オンライン授業を実現するための基礎情報

ーオンライン授業におすすめの便利アイテム特集ー

GIGAスクール構想の前倒しにより、多くの学校でICT環境整備が加速度的に進められています。
「私の行き方発見プログラム」では、2020年度にオンライン授業を開始し、2021年8月末までに50以上の学校でオンライン授業を実施してきました。
今月の「パワーアップ情報ファイル」では、これまで培ってきた経験をもとに、ICT機器を含めオンライン授業を実現するための基礎情報を紹介いたします。

講師PCと学校PCをWeb会議システムで接続するイメージ

【1】オンライン授業を実施するためには

オンライン授業を実施するためには、ICT機器やネットワーク環境が必要です。
ここでは「私の行き方発見プログラム」オンライン授業に必要なICT機器をご紹介いたします。

①パソコン、タブレット

②テレビ、プロジェクター、
スクリーン

③Web会議システム

機器・ツール

ノートパソコンのイラスト、タブレットのイラスト

プロジェクターのイラスト。大型テレビのイラスト。

女性がパソコンに向かいオンライン会議をしている様子

用途

  • インターネットに接続し、Web会議システムを利用
  • 内蔵カメラで生徒たちの様子を配信
  • 内蔵マイクで生徒たちの音声を配信
  • パソコンやタブレットに表示される画面を拡大して投影
  • 内蔵スピーカーで音声を出力
授業を行うための接続ツール。
出前授業では、 Microsoft TeamsまたはZoomを利用

【接続例】
1クラスの場合や体育館やホール等で一斉に授業を行う場合は、パソコン(またはタブレット)+プロジェクター(またはテレビ)を接続し、パソコンからWeb会議システムに参加します。

体育館・ホール等のPCと講師PCをWeb会議システムで接続するイメージ

各クラスの教室で授業を行う場合は、各教室でパソコン(またはタブレット)+プロジェクター(またはテレビ)を接続し、それぞれのパソコンからWeb会議システムに参加します。

各教室のPCと講師PCをWeb会議システムで接続するイメージ

①パソコン+プロジェクター+スクリーン

パソコン+プロジェクター+スクリーンを使用した場合のイメージ。パソコン内蔵カメラで生徒の様子を配信。音声はプロジェクターから出力。

②パソコン+テレビ

パソコン+プロジェクター+スクリーンを使用した場合のイメージ。パソコン内蔵カメラで生徒の様子を配信。音声はプロジェクターから出力。

③パソコン+テレビ+生徒用タブレット

パソコン+テレビを使用した場合のイメージ。パソコン内蔵カメラで生徒の様子を配信。音声はテレビから出力。

ヒント!タブレットのイラスト。

タブレット等の中には、音声出力の設定ができないものがあります。プロジェクターやテレビから音声が出力されない場合は、タブレットをプロジェクターやテレビに接続した後、Web会議システムに接続しなおすことで出力できるようになる場合があります。
その他便利アイテム(オプション)
カメラ
基本的に生徒の様子はパソコン内蔵のカメラを使用して配信しますが、Webカメラやビデオカメラ等を使用することもできます。

Webカメラ

ビデオカメラ

Webカメラのイラスト

ビデオカメラのイラスト

パソコンにカメラが内蔵されていない場合や、広角な映像を配信したい場合
三脚等で固定して動画を配信することが可能。手持ちにして、生徒の手元や表情を配信することもできます。
マイク
外付けのマイクやハンドマイクがあれば、生徒が質問や発表を実施する場合、パソコンの前にくることなく、各自の席で発言することができます。

無指向性マイク

ハンドマイク

ヘッドセット

無指向性マイクのイラスト

ハンドマイクのイラスト

ヘッドセットのイラスト

ハウリングを抑えることが可能。
教室全体など広範囲、複数人の声を拾うことが可能

体育館やホール等、広い会場で使用します。
1人1台端末の場合等、外部の音声に影響を受けずに会話が可能

【2】生徒と講師との双方向コミュニケーション

「私の行き方発見プログラム」オンライン授業では、授業の後半に、生徒の質問に講師が答える「Q&Aタイム」と、生徒が自分の考えを他の生徒や講師の前で発表する「ワークタイム」の時間を設けています。ここで生徒と講師が双方向でコミュニケーションをとるため、あらかじめ準備が必要です。
【授業の流れ】

授業の流れの表

【あらかじめ準備が必要なこと】

生徒が発言する方法を決める

生徒が発言する際には、使用する機器によって発言する位置が変わりますので、事前にどのICT機器を使うのかを決めておくと当日、スムーズに進行することができます。
機器を定位置で設定する場合には、話す位置を決めておく
生徒にはパソコンの前まで出て来て、パソコンのマイク、カメラを通して、講師と双方向性のあるやり取りを行っていただきます。あらかじめパソコンのカメラ、マイクに合わせ、生徒が発言する位置(立位・座位等)を決めておくと、音声や映像がクリアに配信され、スムーズなコミュニケーションが取りやすくなります。

発言する生徒はパソコンの前まで出てきて発言。パソコンのカメラ、マイクに合わせて生徒が発言する位置を決めておく。

自由に機器を動かせる場合
タブレット、スマートフォン等を利用すると、生徒が移動することなく、自分の席で発言することができます。また先生も授業中に生徒の様子をとることができます。

生徒たちが並んで座っているところで、ひとりの生徒がタブレットを手に持ち、発言している様子。

【3】出前授業を実施するために気をつけること

・エコー、ハウリングの対応
会場や教室内で複数のICT機器を使用する場合や、隣り合った教室で授業を実施する場合は、エコーやハウリングが発生することがあります。
エコーやハウリングが発生すると、発言が聞き取りにくくなり、注意が必要です。
そのため、基本的には、講師や生徒が話している間は、他の機器のマイクをミュートに設定し、生徒が発言する場合のみ、マイクをオンにすることを推奨しています。

マイクをミュートにするイラスト。講師が話している間は、マイクをミュート設定にすることでハウリングの発生を抑制できます。

・トラブルへの対処法を決めておく
「私の行き方発見プログラム」では、授業日前に接続テストに協力をいただき、安定した授業づくりに努めておりますが、当日になって急にネットワークが不安定になったり、音声や映像が途切れたり、予想外のトラブルが発生する可能性があります。  
その場合に備えて、予備の教室やパソコンを準備する、接続が切れたら携帯電話で連絡を取り合う等、事前に対処法を確認しておくことが大切です。

インターネットへの接続環境とICT機器があれば、クラス単位や学年単位でのオンライン授業が実現可能です。
今後、さらにICTを活用した学習が普及していくと推測されていますので、学校や先生方には積極的に導入を進めていただけますと幸いです。

※「私の行き方発見プログラム」オンライン授業については、以下の記事でも紹介しています。

■Web会議システムを利用し、学校・講師間の双方向性を実現

■Q&Aタイムを拡大し「知的財産」に特化した授業にアレンジ

■日本の学校とアメリカ在住の講師をオンラインでつないだ授業

■2021年度『私の行き方発見プログラム』オンライン授業について