1年目の事業の目標は、まず、愛知県と静岡県でアレルギー大学を定着させるということでした。あわせて、事務局員もアレルギー大学を受講して、専門知識を得る。さらに、アレルギーの子どもを持つ親の患者会がいろいろありますので、その患者会のリーダーにもアレルギー大学に参加してもらえるよう、参加しやすいプログラムにいたしました。
1年目を実施した後に、中期的な事業計画の目標を立てました。このアレルギー大学を、私どもの事業の中核的な柱として事業を進めていこうという目標です。患者と自治体、企業・専門家を結ぶ中間支援組織として、アレルギー患者の支援や、アレルギーの会への支援、自治体や企業や研究機関などと連携した開発・研究事業、アレルギーをもつ子どもは被災すると支給されたものが食べられないなど様々な困りごとがありますので防災・救援事業を行っていこう。アレルギー大学を修了した専門職の方たちに、いろんな地域で核となってアレルギーの問題を解決してもらおう、という目標を持ちました。
2年目は、県を拡大して、アレルギー大学のさらなる定着をはかるというという目標を立てました。また、事務局スタッフのスキルアップということで、会のリーダーがアレルギー大学に参加するということはもちろん、いろんな専門職種の方にもたくさん参加いただいて、将来的にはアレルギー支援ネットワークのスタッフになってもらおう、という目標を立てました。
3年目は、それまで私の自宅が事務所だったのですが、事務所を持つこと、常勤・非常勤スタッフ体制の確立、アレルギー大学を専門的に運営できるスタッフのスキルアップをしようということを目標に掲げました。
このような目標を掲げ、実際に行った事業の成果として、まず、事務所を名古屋市内に持つことができました。それから、複数のスタッフが常駐できる体制をつくり、東海地域で県単位の地域担当制を持ちました。さらに、事務所に必要な機能をきちんと専任化して分担するようにしました。
3年目の成果としては、中間支援組織としての機能・体制を確立するために、アレルギー大学の中に「研究・実践コース」を設けました。アレルギー大学は中級から上級と内容をレベルアップして講座を進めていきますが、それで終わりではなく、その後「研究・実践コース」を設けることによって、卒業した後も学びの場を提供できるようにしました。そしてなるべく全部のコースを受けていただけるよう、コース修了がしやすいように改善しました。
それから、アレルギーの会のリーダーにアレルギー大学に参加いただいてスキルアップをしていただきました。結果的にその中から2人の方が事務局職員となり、今も活躍しています。さらに、自分たち自身も学会へ参加したり、研究会で発表したり、スキルアップを図り勉強し続けていこうという方向で事業を進めています。