
Patrice Bouquniaux
ETC社(パートナー企業)
現場責任者

Jace Oh
平昌冬季オリンピック組織委員会(POCOG)
セレモニーディレクター

寺西 修二
パナソニック コネクティッドソリューションズ社
メディアエンターテインメント事業部 マーケティング部
オリンピック開幕の期待感を頂点へと盛り上げる開会式。熱戦の興奮と余韻を胸に健闘をたたえ合う閉会式。その時々の大会を強く印象付ける、失敗が許されない壮大なセレモニーに、パナソニックはリオ2016大会に続き取り組んだ。映像に盛り込んだ数々の最新技術、そして風や寒さが厳しい屋外の環境でそれらを安全に稼働させるきめ細かい運営への配慮があってこそ、人々の記憶に感動を刻む数々のシーンが繰り広げられたのだ。
過酷な環境でも安定した運用を、次の東京2020大会にも
冬季オリンピックは寒さとの戦いだと言われる。特に2月の平昌はマイナス20℃以下に冷え込む。会場の平昌オリンピックスタジアムで、プロジェクターは “キャビン” と呼ばれる5つの部屋に格納される。キャビン内は外気温に近い氷点下に冷えるが、いったんプロジェクターが稼働すると、室温は45~50℃にも上昇したのだ。あらかじめ想定して繰り返していたテスト環境を上回る気温差は、精密な調整を要する画質にも影響してしまう。パナソニックのスタッフは多忙な調整作業のなか、急遽ヒーターを調達したり排気に工夫したり、温度差が大きくならないような対応をする必要があった。
パナソニックのオペレーションパートナーであるETC社の現場責任者 Patrice Bouquniaux はそんなパナソニックの対応に信頼を寄せる。「このような大舞台を手掛ける際は、特にプロジェクターは性能の最大限まで活用します。このような大規模な屋外での展示には最高水準の技術が必要です。そしてそれを可能にしているのはエンジニアとの強力なコラボレーションです。リオ2016大会にも参加していた優秀なエンジニアや、同等レベルの技術を持つスタッフが、極限の天候下でのパフォーマンスを可能にしているのです。」
厳寒のもと、感動的なセレモニーを成功させた平昌2018冬季大会。次の東京2020大会は、猛暑との戦いだ。寺西は2020年へ向けた抱負を語る。 「平昌の厳しい環境下でプロジェクターが安定して稼働してくれたことは大きな成果です。次の東京2020大会では、さらに力強い映像を出せるように、機器の進化とともに我々も進化して、感動を人に与えられるようなノウハウを共有できればと思っています。」