoor.net/
助成事業名 |
組織基盤強化による聴覚障害児・者支援体制の整備 |
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団体名 |
認定特定非営利活動法人 長野サマライズ・センター |
代表者 |
理事長 宮野 美晃 |
【推薦理由】
本団体は、聴覚障害などがあっても、自ら考え自立した学校生活を送り、社会に役立つ人材として成長できる環境を支えている。特に、教育現場で聴覚障害児・学生の文字情報支援を行っており、その経験を生かし、企業や大学などと連携してスマートフォンを活用した「遠隔支援システム」を開発し、その普及や支援者の育成に取り組んでいる。
助成1年目は組織診断を行い、「法人運営の方向性を共有化する」「事務作業の合理化、キーパーソンの採用を図る」「寄付募集や協働提案の実施方法を明確化する」などを組織が取り組むべき優先課題として挙げた。その中で、理事の役割分担を明確にし、理事会を定例化して、安定して継続的な寄付収入を得るために認定NPO法人を取得し、新規事業の開発や寄付を増やすための取り組みを行ってきた。
助成2年目の今回は、会員・寄付募集事業の強化と効率的な事業運営体制の整備、次期を担う人材の確保・育成などに取り組み、本当に必要な支援を当事者に届けられるような組織づくりを加速する。
これらの取り組みを通じて、全国の聴覚障害児・学生が自分の必要とするサービス・機器に出会えるよう、持続可能な組織の発展を期待したい。
団体概要
- 設立(開設)
2001年設立(法人格取得:2003年、認定取得:2015年) - 設立目的
IT機器やIT関連技術を有効に活用することで、障害者・高齢者を中心とする地域に住む人々の自立をサポートし、社会参加の促進を目指し、それに関わる人材を育成し、地域社会の発展と誰にでも優しい街づくりに寄与すること - 活動内容
聴覚障害者向けパソコン文字通訳支援サービスの提供と人材育成、初等・中等・高等教育現場の聴覚障害児・生徒・学生向け遠隔支援、普及啓発、人材育成、相談など - 活動地域
長野県塩尻市・長野市、茨城県つくば市 - 子どもの対象年齢
乳幼児、小学生、中学生、高校生、大学生、その他(成人聴覚障害者、文字情報を必要とする方) - 有給スタッフ数
事務局有給職員5人、現場有給職員30人 - ボランティア数・寄付件数
ボランティア10人、寄付136件 - 会員数
正会員14人、その他会員49人、2団体 - 財政規模(年間経常収入)
920万円(2015年度予算)、1,317万円(2014年度決算)、1,536万円(2013年度決算) - ホームページアドレス
http://www.nagasama.net/
助成事業名 |
法人内外への「コミュニケーション」円滑化による組織基盤強化 |
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団体名 |
特定非営利活動法人 フリースクールみなも |
代表者 |
理事長 今川 将征 |
【推薦理由】
本団体は、不登校の子どもたちの居場所・フリースクール活動から始まり、ニーズに応えるかたちで高校連携、進学を支援する個別学習サポート、親の会や相談等の保護者サポート、行政委託による調査研究など、関連事業を増やし成長してきた。
助成1年目は、スタッフ同士やコンサルタントとの話し合いにより、各事業は回っているものの、事業間の連絡体制が確立していないこと、コミュニケーションの不足や業務の非効率化が生じていること、各スタッフが蓄積した実践知や暗黙知が共有化されていないこと、などを自覚してきた。一方、この過程で、団体のミッションやビジョンは共有されていることが分かった。
コンサルタントが絡んだ糸を丁寧に解きほぐすようなプロセスも堅実で、ようやく組織診断の半ばにたどり着いたところと言えるが、事務処理時間の創出や、「子どもカンファレンス」によるスタッフ間の共有など、出来るところから組織課題の解決にも取り組んでいる。
組織基盤強化にあたって、業務連絡ツールの開発、ミッション・ビジョンの明文化と対外発信力の強化、広報のマーケティング分析など、今後、継続して取り組むべき課題も明確にしている。引き続き2年目の助成を行うことで、成果が上がることを期待したい。
団体概要
- 設立(開設)
2004年設立(法人格取得:2005年) - 設立目的
不登校の子どもや学校以外の学びの場を選択した子どもに、もう一つの学びの場と機会を提供することを通じて、子どもの自己実現を最大限に援助し、社会にとっても有為な人材を育成すること - 活動内容
不登校の子どもたちの居場所と学びの場の運営、通信制高校と連携して行う高校卒業資格支援、個別学習塾の運営、不登校の子どもをもつ保護者の交流と相談、不登校の子どもに適切な支援の在り方に関する研究 - 活動地域
大阪府、兵庫県 - 子どもの対象年齢
小学生、中学生、高校生、大学生 - 有給スタッフ数
事務局有給職員1人、現場有給職員8人 - ボランティア数・寄付件数
ボランティア10人 - 会員数
正会員16人、その他会員10人 - 財政規模(年間経常収入)
1,232万円(2015年度予算)、1,154万円(2014年度決算)、1,170万円(2013年度決算) - ホームページアドレス
http://homepage2.nifty.com/freeschool_minamo/
