事業名 |
: |
電話相談データベースの再構築と発信力強化 |
団体名 |
: |
特定非営利活動法人 アトピッ子地球の子ネットワーク |
代表者 |
: |
吉澤 淳 |
<助成事業概要>
- 日本で唯一のアレルギー疾患電話相談データベースの修復と再構築。
- 患者相談リポート(隔月発行および年間発行の2種類)の再刊。
- データベースの活用によって、患者の実情を整理し、医療的、社会的課題を抽出する。
- 新たな社会調査の実施と報告、社会への働き掛けなどの発信力を強化し、患者支援の迅速性を補完する。
<推薦理由>
NPOの役割は、当事者の目線に立って個別の課題を解決するサポートを行うだけでなく、その実態や課題を代弁、可視化し、問題解決の仕組みを生み出すことにある。
本団体は、ぜんそく、食物アレルギー、アトピー性皮膚炎等のアトピー・アレルギー性疾患の患者とその家族の暮らしを支援する活動を行っている。情報過多が、当事者、家族を不安にさせ、孤立させることが多いアレルギー性疾患に対し、17年に渡って無料電話相談活動を行ってきた。その蓄積に基づき、患者が生活の中で直面する社会的課題の実態を整理し、その解決を図るために医療機関、行政、保育園・学校を始め、広く社会に、働きかけをするアドボカシー活動にも意欲的に取り組んでいる。
アドボカシー活動の根拠として、1998年(11年前)に、日本で唯一となる「アレルギー疾患電話相談データベース」を構築、活用してきた。しかし、度重なるデータベースの増設に、2005年以降、機能が一部不全となり、データの迅速な分析加工が難しい状況にある。
本事業は、疾患がある子どもたちのQOL(クオリティーオブライフ)向上のため、課題把握、分析、提示、解決のための働きかけというアドボカシー活動の迅速化を目的に、データベースの修復と再構築、相談に関するリポートの再刊、学会報告や書籍執筆などへの展開を図るものである。
データの分析加工環境の改善でアドボカシー活動の強化が図られることと同時に、この貴重なデータが、社会資源として外部活用できるようになることも視野に入れて、取り組みが進められることを期待したい。
<団体概要>
設立 |
: |
1993年(設立後満17年) |
|
目的 |
: |
アトピー・アレルギー疾患がある人とその家族の暮らしを支援することを通して、人と自然が共生し多様な価値を認め合い、誰もが共に生きることができる社会の実現を目指している。 |
|
活動 |
: |
(1)電話相談事業、(2)夏休み環境教育キャンプ、(3)調査・研究事業 |
|
地域 |
: |
全国 |
<2009年度収入内訳> |
理事の特性 |
: |
医師、研究者、NGO、ジャーナリスト、農業従事者など |
|
対象年齢 |
: |
満0歳~満18歳(2,270人) |
|
有給スタッフ |
: |
3人(常勤2人・非常勤1人) |
|
ボランティア |
: |
55人 |
|
財政規模 |
: |
1,660万円(2010年度予算) |
|
ホームページ |
: |
事業名 |
: |
チャイルドラインの活動拠点充実のための財政強化事業 |
団体名 |
: |
認定特定非営利活動法人 チャイルドライン支援センター |
代表者 |
: |
清川 輝基 |
<助成事業概要>
- チャイルドライン実施団体のない3県(鹿児島県、香川県、福島県)にて設立準備を支援し、全国全ての子どもの心の居場所を確保し、地域の実情に即した子ども支援体制の社会基盤を構築する。
- 全国統一フリーダイヤルの負担費用1,400万円を確保するため、サポーターズクラブを設立し、継続的な財源確保と、Webを活用した寄付者の募集・決済・報告機能を備えた寄付者支援システムを構築する。
<推薦理由>
家庭や学校での親や教師との人間関係の貧困さから、子ども自身が幸福感や充足感がもてず、常にストレスや不安感をもちながら生活している子どもたちには、自分の心の内を話すことができる信頼できる仲間や家族、教師や大人の存在が必要である。
チャイルドラインはこの10年間に、全国41都道府県にまで広げ、統一フリーダイヤルを実現化し、子ども自身の心の内を聴く子ども専用の電話としての役割を担う存在となり、社会的な課題やニーズに応えてきた。
本助成事業では、全都道府県へのチャイルドライン実施団体の設置に向け、残る3県の実施団体の立ち上げを支援し、また、チャイルドラインの財政基盤を確立するためのサポーターズクラブを立ち上げ、寄付者支援システムを構築しようとするものである。
選考委員会では、残る3県への設置に当たっては、地域の大人たちの責任として、チャイルドラインに寄せられた子どもたちの声から問題解決力を持てるよう、実現性のある計画を立てて取り組まれると共に、全国に広がったチャイルドラインの財政基盤が確立されるよう期待したい。
<団体概要>
設立 |
: |
1999年(設立後満11年) |
|
目的 |
: |
