無電化地域ソリューション
ケニア活動報告
2018年10月〜2021年9月
電気を届けて、マサイ族居住区の生活改善を支援
活動概要
ナロク県 エンクトト地区
タンザニア国境近く、マサイ族約3,700人が暮らす村。この地域に産業はない。家畜の牛と山羊が唯一の資源。
1世帯1日あたりの生活費は平均2.5ドルと、ほとんどの家庭が貧困ライン以下である。
遊牧民のマサイ族は近年定住化が進んでいるが、生計は昔からの放牧と小規模農業が頼り。
気候変動の影響も受け、貧困から抜け出せない状況が続いている。
ケニアでは人口の約36%しか電気にアクセスできず、農村部ではわずか12%程度。この村に電気は通っていない。
主な活動内容
啓発学習による
地域住民の人材育成と支援
太陽光発電システムの運転、保守・整備に携わる人材の育成。
電気の利用についての意識啓発。
小学校で照明を活用し、進学率向上に挑戦。
太陽光発電・蓄電システム
の寄贈
学校、診療所、各家庭に十分な電力を供給。
- 太陽光発電・蓄電システム
- エネループソーラーストレージ
- ソーラーランタン
- ソーラーポンプシステム
収入(経済)と
衛生環境の向上を支援
野菜・果物の栽培や養鶏を行い、収入の向上を図る。
収穫した野菜・果物、鶏卵を、子どもたちの栄養状態改善につなげる。
診療所で夜の診療とワクチンの冷蔵保存に電気を活用。
家庭で照明を活用し、ケロシンランプによる健康被害の低減に貢献。
対象地域: |
ケニア共和国 |
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実施期間: |
2年間(2018年10月~2020年9月予定) |
協力団体
キリスト教精神に基づいて開発援助・緊急人道支援・アドボカシー(市民社会や政府への働きかけ)を行う国際NGO。その活動は、アメリカ生まれのキリスト教宣教師ボブ・ピアスによって始められた。1950年9月、アメリカのオレゴン州で「ワールド・ビジョン」を設立。現在では、約100か国で、宗教、人種、民族、性別にかかわらず、すべての子どもたちが健やかに成長できる世界を目指して活動している。
欲しいのは、夢をかなえる電気。
首都ナイロビから車で5時間のところにある、マサイ族の集落。生計は放牧や小規模農業に頼り、現金収入はごくわずか。定住化政策や環境保護区を設ける土地政策の影響で、近年、遊牧できる土地が限られてきており、新たな産業が必要です。また、学校へ通う子どもたちが増え、教育現場では照明の導入なども期待されています。定住化や社会の変化で、くらしが少しずつ変化し、様々な場面で電気の活用が求められています。
地場産業の“種”は、たくさんある
「電動ポンプで小川から水をくみ上げ、野菜や果物を育てたい。」「ふ卵器を使って生産性の高い養鶏に取り組みたい。」電気の活用で収入向上を目指す様々な声が、集落の中から上がっています。住民達を巻き込んだ地場産業のモデルづくりへの挑戦が期待されます。
これまでの活動成果
ソーラーポンプの活用で、
野菜の収穫・販売や学校給食が実現しました。
2018年10月から、マサイ族居住区のエンクトト地区の無電化村で、ワールド・ビジョン・ジャパンの協力のもと「電化による生活改善支援」に取り組んできました。
独自に設計した活動プロセスに従いながら、ソーラーポンプを活用して学校の敷地で農業を営み、トマトの収穫に貢献しました。さらに、トマトの販売で得た収益で毎日の学校給食が実現するなど、一定の成果が得られました。
インプット
(投資)
アクティビティ
(活動)
アウトプット
(活動の成果)
社会インパクト創出に向けた今後の取り組み
今後は、電気設備のメンテナンスに携わる人材の育成に取り組みます。設備の故障状態を把握し、場合によっては修理もできること。さらに問題の原因分析ができること。それらの技術の習得により、電気工事会社による修理対応コストが最小限に抑えられます。
電気設備の維持管理を地域住民自らで行う体制づくりに取り組むことで、コミュニティの持続可能な発展に貢献していきます。