認定NPO法人 チャイルドライン支援センターの組織基盤強化ストーリー

全国74団体支える チャイルドライン支援センターの組織改革 チャイルドライン。子どもの声、年間24万件。“子どもが生きやすい社会づくり”に活かす

目指すは、子どものためのワンストップステーション

組織診断ではさらに、子どもたちの生の声を日本で一番多く集めている組織として、政策提言にも力を注いでいくようにとの報告があった。これを受けて、「国や企業からリクエストを受けた時に、子どもたちが何を考え、どういう状況に置かれているのかを数値化し、可視化して見せることができるような新しいデータベースづくりに取り組んでいる」と梅沢さんは言う。

このデータベースでは、これまで「ひきこもり」「不登校」「いじめ」といった内容による分類をしてきたが、今後は電話をかけてくる子どもたちの動機や気持ち、孤立感、その背景にある貧困や家族関係にも注目していきたいと考えている。震災後は、被災地の子どもたちから「自分が助かったことをうれしいと言いたいのに言えない」「夜が怖い」という電話が多いそうだ。

著名人から子どもたちへのメッセージをしたためていただいた絵馬を展示する展示会を開催

チャイルドラインが今、目指すのは「子どもたちのワンストップステーション」。
「子どもたちがどこかへ電話をかけた時に、たらい回しにされたら『どこにかけてもダメじゃないか』と思ってしまう。一度の電話で必要なところにつながって、ケアを受けられる社会システムをつくりたい。そのためには官民をあげた協力体制が必要です」と、最後に太田さんが展望を語ってくれた。

事務局より

チャイルドラインは09年に組織診断を受け、翌10年にさっそく具体的なアクションを起こした。危機感をもち、変わろうと思っている団体が組織診断を受けると、こんなにも大きな自己変革に取り組むことがわかりました。

 Panasonic NPOサポートファンドは、2011年から、NPOがより戦略的に社会課題を解決できるようになるために、自己変革しながら持続的に成長できるよう、組織運営上の課題を抽出し解決の方向性を見いだす組織診断の手法を活用する「組織診断助成」を実施します。これからも社会を変えていくために、自分たちがまず変わり、組織基盤を強化しようという気概のある団体を応援していきたい。

パナソニック株式会社 東郷琴子

パナソニック株式会社 東郷琴子

チャイルドライン支援センター