悩みをもつ子どもの声を電話で受け止め、子どもの自立を助ける「チャイルドライン」の重要性について社会認識を高めると共に、「チャイルドライン」を設立運営する団体に対し支援助言をおこない、子どもの権利条約実現のための社会基盤づくりに寄与する。 |
|
活動 |
: |
(1)キャンペーン、(2)助言・支援、(3)人材育成、(4)ネットワークづくり、(5)調査研究、(6)政策提言、(7)社会基盤の開発・整備 |
|
地域 |
: |
全国 |
<2009年度収入内訳> |
理事の特性 |
: |
チャイルドライン実施団体役員、NPO役員、医師、研究者、経営者など |
|
対象年齢 |
: |
6歳~18歳(1,500万人) |
|
有給スタッフ |
: |
5人(常勤4人・非常勤1人) |
|
ボランティア |
: |
2,500人(全国の総数) |
|
財政規模 |
: |
6,189万円(2010年度予算) |
|
ホームページ |
: |
事業名 |
: |
遊びの大切さを伝える理念共有による人材育成と持続可能な組織デザイン事業 |
団体名 |
: |
特定非営利活動法人 プレーパークせたがや |
代表者 |
: |
西郷 泰之 |
<助成事業概要>
- 1979年~2003年に世田谷区内に4つのプレーパークが開設し、これらが2005年に一つになりNPO法人を設立。プレーパークの運営と共に、“自分の責任で自由に遊ぶ”を社会により広く伝えるためのさまざまな事業を展開してきたが、事業拡大に伴い、理事・事務局・ボランティアの意識共有化、事務局機能の強化など組織マネジメントの強化が課題となる。
今回の助成では、中期計画の立案をもとに、法人のミッションを表すコンセプトづくりとその共有、NPOとしての持続可能な組織デザイン、事務局機能と業務内容の見直しに取り組む。
<推薦理由>
電子機器ゲームなどが氾濫して子どもたちの「遊びの個化」が当たり前になり、保護者の過干渉がもとで起こる子ども同士のコミュニケーションが作りにくくなった現代において、いじめや家庭を拠り所としない子どもたちの出現など、さまざまな弊害が起こっている。
本団体は「自分の責任で自由に遊ぶ」という理念のもと、1979年に設立され、東京都世田谷区内の公園に設置された「プレーパーク」を中心として、子ども同士の問題解決力を大人がうまく引き出していく事業を展開してきた。「プレーパーク」は冒険遊び場とも呼ばれ、今や全国に広がっている。25年にわたって任意団体として活動してきた本団体は、経験を持った「プレーリーダー」を安定的に雇用することと、プレーパーク以外にも事業を行いたいという思いをもって、5年前にNPO法人化した。
応募された組織基盤強化案は、法人化後に拡大してきた事業に対応するための組織経営の強化が十分になされていない中で、団体のミッション、ビジョンを組織に関わる全ての人で共有し、具体的な解決策を講じることを目的とし、組織デザインを再構築するためのものである。
活動の拡大に組織経営が伴っていかないという課題は、多くの団体が抱えているものでもあり、組織基盤強化案として他団体にもその成果が共有されることは社会的意義が高いと評価された。プレーパーク発祥の地を運営する団体として、拡大時期の難しい局面を本事業で打開されるよう期待したい。
<団体概要>
設立 |
: |
1979年(設立後満31年) |
|
目的 |
: |
プレーパーク、子どもの遊び場・居場所の運営や普及事業を通じて、世田谷のプレーパークで培った"自分の責任で自由に遊ぶ"を社会により広く伝え、子どもがいきいきできる社会の実現に貢献する。 |
|
活動 |
: |
(1)プレーパークの運営、(2)子育て支援、(3)遊ぶ機会提供、(4)調査・研究、(5)拠点運営、(6)人材育成、(7)広報啓発 |
|
地域 |
: |
東京都世田谷区 |
<2009年度収入内訳> |
理事の特性 |
: |
研究者、弁護士、プレーパーク運営経験者など |
|
対象年齢 |
: |
0歳~20歳(不特定多数) |
|
有給スタッフ |
: |
14人(プレーリーダー10人・事務局常勤2人・事務局非常勤2人) |
|
ボランティア |
: |
80人 |
|
財政規模 |
: |
6,384万円(2010年度予算) |
|
ホームページ |
: |
事業名 |
: |
ハイチの貧しい子どもたちの命を救う「マニョック芋を加工する給食設備」の建設 |
団体名 |
: |
ハイチの会 |
代表者 |
: |
中野 瑛子 |
<助成事業概要>
- マニョック芋をパンに加工する調理場を設置し、学校給食として提供し、ハイチの貧しい子どもたちの栄養改善を図る。
- 住民自身の力で農園経営や学校運営、給食事業が継続できるよう、地域住民が組織する住民家族共同体の自立を支援する。
- ハイチの貧しい子どもたちと人々の生活を守る団体の理念を引き継ぎ、活動のノウハウを引き継ぐ次世代を育成する。
<推薦理由>
