Panasonic NPO/NGOサポートファンド
for SDGs 贈呈式
紛争や自然災害で加速する貧困の解消に取り組む
17団体に助成

2024年1月25日、パナソニックセンター東京(東京都江東区有明)にて、Panasonic NPO/NGOサポートファンド for SDGsの贈呈式を開催しました。貧困の解消に向けて取り組むNPO/NGOの組織基盤強化を応援するPanasonic NPO/NGOサポートファンド for SDGsには、今年度64件の応募があり、17団体の皆様への助成が決定しました。会場には助成団体の皆様を始め、選考委員の皆様、協働事務局など約60名の方々にご出席いただきました。

●開会挨拶

SDGsの達成に向けて持続的な組織基盤強化を

能登半島地震で犠牲となられた方々にお悔やみを申し上げ、被災された方々に心よりお見舞い申し上げます。
サポートファンドは2001年の設立以来、のべ478団体の皆様に助成してきました。NPO法が1998年に施行され、NPO/NGOの皆様は課題解決や新たな価値創造に重要な役割を果たしてきました。一方で課題を抱える団体も多く、組織基盤を強化することで組織が持続的に発展するものと考えています。SDGsは達成率が15%にとどまり、特に貧困の解消は新型コロナやウクライナ情勢、イスラエル・パレスチナの紛争、自然災害によって世界規模の取り組みが急務となっています。当社では昨年度から「福島『復興』応援アクション」に取り組み、風評被害に苦しむ福島県の農畜水産品を24拠点の社員食堂で約1万5千食提供したほか、福島マルシェを10拠点で14回開催し、従業員の行動変容を促してきました。そして、能登半島地震には5千万円の寄付をさせていただきました。2019年度からは、従業員向けに災害ボランティア育成講座も実施しています。これからも皆様とパートナーシップを組んで、すべての個人が自分らしく生きられる社会に向けて取り組んでまいります。

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パナソニック ホールディングス株式会社
CSR・企業市民活動担当 執行役員 三島 茂樹

●来賓祝辞

SDGs達成に向けた取り組みを牽引し、その先の未来を切り拓く

国際社会では、持続可能な発展という大きな課題への取り組みが加速されており、SDGsはその代表例です。昨年9月にニューヨークで行われたSDGサミットでは、各国から現状に対する強い危機感とともに、「持続的発展」への努力を加速していくとの決意が示されました。その中で、岸田総理は、我が国としては国際社会全体のSDGs達成に向けた取り組みを力強く牽引し、その先の未来を切り拓いていくことを明確にされました。昨年12月には、SDGsに関する国家戦略として実施指針の改定も行われました。そのような中で、このプロジェクトが長きにわたり続けられ、今年もまた実施されたことは非常に意義深いものと感じています。改めて受賞者の皆様に対するお祝いを申し上げるとともに、この会場におられる方々と共に日本と世界の持続的発展の実現に向けて取り組んでまいります。

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外務省 国際協力局
地球規模課題総括課長 有馬 孝典 様

●選考委員長による選考総評

【海外助成】
5つの段階を経る組織基盤強化、実行前に論理モデルを明確に

長引く戦争が終わる前に新たな争いが起こり、国内でも自然災害が発生し、これらに対応するためにもNPO/NGOは力を尽くした活動を継続しています。これに並行して、今年度は新規22件、継続9件の応募があり、結果としてそれぞれ3件と5件の計8団体への助成が確定しました。外部人材を活用した自律組織の構築、プロボノによる組織運営、ボランティアを活用した運営体制の組み立てといった外部リソースをもちいた組織整備が目立ちました。この組織基盤強化は大きく5つの段階を経ます。まずは資源の投入(1.Input)。その資源で組織改善を行い想定通りに刷新されたか(2.Production)。その後に新たな組織がどれほど有効に機能しているか(3.Output)。これにより現地の課題解決がどれだけ進展したか (4.Outcome)。そして、現地の状況が長期的に改善されれば、組織基盤強化は功を成したと言えます(5.Impact)。組織基盤強化を実施する前に今一度、この論理モデルを明確にすることがより良い成果につながります。

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国士舘大学大学院
グローバルアジア研究科 教授 中山 雅之 氏
(ビデオメッセージ)

【国内助成】
実態を把握して目指したい姿を明らかにし、組織基盤を強化

3年に及ぶパンデミックに続く、ロシアによるウクライナ侵攻、イスラエルとパレスチナの紛争により、世界で食料やエネルギー資源の価格が急騰し、国民の暮らしを不安に陥れています。そのような中で新規26件、継続7件の応募をいただき、新規5件、継続4件の助成が決まりました。今回より、組織診断からはじめるAコースは組織診断の実施後、組織基盤強化にも取り組めるように変更となりました。応募事業の目標としては中期ビジョン・中期計画の策定、スタッフ強化、財政基盤強化、代表者個人の活動から組織の活動への転換、組織全体で改革に取り組む等が重要な柱になっています。団体のミッションを完遂するには、団体の実態を把握し、目指したい姿を明らかにし、組織基盤を強化することが不可欠です。この事業を進めるには、団体構成員全員が取り組みの必要性と見通しを共有する必要があります。助成された団体がよりいっそう力をつけ、各地で活躍することを期待しています。
(放送大学/千葉大学 名誉教授 宮本 みち子 氏)

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ご欠席により、公益財団法人 あすのば 代表理事 小河 光治 氏が代読

●助成通知書の贈呈

続いて、選考委員の皆様をご紹介し、今年度助成を受けることが決まった17団体の皆様に、パナソニック CSR・企業市民活動担当 執行役員の三島より、助成通知書を贈呈しました。そして最後に、助成団体の皆様で記念撮影を行いました。

写真:助成通知書贈呈の様子
写真:助成通知書贈呈の様子