環境NGO「ezorock」の組織基盤強化ストーリー

ミッション・ビジョンの見直しと情報共有化で組織がステップアップした 未来になう若者の声を届け、次世代に引き渡せる社会をつくる

ロックフェスティバルでのごみ分別活動などを行う環境NGO「ezorock」は、設立以来、20代の若者ボランティアを中心に活動を展開してきた。 だが、活動が本格化し、社会的な役割も拡大してくる中で、次第にボランティア組織の弱みが顕在化するようになった。彼らは、どんな組織の壁にぶつかり、どのように乗り越えたのか。 代表の草野竹史さんに、団体のターニングポイントを聞いた。
[THE BIG ISSUE JAPAN ビッグイシュー日本版 第163号(2011年3月15日発行)掲載内容を再編集しました]

環境NGO「ezorock」草野竹史さん

環境NGO「ezorock」
草野竹史さん

ロックフェスティバルから生まれた「ezorock」

「50年後も野外で気持ちよく音楽を聞いていたい」  そんなキャッチフレーズを掲げてスタートした「ezorock」。
発足のきっかけは、2000年夏に北海道石狩で開催された「RISING SUN ROCK FESTIVAL」(以下RSR)だ。この会場で、東京の国際青年環境NGO「A SEED JAPAN」のメンバーがごみの分別を呼びかける啓発活動を行い、活動後、「北海道のフェスは北海道の人の手でやるべきだ」との言葉に共感した道内出身の20代の若者によって2001年4月に設立された。
ロックフェスティバルから生まれた、世界でもちょっと珍しいルーツをもつ環境NGOだ。

「RISING SUN ROCK FESTIVAL」で活動する若者たち

「発足当初のキャンペーンは、ペットボトル5本集めてきたら、タワーレコードのノベルティをプレゼントするというもの。当時のロックフェスは“ポイ捨てがカッコイイ”という感覚もあって、会場にはたくさんのごみが落ちていた」と草野竹史代表。

2006年には、独自の事務所を構え、専従スタッフによる事務局を開設。A SEED JAPANと共に実施していたRSRの環境対策活動を単独で行うなど、本格的な活動を開始した。「それまでは年1回のロックフェスを中心に活動する環境サークルのようなかたちで、北海道のことは北海道の人の手で……と言いながら、ずっとA SEED JAPANの力を借りていた。参加スタッフも徐々に減ってくる中で、ある人に『もう、お前たちも終わりだな』と言われたことで初めて本気になれた」という。

北海道を世界に発信する

現在は、「若者の声を社会に届けることで、次世代を意識した持続的な社会づくりを目指す」という団体ミッションのもと、RSRなどイベントでの環境対策活動のほか、オーガニックファームの運営(RSRで発生した生ごみを堆肥化して有機野菜を育て、再び翌年のRSRに食材として戻す循環体験プロジェクト)、FMラジオなどを使った環境情報の発信、さらには自転車の共同利用を目指した「サイクルシェアリングporocle」、農園内で人と人のコミュニケーションを生み出す「ROCK THE FARM~新琴似ふれあい農園~」など多岐にわたるプロジェクトを実施している。

スタッフは、常勤4名、ボランティア約40名。事務所内は若いスタッフの熱気であふれており、2011年4月には2階建て一軒家の事務所を開設し、若者が世代や業種の枠を越えたさまざまな人々と対話できるコミュニティスペースも設置。「昔から北海道は『自然1流、施設2流、サービス3流』といわれ、ポテンシャルは高いのに、そこに住む私たちが活かしきれていない。持続的な社会づくりを目指す人々と若者をつなぐことで、どんどん新しい仕組みをつくり出して、北海道を世界に発信できる場所にしたい」

「ROCK THE FARM~新琴似ふれあい農園~」での活動風景

【団体プロフィール】 環境NGO ezorock
2001年につくられた青年層を中心とする環境団体。北海道最大級の野外ロックフェスティバル「RISING SUN ROCK FESTIVAL」における環境対策活動を中心に活動を展開。2006年より事業化し、現在では、北海道各地のイベントでの環境対策をはじめ、農業、交通、まちづくりなどさまざまな課題に対して、青年層のもつ「創造力」と「行動力」を生かした活動を展開している。

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