2010年1月の大地震が起こるまで、日本でハイチ共和国への支援活動を展開していたNGOは3団体ほどであり、本団体は日本で最初にハイチへの支援を実施し、1986年よりハイチの貧しい子ども達等を対象に識字教育、保健教育、農業教育、給食活動を展開している。
ハイチは国民全体の約8割が1日2ドル以下で生活する最貧国で、国民の大多数が慢性的な貧困に苦しんでいる。2001年に、ハイチから留学生を招致し、帰国後には本団体の支援により「KFP(kominote familyal peyizan)住民家族共同体」を創設し、現在は約288家族1,200名がこの組織に参加している。2007年には地域初の学校を建設し、1年生から3年生まで約300名の子どもたちに教育の機会を提供するとともに、1週間に2回は一日一食が食べられるよう学校給食を実施してきた。
本事業では、子どもたちが栄養失調で命を落とすことがないよう、ハイチで豊富に栽培可能なマニョック芋を加工してパンにする給食設備を整え、KFP内の農園でマニョックを栽培し、それを学校給食に利用し、給食の回数を増やすことで子どもたちの栄養改善を図るとともに、マニョックの栽培を通じて農民の経済を支え、住民の自立意識を醸成しようというもの。
一人でも多くの子どもたちに1回でも多く給食を与えられ、さらには4年生以上の子どもたちが引き続き学校で教育を受けられるよう、子どもたちを取り巻く環境が充実されるよう期待したい。
<団体概要>
設立 |
: |
1986年(設立後満24年) |
|
目的 |
: |
ハイチ共和国の貧しい子どもたちへの支援活動を政治や宗教にこだわることなく支援すること、ハイチがもつ歴史や文化、自然、国民性を尊重し、できる限り活かしながら、ハイチ人の自立を支援すること。 |
|
活動 |
: |
(1)識字教育、(2)保健教育、(3)農業教育、(4)給食活動など |
|
地域 |
: |
ハイチ共和国中央県エンシュ市 |
<2009年度収入内訳> |
理事の特性 |
: |
主婦、ハイチ派遣員など |
|
対象年齢 |
: |
6歳~18歳(300人) |
|
有給スタッフ |
: |
2人(常勤1人・非常勤1人) |
|
ボランティア |
: |
20人 |
|
財政規模 |
: |
956万円(2010年度予算) |
事業名 |
: |
発達障害児の親子の居場所づくりとネットワーク促進事業 |
団体名 |
: |
特定非営利活動法人 子育て支援を考える会TOKOTOKO |
代表者 |
: |
坂 鏡子 |
<助成事業概要>
- 新たな拠点で、公共施設にはない家庭的な生活空間を創造するための環境整備(台所、トイレなどの整備)を行い、発達障害児の親子などを対象により具体的な生活場面に即した支援を実現する。
- 拠点での実践を通した実証的な成果を、セミナー等を通して発信していくことにより、社会的認知を高め、個別に配慮を要する子どもと保護者への援助スキルの向上とネットワークづくりを推進する。
<推薦理由>
当法人は、子育て支援・軽度発達障害・児童虐待などのセミナーやシンポジウムの開催、現場と協働して実証的な研究や調査、乳幼児期から思春期までの支援のネットワークづくりなど、子ども・家庭支援に関する社会問題の解決について幅広い活動を進めている。
また、子どものライフステージに沿った継続支援を構築するため、子育て支援・療育・保育・小学校・中学校との連携、それぞれの支援情報をつなぐ方策を模索している。さらに、市民団体や社会福祉協議会、教育委員会などと協働関係を構築し、社会的な認知も広がっている。
こうした状況の中、軽度発達障害児の社会的自立に向けた支援が急務となっており、今年の4月より、市の遊休施設を賃借契約し、軽度発達障害児の親子の居場所づくりの実現に向けて、準備を進めてきた。
本助成によって、軽度発達障害児の居場所の充実や保護者が気楽に相談できる場ができること、地域のネットワークがさらに推進できること、地域・専門職など子育て支援に携わる人材が育成されることを期待したい。
<団体概要>
設立 |
: |
2006年(設立後満5年) |
|
目的 |
: |
子どもが心身共に健やかに育つ、親が安心して子育てができる地域環境づくりを目指し、子ども・家庭支援に携わる者が援助スキルを向上させること、子どものライフステージに沿って支援情報や社会資源が適切につながるサポートシステムの構築を目指すこと。 |
|
活動 |
: |
(1)援助スキルの向上を図るセミナー・シンポジウム開催、(2)調査・研究、(3)ネットワークシステムづくり、(4)スパーバイザー派遣など |
|
地域 |
: |
愛知県知多市 |
<2009年度収入内訳> |
理事の特性 |
: |
研究者、臨床心理士、社会福祉士、児童養護施設長、弁護士など |
|
対象年齢 |
: |
6歳~18歳(200人) |
|
有給スタッフ |
: |
2人(常勤1人・非常勤1人) |
|
ボランティア |
