■1981年 命知五十年
1981(昭和56)年5月5日、「命知」の暦が50年目に入った。その年の新春に新聞各紙を飾ったのがこの広告である。相談役の松下幸之助が「命知五十年」の書を寄せ、会長の松下正治と社長の山下俊彦が、当社の“行き方 考え方”を紹介していく。「人間のしあわせは、心と物の豊かさの上に成り立っています。松下電器の社員はこの時―「命知」の暦が始まった1932年5月5日―から、“産業にたずさわる者として物の創造の面からしあわせに役立ち、生活の向上や社会の繁栄に貢献したいという確固たる理念の実現をめざし、情熱をいっそうたぎらせました」と。そして、「さらに創造の道に励み、より繁栄に満ちた、平和で幸福な世界の実現へ、そして物質的にはもちろん、精神的にも豊かな21世紀の実現に向けて、その一翼を担う努力を続けてまいります」と決意を表明する。この年、当社は「長期ビジョン」を策定し、家電メーカーから総合エレクトロニクスメーカーへの飛躍を期するのである。