NPOの皆様へ

パナソニックは、今年度(2010年度)よりアフリカで活動するNPO・NGOの組織マネジメント強化(キャパシティビルディング)を支援するプログラム「Panasonic NPOサポート ファンド for アフリカ」を開始いたしました。本プログラムは持続可能な社会の実現を目指し、日本国内に本拠地を置きアフリカで様々な活動を行っているNPO・NGOの「広報活動」を支援するものです。

2010年6月に公募した2011年助成事業には、アフリカ分野32団体の応募がありました。
アフリカ分野では3件に総額259万7千円の助成を決定しました。

アフリカ分野・助成団体概要(2011年)

事業名

ブックレットと電子ブック『NGOから見たケニアの人々の生活と参加型開発協力』発行

団体名

特定非営利活動法人 アフリカ地域開発市民の会(CanDo)

代表者

永岡 宏昌

<助成事業概要>

  • 本団体主催勉強会での記録を「NGOから見たケニアの人々の生活と参加型開発協力」をテーマにブックレットとして発行、配布する。合わせ電子ブックを作成し、無料でダウンロードできるようにする。
  • その内容は、歴史、文化といった背景、国際社会の取り組みの変遷、アフリカ諸国との比較など様々な面から、人々の生活と課題を見るものである。
  • わかりやすい文章でまとめ、幅広い層を対象とした入門書として発行し、アフリカへの理解を深め、本団体活動に関心をもってもらうことを目的とする。さらに、文中での注意書きや資料面を充実させ、この分野での参考図書としてのレベルも確保する。

<推薦理由>
 本団体は、現地の資源を最大限に活用し、外部からの投入を最小限に押さえた活動を行っている。そこに住む人たちが自ら考え、その行動によって、暮らしがより豊かに変わることを目指した活動を1998年より継続実施しており、そのブレない姿勢が評価に値する。
 今回の申請である電子ブックでは、これまでの団体のノウハウをオープンにするにも匹敵する内容であり、あまねく多くの方と情報の共有が図れることに期待したい。

<団体概要>

設立

1998年

目的

アフリカにおいて地域の資源を活用し、教育、保健、環境保全の分野を包括した活動を通して、主体である、地域に暮らす人々の社会的能力向上をはかり、問題を解決して彼らが考える「豊かさ」を達成することを目指す。

活動

  • 小学校の保護者の学校運営能力向上も目的とする教室建設
  • 小学校の教員へのエイズ教育研修を実施(教員による公開授業、子ども発表会を開催)
  • 地域住民への基礎保健トレーニング
  • 地域住民へのエイズおよび母性保護の学習会を開催
  • 女児の早期性交渉と妊娠予防のための取り組み
  • エイズについて教えることができるリーダーを養成
  • 地域住民を対象に気候変動に適応する環境と保健の学習会を開催
  • スラムの高校生への補習授業を実施

地域

ケニア共和国

有給スタッフ

国内3人、海外18人(うち現地スタッフ16人)

会員数

一般会員70人、賛助会員(うち団体2)50人

ボランティア

12人

財政規模

28,287,160円(2009年決算)

ホームページ

<2009年度収入内訳>

事業名

ウガンダ、コンゴの元子ども兵社会復帰支援事業の財政基盤安定化を目的とする広報基盤強化と人材育成

団体名

特定非営利活動法人 テラ・ルネッサンス

代表者

鬼丸 昌也

<助成事業概要>

  • ウガンダ共和国とコンゴ民主共和国の元「子ども兵」の社会復帰支援事業の財政基盤の安定化を目的に、ウェブサイトを通じた広報基盤の強化と広報担当者の人材育成を実施する。
  • ウェブサイトからの会員と寄付者を獲得することにより、より多くの方に本団体の活動とアフリカの課題に対する認知度を高め、国際協力への参加の一歩を促す機会の提供を目指す。

<推薦理由>
日本のNGOが活動する機会の少ないコンゴ民主共和国で、元「子ども兵」の社会復帰支援事業などを行う希少まれな団体である。
現在の財源確保の偏りを改善する取り組みとして、ウェブサイト整備を通じ運営の組織基盤を構築する取り組みに期待したい。

<団体概要>

設立

2001年

目的

地雷除去支援、紛争・災害被災地域での復興支援事業、地雷被害者や除隊兵士といった紛争被害者への支援事業、及び一般市民を対象とした地球市民意識の啓発活動などを行うことにより、「次世代への責任」を一人ひとりの市民が認識することで、すべての生命が安心して生活できる社会の実現に寄与することを目的に設立。

活動

カンボジアでの地雷撤去支援や地雷被害者を含む貧困家族の生活再建プロジェクト、ラオスでの不発弾撤去支援、ウガンダ及びコンゴ民主共和国での元子ども兵社会復帰支援、紛争被害者や社会的弱者のエンパワーメントプロジェクト、小型武器不法取引規制キャンペーンを行っている。また、日本国内では平和教育(講演、セミナー活動など)を行っている。

地域

ウガンダ共和国、コンゴ民主共和国

有給スタッフ

29人(常勤27人、非常勤2人) ※海外スタッフ含む

会員数

正会員:150名
個人賛助会員:453名
団体賛助会員:40社
ジュニア賛助会員:14名
ファンクラブ会員(マンスリーサポーター):334名

ボランティア

10名

財政規模

62,542,854円(2009年決算)

ホームページ

<2009年度収入内訳>

事業名

「土のう袋」に描かれるアフリカの子供たちの夢・未来、~親しみと気づきから広げる支援者の輪~

団体名

特定非営利活動法人 道普請人

代表者

木村 亮

<助成事業概要>

  • 本団体では、これまで実施者の視点で情報を発信してきたが、広く一般の方からの共感を得るため、本団体の理事や学生ボランティアが現地で撮影したビデオを上映する活動報告会を実施する。
  • 「土のう」により整備された道沿いに幼稚園が作られた村の子ども達が「夢、希望」をテーマに描いた土のう袋の展示を日本で行う。アフリカと日本の違いではなく、子どもや日常生活など"共通点"に焦点をあてる。

<推薦理由>
 本団体の活動は、日本の道普請という精神と「土のう」という技術が、アフリカの人々の暮らしを豊かにすることにつながるという気づきを与えるというもので、非常にユニークなものである。
 土木業界などでは知られた存在であるが、設立3年目を迎え、一般の方からの共感を得る広報方法に期待したい。

<団体概要>

設立

2005年

目的

開発途上国の農村地域の活性化のために、現地資源を有効利用して農民自身が農道やため池を整備し維持管理することを目指す。この「自分たちの問題は自分たちで解決出来る」という自信ややる気を生み出す事業を行い、世界の貧困削減に寄与することを目的とする。

活動

途上国農村部住民に、人力で身の回りの資機材を利用して実施可能な「土のう」による農道整備手法の技術移転を行う。農道以外にもため池など生活社会基盤を、現地の人々自身がオーナーシップを発揮し整備することを支援する活動を行う。

地域

ケニア共和国、タンザニア連合共和国、カメルーン共和国、ウガンダ共和国、コンゴ民主共和国、ザンビア共和国

有給スタッフ

4名(常勤3名、非常勤1名)

会員数

個人会員165人、企業・団体会員17件

ボランティア

0名

財政規模

952万円(2009年度決算)

<2009年度収入内訳>