: |
10人 |
|
財政規模 |
: |
462万円(2010年度予算) |
|
ホームページ |
: |
事業名 |
: |
子どもが学び、子どもを学ぶ、大人と子どもの地域拠点事業 |
団体名 |
: |
特定非営利活動法人 福井県子どもNPOセンター |
代表者 |
: |
清水 雅美 |
<助成事業概要>
- 2010年度より福井市より受託した、小学校低学年を対象とした児童クラブ(放課後学童クラブ)を、地域に開き、さまざまな世代の子どもたちの居場所となり、仲間と語り合い、遊び、社会に参画していく拠点とする。
- 小学校高学年、中学生、高校1年生を対象とした、ドラマエデュケーション事業、キャリアカウンセリング事業を開発する。
- 事業の成果を地域住民、市民団体、行政、市内の児童クラブや児童館などと共有し、県内すべての子どもたちの地域での居場所づくりを促進する。
<推薦理由>
子どもの生活時間の大半が家庭を含めた地域にあり、その地域がどれだけ豊かであるか、子どもの人格形成の上で重要な要素といえる。本団体は福井県においてチャイルドラインをはじめとする子どもの権利条約を推進する活動や文化的な活動を専門的に進め、現在は市の児童クラブ運営の委託事業に取り組んでいる。
本助成事業では、児童クラブとして使用している施設の有効利用として、児童クラブ利用者以外の小学高学年から中・高校生までの活動拠点地にしようとするもの。この計画には15歳の子どもたちが抱える「孤独感」「責任ある仕事から逃避する」の問題に着目し解決策をプログラムに構成され、福井県内への波及効果をねらう意欲的な点が選考委員会で評価された。
子どもと大人の活動拠点が「子どもの安全で健やかな活動の場所」に終わることなく、地域の子どもたちの社会背景を受け、大人たちがそこからつながるような、地課課題に立脚した拠点となるよう期待したい。
<団体概要>
設立 |
: |
1999年(設立後満11年) |
|
目的 |
: |
福井県内の子どもたちに文化権の確立と社会参画の機会の拡充を図るとともに、子どもと文化・芸術に関する諸団体のネットワーク化を促進し、活動に関する連絡、交流、支援を行い、地域の豊かな文化環境づくりに貢献し、未来を担う子どもたちの成長発達に寄与する。 |
|
活動 |
: |
(1)子どもの権利条約の推進および子どもの諸活動の支援、(2)子どもと文化に関する交流・サポート・人材育成、(3)文化事業の企画・調査・協力、(4)出版・広報、(5)行政・NPOとのネットワークづくり |
|
地域 |
: |
福井県 |
<2009年度収入内訳> |
理事の特性 |
: |
センターの理念・目的に賛同し、活動を推進する者 |
|
対象年齢 |
: |
0歳~(県内全ての人) |
|
有給スタッフ |
: |
4人(常勤3人・非常勤1人) |
|
ボランティア |
: |
100人 |
|
財政規模 |
: |
1,844万円(2010年度予算) |
|
ホームページ |
: |
事業名 |
: |
小児がん患児が家族と共に家のような環境で治療が受けられる施設建設と運営のためのファンドレイズ計画の作成 |
団体名 |
: |
特定非営利活動法人 チャイルド・ケモ・ハウス |
代表者 |
: |
楠木 重範 |
<助成事業概要>
- 小児がん患児とその家族が共に家のような環境で治療が受けられる施設建設と運営のためのファンドレイズ計画(資金調達計画およびファンドレイザー育成計画)を、外部の専門家等の協力を得て作成する。
- 目標の寄付金額は年間3,000万円とし、市民からの寄付に加え、企業とのタイアップ型の寄付の仕組みを研究する。
<推薦理由>
小児がんは専門的な治療と長期間の闘病生活を要し、病院は治療の現場であるとともに、日々の生活を送る大切な空間であるが、日本ではその環境が充分に整っているとは言い難い。小児がんの子どもと家族が求めているのは、家にいるのと同じようにきょうだいが遊べたり、寝転べたり、料理ができたりと、そんなあたりまえのことができる家のような専門施設である。
本団体は2005年に設立され、「がんになっても笑顔で育つ!」をスローガンに患児の家族、医療者、コメディカル、建築家、デザイナーなど多様な人材が、子どもたちとその家族が安心して病気と闘い、がんになっても生活しやすい社会づくりを目指して、啓発活動、研究活動、募金活動を展開している。日本発の小児がん治療専門施設の建設、運営を目標として掲げ、設立5年ながら建設費用に目処がつき、2013年春にはオープンできる状況にある。
本事業では、施設建設や運営費用について医療制度等では賄いきれない部分を寄付で補うために、持続的な資金調達計画と資金調達を担う人材の育成計画を、実践しながら作成するものである。
本事業での取り組みが、施設建設後の運営に関わるスタッフの安定的な雇用や、持続的な資金調達の獲得に結びつき、また小児がんと闘う一人でも多くの子どもたちがあたりまえの生活が送れるよう、他地域、他団体へも波及していくことを期待したい。
