2013年(平成25年)

「2013 International CES」で津賀社長がキーノートスピーチ

[写真]

2013年1月8日から11日の期間で、米国ラスベガスで世界最大規模の家電見本市である「2013 International CES(以下CES)」が開催された。その開幕を飾る主要イベントであるオープニングキーノートスピーチを、当社の津賀社長が行い、BtoCからBtoBまで、多様な事業や目指す方向性について、具体的な事例を示しながら説明した。

CESで発信された内容は、厳しい経営環境下におかれた当社事業の新しい方向性を示すものとして社内外から注目を集めた。

津賀社長は、当社に対して米国の顧客が持つ「テレビのマニュファクチャリングカンパニー」というイメージを変え、革新的なソリューションを提供する「エコ・エンジニアリングカンパニー」として打ち出すことを狙いとして、米国において取り組みを進めつつあるBtoB、BtoBtoC事業を中心とした実例を、「YOUR TV」「YOUR HOME」「YOUR CAR」「YOUR BUSINESS」「YOUR JOURNEY」「YOUR COMMUNITY」の6つのシーンそれぞれに紹介した。

一例をあげると、「YOUR CAR」では自動車業界へのソリューション例として、米国の自動車メーカーGMとの共同開発の情報エンターテインメントシステムの商品化について、ゲストの同社幹部とともに紹介。「YOUR BUSINESS」では、20型4Kタブレットを使い、プロカメラマンの撮影現場などの活用提案や環境配慮型店舗の事例として、コンビニ店舗の導入事例などを紹介。「YOUR JOURNEY」では、航空機内エンターテインメントシステムの納入事例などを紹介した。これらを通じ、パナソニックが社会にとってどのような存在になるのかを具体的に示した。

津賀社長はスピーチの最後に、「今日、紹介したもののいくつかはとても大胆で、予想外だったかもしれません。皆さんが知っているパナソニックとは違っていたはずです。しかし、目標を達成しようとするならば、会社、そして業界のためにもこれまでになかったほど、大きく変革と革新をはたしていかなければなりません」と締めくくり、厳しい経営状況からの反転攻勢ののろしをあげた。

「A Better Life, A Better World」を掲げ、事業部基軸の4カンパニー制がスタート

[イメージ]

当社の目指す姿のイメージ。家電のDNAを継承しながら事業領域を拡大

2012年度の業績はコンシューマー向けデジタル商品などの販売不振による減収、ソーラー・民生用リチウムイオン電池・携帯電話事業などの減損により、厳しい状況で推移。こうした状況を受け、津賀社長は2013年3月28日、2013年度の事業方針を社内外に発表、課題事業の方向付けなどの対応を進めつつ、事業部を基軸とした新たな4カンパニー制を進めることを示した。

津賀社長は当社の復活に向けて重要な点を、個々の事業で強さを取り戻すこととし、従来の88のビジネスユニット(BU)を、グローバルに開発・製造・販売の責任を持ち、資金と利益を継続的に増やしていくことができる単位に括り直し、そうして誕生した49の自主責任経営体としてのBUを、「事業部」に改称した。

そしてこの事業部を括る4つのカンパニーを、それぞれ「アプライアンス社」「エコソリューションズ社」「AVCネットワークス社」「オートモーティブ&インダストリアルシステムズ社」として、大きな産業分野に向き合う形とした。4カンパニーは、それぞれの産業分野において、事業展開や新規事業創出、基幹デバイスの強化などを通じて事業部の進化を支える。

さらに価値創出にあたっては、既存の枠組みを超え、異なる強みを掛け合わせる中で、より大きな価値を生み出すためのアプローチとして、「Cross-Value Innovation」を掲げ、2013~2015年度の中期計画の名称も、「Cross-Value Innovation 2015(CV2015)」とすることを発表した。

またこの9月から当社は、「社会の繁栄に貢献する」と謳う経営理念に即した、新たなブランドスローガン「A Better Life, A Better World」を掲げた。