助成事業名 |
ライフスキル教育を用いて貧困地区の子どもたちの中途退学者を削減!二つ目のモデル地域を生み出すための組織基盤強化 |
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団体名 |
特定非営利活動法人 ソルト・パヤタス |
代表者 |
代表理事 小川 博 |
【推薦理由】
本団体は、フィリピン首都圏の貧困地区とリサール州の貧しい家庭を対象に奨学金、補習、給食などの教育支援を行っている。特にライフスキル教育を取り入れた子どものエンパワメントを通して就学継続率を高め、地域や社会の環境改善に貢献できる人材の輩出に取り組んでいる。
本団体の課題は、支援者対応、広報、マーケティング力の不足による組織・財政基盤の脆弱性であり、助成1年目に組織診断を行った上で基盤強化を図るための中長期方針や事業展開像を作成した。
助成2年目の事業としては、収支の詳細や活動計画、中長期の資金計画などを確定させ、ファンドレイジングの強化や業務の効率化、コミュニケーション能力の向上を計画している。計画内容は妥当であり、組織基盤が強化されると思われることから継続助成を行うこととした。特に2年目はファンドレイジング強化の取り組みが重要であろう。
本事業を通して、小規模から中規模へと成長しつつあるNGOの組織・財政基盤が強化され、現地の子どもと母親、コミュニティを生かすことができる、地域発の市民と市民をつなぐ国際協力の可能性が更に示されることを期待したい。
団体概要
- 設立(開設)
1995年設立(法人格取得:2008年) - 設立目的
全ての人々が、国籍に係わりなく健康で最低限度の文化的生活を保証され公正な社会と世界を創出するために、東アジアを中心に、貧困に苦しむ現地住民に対して支援を行い、自立促進と生命の保全に貢献する事業を行い、広報活動を通じて問題の理解と参画を推進すること - 活動内容
子どもエンパワメント、ママエンパワメント(女性収入向上支援)、現地体験プログラム、災害緊急支援など - 活動地域
フィリピン共和国マニラ首都圏ケソン市パヤタス地区・リサール州ロドリゲス町カシグラハン地区 - 子どもの対象年齢
小学生、中学生、高校生、大学生、その他保護者 - 有給スタッフ数
事務局有給職員2人、現場有給職員2人 - ボランティア数・寄付件数
ボランティア33人、寄付207件 - 会員数
正会員106人、4団体、その他会員3団体 - 財政規模(年間経常収入)
3,049万円(2015年度予算)、2,034万円(2014年度決算)、1,333万円(2013年度決算) - ホームページアドレス
http://www.saltpayatas.com/
助成事業名 |
自閉症/発達障害児・者と保護者を支援する組織基盤強化 -安心して暮らせる社会づくりのために、2016年サポートネットは進化×深化します- |
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団体名 |
認定特定非営利活動法人 みやぎ発達障害サポートネット |
代表者 |
代表理事 相馬 潤子 |
【推薦理由】
本団体は、「発達障害のある人とその家族が、人格の尊厳を保ち、安心して暮らせる社会づくりに貢献すること」をミッションに掲げ、大きくは子ども支援事業と保護者支援事業を行っている。
助成1年目は組織診断を行い、中期計画を作成した。助成2年目は中期計画に基づき組織力強化と人材育成、療育支援事業の拡大のための環境づくりに取り組み、着実に実績を上げている。
発達障害児とその家族からのニーズは増加傾向にあり、より一層の展開が求められることから、3年目の継続助成を行うこととした。具体的にはより拡大するニーズに応えるための新活動拠点の確保とスタッフの専門性を高めるための研修、オリジナル・プログラムの確立、テキスト作りが予定されている。
本団体が取り組む課題は、豊かで安心して暮らせる社会の形成のために、その社会的意義は大きく、今後もニーズがある。専門性を深め、市民とのつながりを強化しながら継続的に事業・組織を発展させ、他のNPOの一つのモデルになることを期待したい。
団体概要
- 設立(開設)
2006年設立(法人格取得:2007年、認定取得:2015年) - 設立目的
発達障害児・者やその家族が「あったらいいな」と願う支援の形を現実のものとするため、発達障害についての理解を広め、行政や多くの市民と協働しながら、保健、医療、福祉、教育などの各分野にわたる支援活動を実践することにより、発達障害をとりまく環境の改善・向上を図り、発達障害児・者とその家族が人格の尊厳を侵されることなく、心身ともに健やかに安心して暮らせる社会づくりに貢献すること - 活動内容
療育事業、児童発達支援・放課後デイサービス、相談支援、おしゃべりサロン、学び合いなど - 活動地域
宮城県仙台市 - 子どもの対象年齢
乳幼児、小学生、中学生、高校生、その他(保護者・支援者) - 有給スタッフ数
事務局有給職員4人、現場有給職員9人 - ボランティア数・寄付件数
ボランティア28人、寄付47件 - 会員数
正会員123人、その他会員23人 - 財政規模(年間経常収入)
3,452万円(2015年度予算)、3,509万円(2014年度決算)、3,231万円(2013年度決算) - ホームページアドレス
http://mddsnet.jp/