<団体概要>
設立 |
: |
2005年(設立後満4年) |
|
目的 |
: |
小児がんとその治療への正しい理解の普及と、小児がんの治療と子どもの育成に関わる人々を支援することにより、小児がんに関わる全ての人が笑顔で治療に向かえる環境を実現すること。 |
|
活動 |
: |
(1)QOLの向上に関する研究、(2)普及啓発、(3)小児がん治療のための専門施設の建設・運営、(4)人材育成など |
|
地域 |
: |
大阪府 |
<2009年度収入内訳> |
理事の特性 |
: |
医療者、まちづくりの専門家、患者家族、建築家、教育関係者など |
|
対象年齢 |
: |
0歳~18歳(500人) |
|
有給スタッフ |
: |
5人(常勤5人) |
|
ボランティア |
: |
50人 |
|
財政規模 |
: |
2,112万円(2010年度予算) |
|
ホームページ |
: |
事業名 |
: |
障害児やサポートの必要な子どものキャリア教育推進事業 |
団体名 |
: |
特定非営利活動法人 下関市自閉症・発達障害者支援センター シンフォニーネット |
代表者 |
: |
矢野 一麿 |
<助成事業概要>
- 障害の有無に関わらず、「コミュニケーションが不得手」「理解力の不足」等の問題を抱える中学生以上の学生を放課後に受け入れ、事業所の仕事を手伝うことを通じて、地域の様々な人と出会い、働く気力を身につける支援プログラムを開発する。
- 市内の中学校の特別支援学級や総合支援学校中等部と連帯・協働することにより、教育委員会や各学校が、「ぷれジョブ※」に取り組むための支援を行う。
※知的障害や発達障害のある小・中・高校生が地域の企業で仕事体験するプログラム
<推薦理由>
長引く不況で未曾有の就職難が続く中、障害者の就労は制度に守られていると言われるが、福祉施策の庇護から外れたところでは、ほとんど就職を望むべくもない状況となっている。地域によっては就業技術を身に着けることに主眼を置いた特別支援学校も設置されつつあるが、全国的にみれば、障害者の就労に向けたキャリア教育は発展途上にある。
本団体は、1999年に発足し、下関市の自閉症・発達障害児者に対する療育や地域の居場所づくり、就労支援などを行ってきた。なかでも企業に対する障害者雇用の啓発活動や、障害者や障害と診断されていなくても働くことのできない「ニート、ひきこもり」と言われる若者などをサポート付で就職させる事業などにここ最近、注力している。
選考委員会では、現在、行政の委託事業として展開している事業を、自主事業として発展させるための仕組みづくりを行い、地域の特別支援学級や保護者、企業などを巻き込んだ地域の参画を念頭に置いた取り組みとして評価された。
障害児にキャリア教育というと、一般的には相容れないイメージに取られがちであるが、就労の困難さや就労先の少なさを考えると、障害児にこそキャリア教育が必要であり、本事業は、ひとつのモデル事業として、他の地域にも波及するよう期待したい。
<団体概要>
設立 |
: |
1999年(設立後満11年) |
|
目的 |
: |
自閉症・発達障害児に対する適切な療育、正しい自閉症の知識の啓発、生き生きとした地域生活の場の提供を行い、自閉症発達障害児のよりよい成長、幸福な人生の創造に寄与すること。 |
|
活動 |
: |
(1)療育・余暇支援、(2)自立支援・余暇支援、(3)子育て支援、(4)就労(継続)支援、(5)ワークサポートアンサンブル開設、(6)スキルアップ事業、(7)ボランティア養成 |
|
地域 |
: |
山口県下関市 |
<2009年度収入内訳> |
理事の特性 |
: |
保護者、福祉施設職員、医師、研究者、会社役員、他のNPO役員など |
|
対象年齢 |
: |
1歳~21歳(50人) |
|
有給スタッフ |
: |
4人(常勤1人・非常勤3人) |
|
ボランティア |
: |
30人 |
|
財政規模 |
: |
2,292万円(2010年度予算) |
|
ホームページ |
: |
継続助成(助成2年目)
事業名 |
: |
発達障害の治療教育・相談活動に携わる若手専門家の育成 |
団体名 |
: |
特定非営利活動法人 銀杏の会 |
代表者 |
: |
武藤 直子 |
<助成事業概要>
- 「幼少期からの成長を知っていて、何かあったらすぐに相談できる場が欲しい」という発達障害児の親の願いを受けて、組織として長く、発展的に存続して行けるよう、次世代を中心的に担う人材を複数育成し、安定して雇用できるような基盤と、スタッフが心身に余裕をもち、互いに技術を高めながら働き続けられるような職場環境づくりに取り組む。
- 本助成を受けて、3名の若手専門スタッフの育成に継続して取り組むと共に、発達障害児の治療教育や相談活動に携わる専門家が必要とする知識や技術等をまとめた「若手専門家育成プログラム」を完成させる。
<推薦理由>
発達障害児・者は、生涯を通じて一定のサポートが必要である。当団体は、御茶ノ水発達センターを9年前から運営し、治療教育と相談を安定的、継続的に進めており、2010年の助成から、若手専門スタッフの人材育成について徐々に成果を上げつつあるが、スタッフの育成には最低3年間は掛かると認識されている。
若手専門家育成プログラム(人材育成マニュアル)については、検査・治療理論・カウンセリングなどの講義、治療教育・相談・検査場面の見学と実習、教材の作成、ケースカンファレンスやセミナーへの参加、他機関への見学等を含み、発達障害の若手専門家の育成モデルの一つになると期待される。
現在、学校教育で課題となっている発達障害児に対する相談・継続的支援は、特別支援教育制度によって個別の教育支援計画や指導計画の作成が進められているが、今後の課題として、当法人と学校教育との連携が必要になってくると思われる。また、青年期の課題についても専門家育成プログラムの中で検討が必要と思われることから、専門性の高い臨床活動を担えるスタッフを科学的・効率的に育成するノウハウを蓄え、より多くの子どもの発達を支える専門家の育成へと展開されることを期待したい。
<団体概要>
設立 |
: |
2001年(設立後満9年) |
|
目的 |
: |
児童・青年期の心理社会的問題のための保健・福祉の向上に関する事業を行い、社会の利益の増進に寄与することを目的とし、全ての子どもとその家族が笑顔で生活できることを目指す。 |
|
活動 |
: |
(1)御茶ノ水発達センターの運営(治療教育及び相談、他機関との連携など)、(2)人材育成(学生実習、研修生の受け入れなど)、(3)普及啓発活動(セミナーの開催、各種研修会への講師派遣など)、(4)研究活動(発達障害に関する研究や専門書の共著など) |
|
地域 |
: |
東京都及びその近郊(関東) |
<2009年度収入内訳> |
理事の特性 |
: |
臨床心理士、医師、発達障害児・者の家族、障害児施設職員など |
|
対象年齢 |
: |
2歳~18歳(150人) |
|
有給スタッフ |
: |
11人(常勤3人・非常勤8人) |
|
ボランティア |
: |
1人 |
|
財政規模 |
: |
2,108万円(2010年度予算) |
|
ホームページ |
: |
事業名 |
: |
不登校の子どもたちの編集部と若者編集部の持続的発展に向けた組織基盤強化 |
団体名 |
: |
特定非営利活動法人 全国不登校新聞社 |
代表者 |
: |
奥地 圭子、多田 元 |
<助成事業概要>
- 本助成を受けて、子ども編集部と若者編集部の持続的な発展と活性化に向けて出来た足掛かりをもとに、2年目の継続助成では、不登校・ひきこもりの子ども・若者の社会参画をより促進させるため、恒常的な参加者の募集と他団体とのネットワークを強め、交通費の支給、SNSの活用など活動の環境を整備し、新規メンバーに対して充分なサポートができるよう体系的な育成プランを作成する。また財政基盤を強化するため、読者ニーズのリサーチや新しい寄付プログラムの開発に取り組む。
<推薦理由>
自己肯定感が低くなっている子ども、若者の中で、特に不登校・ひきこもりの当事者は、人間関係や親子関係の中で多くの傷を受け、自らの意思表現を恐れ、社会に対する無力感を持っており、希薄な人のつながりの中で生きる実感が持てずにいる。
本団体は、自前のメディアをもち、不登校・ひきこもり当事者や親の声・体験談の他、子どもに関するニュース、事件や裁判、行政の動きなどの情報発信を続けてきた。また、子ども・若者の自己実現、自己表現支援として、不登校・ひきこもり当事者が、企画、取材、発信を行う「子ども・若者編集部」活動を行っている。しかし近年、子どもの定着率が高くない状況にあり、昨年、子ども編集部の活性化に向けた準備活動に助成を行った。
助成1年目は、他のフリースクールとの連携を深め、子ども・若者編集部のサポートと活動体制を整えた。その結果、新規参加者が得られ、会議・取材参加者の増加や、主体的な取り組みが進み、企画本数は前年比の倍以上となった。参加者数と企画数の増加によって、悩みや葛藤を参加者間や取材でぶつけ合う非日常の営みが増え、当事者が生きる実感を得るなど、エンパワメントされている成果は大きい。
助成2年目は、公開インタビュー活動や、関係者が安心してコミュニケーションを図れるためのSNS構築、さらに参加者を募る他団体訪問などが計画されている。編集部活動の更なる活性化と持続可能性を高めると同時に、不登校・ひきこもりの子どもや若者の支援形態としての編集部活動の効果が、広く発信されることも期待したい。
<団体概要>
設立 |
: |
1998年(設立後満12年) |
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目的 |
: |
不登校・ひきこもりを取り巻く問題に関して、おもに新聞発行を通して情報を提供し、子ども若者の人権の実現、成長、自立、自己実現を支援し、子どもの人権に関する市民の意識向上に寄与すること。 |
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活動 |
: |
(1)新聞の発行、(2)子どもの人権に関する諸問題についての調査、研究、相談事業、講演会、(3)子ども・若者編集部事業など |
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地域 |
: |
全国 |
<2009年度収入内訳> |
理事の特性 |
: |
不登校支援に精通している者 |
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対象年齢 |
: |
不問(1,500人) |
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有給スタッフ |
: |
3名(常勤2人・非常勤1人) |
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ボランティア |
: |
15人 |
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財政規模 |
: |
1,126万円(2010年度予算) |
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ホームページ |
: |
事業名 |
: |
子どもの育つまちづくり事業強化のための運営スタッフ育成及び事務局体制整備事業 |
団体名 |
: |
特定非営利活動法人 ぴっぴ |
代表者 |
: |
福本 良江 |
<助成事業概要>
- 助成1年目では、事務局スタッフを採用し、OJTによって指導・育成に取り組んだ。今回の助成2年目では、1年目の成果をもとに新事務局を立ち上げ、スタッフ間の意識共有、新しい拠点と財源確保の検討、情報収集や発信、先進事例の視察、賛助者の拡大、行政や企業等との関係づくりなど、将来の「子ども園」の実現に向けた組織基盤強化に取り組む。
<推薦理由>
本団体は、地域と連携しながら、子育ち・子育て支援活動を行い、誰もが住みよいまちづくりに貢献することを目的に、特定認可外保育所の運営やこどもまつりの実施、家庭での発達支援をサポートする保育士訪問事業、親や保育士・子育て支援者を対象にしたセミナーを開催するなど、子育ち・子育てに関する幅広い活動を15年にわたって推進している。
2010年の助成1年目では、事務局専任スタッフの採用や、スタッフ及びボランティア間の意識共有、こどもまちづくり事業の運営チームの育成などに取り組んだ。
今後、地域の子育て支援拠点として小規模「子ども園」の開設を目指しており、多様な保育・多様な子育て支援に取り組もうとしている。また、新しい拠点の確保や第3世代メンバーの育成、団体事務局の効率化、情報の発信、行政との連携強化がより一層重要と認識するなど、目指すべき将来像や取り組むべき組織課題は明確である。
将来、子ども園として拠点が整備されると、低年齢の子どもの保育から、学齢期の子どもまで幅広い年齢の子どもの支援が実現できることから、本助成によって、組織基盤が強化され、地域に根差した長期的・継続的な親子のサポートの場へと成長するよう期待したい。
<団体概要>
設立 |
: |
1995年(設立後満15年) |
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目的 |
: |
子どもたち一人ひとりの生きる力を育み、育ちを支える支援と、地域の人とのつながりの中で、子育て中の母親がエンパワメントしていけるような子育て支援に取り組むことによって、地域の活性化を図り、年齢や障害の有無に関わらず、誰もが住みよいまちづくりに寄与すること。 |
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活動 |
: |
(1)特定認可外保育所の運営、(2)子どもの育つ地域づくり、(3)発達支援保育士訪問事業、(4)セミナー・研修、(5)相談事業、(6)機関誌発行、(7)調査研究、(8)ボランティア等受け入れなど |
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地域 |
: |
兵庫県 |
<2009年度収入内訳> |
理事の特性 |
: |
保育士、NPO法人職員、生涯教育講師、保育スタッフ、研究者など |
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対象年齢 |
: |
0歳~18歳(1,000人) |
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有給スタッフ |
: |
24人(常勤1人・非常勤23人) |
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ボランティア |
: |
3人 |
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財政規模 |
: |
1,936万円(2010年度予算) |
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ホームページ |
: |
継続助成(助成3年目)
事業名 |
: |
医療的ケアが必要な子どもとの共生保育のための人材育成とプログラム開発事業 |
団体名 |
: |
特定非営利活動法人 こどもコミュニティケア |
代表者 |
: |
末永 美紀子 |
<助成事業概要>
- 保育スタッフ7~8名を対象に、個別に目標設定を行い、コーチング手法(アプローチ)を用いて、スタッフのモチベーション、キャリア教育、スキル・知識の向上などの支援とその評価を実施する。
- 外部の専門家の協力を得ながら、共生保育を担う保育スタッフの育成プログラムを開発し、Evidence Based Careに基づいた保育計画の立案・実施・評価が自律的に行える保育スタッフを育成する。
<推薦理由>
保育所待機児童は社会問題となっており、2010年4月1日現在、保育所待機児童数は26,275人で3年連続して増加している。また、日常的に医療的処置が必要な子どもが利用できる認可保育施設は少ないのが現状である。
本団体は、2002年に設立され、認可外保育施設を運営し、0歳から10歳までの障害や慢性疾患をもった子どもと健常児が共に過ごす、インクルーシブ保育を実践している。また啓発活動や調査提言、多様な保育を実践する団体との勉強会などを通じて、すべての子どもたちに公的な支援が届けられるよう政策提言していくことを目標に掲げている。
助成1年目は、2009年1月に保育園舎の移転・拡大により保育スタッフおよび利用者数の増加が予想されたことから、事務局専従スタッフを初採用し、その育成に取り組んだ。
助成2年目の継続支援では、現場を支える保育スタッフがチームとしてケアを作り出す仕組みの構築と組織風土を醸成するための取り組みを行い、保育スタッフに意識の変化があらわれ、日々の保育事業にも着実に効果を上げている。
助成3年目となる本事業では、今後、全国各地で求められるであろう「医療的ケア児を含む共生保育」を担うモデル的人材を育成するとともに、共生保育に必要な人材育成プログラムの開発に取り組む。3年間の組織基盤強化の取り組みにより、共生保育施設の存在や育成した人材がロールモデルとなり、全国にその意義・必要性が理解され、医療的ケアの必要な子どもたちのニーズに対応できる支援制度が創設されるよう期待したい。
<団体概要>
設立 |
: |
2002年(設立後満7年) |
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目的 |
: |
子どもが共に育ち合うインクルーシブ保育・教育、慢性疾患や障害をもった子どもたちの療育支援、成長を支える環境づくりのための提言、子育て世代の相互支援、地域の相互扶助の場と仕組みづくりを行い、さまざまな状況にある子どもたちが居住する地域において、健やかに成長できる社会の実現に寄与すること。 |
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活動 |
: |
(1)認可外保育施設の運営、(2)親子を対象としたアートクラス、(3)調査研究・提言事業 |
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地域 |
: |
兵庫県神戸市・明石市 |
<2009年度収入内訳> |
理事の特性 |
: |
医師、看護師、保育士、介護福祉士など |
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対象年齢 |
: |
0歳~10歳(年間延べ利用者3,366人) |
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有給スタッフ |
: |
10名(常勤3名・非常勤7名) |
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ボランティア |
: |
15人 |
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財政規模 |
: |
2,060万円(2010年度予算) |
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ホームページ |
: |