自分の言葉と行動で人々を勇気づける
‐パメラ・ローザ選手

ローザ選手は貧困と厳しい環境の中で生まれ育ちました。ベッドルーム一つの家に家族がひしめき合うように暮らす中、ローザ選手の両親は元気いっぱいの彼女が屋外で楽しめる方法を常に探していました。ローザ選手が8歳になったある日、彼女は初めてスケートボードに乗り、すぐに虜になりました。

一番高いランプに挑戦したり、年上の子ども達が躊躇するようなトリックに果敢に挑む幼い娘の姿を見て、ローザ選手の両親は娘には何か特別な才能があると確信して、貧しい環境にも関わらず彼女に最初のスケートボードを買い与えました。

6年後、13歳で元気にXゲームのデビューを飾ったローザ選手。残念な結果に終わったものの、競技に対する情熱を更に燃やし、その翌年、首にかけられた銀メダルと共に表彰台に上った彼女は誇らしく輝いていました。

ただ、ローザ選手にとってスケートボードの道に進むことは容易なことではありませんでした。試合への出場費、宿泊費、交通費などは、経済的に困難な状況にあった彼女の家族にとって非常に大きな負担でした。ローザ選手がスケートボードで最高のパフォーマンスをするのに必要な費用はこれだけではありませんでしたが、幸運にも、地元の人々がローザ選手の夢を応援し、友人や隣人が持っていたパーツを寄付したり、近所のスケートショップがまさに最初のスポンサーとしてローザ選手にスケートボードを無償で提供してくれました。

スポーツにはつきものですが、ローザ選手は練習中に幾度も危険な転倒を繰り返しました。彼女の家族は多くの時間を病院で過ごすことになり、担当の医師とも家族ぐるみの仲となりました。とりわけフィリオ医師は、若きスケーターの瞳に宿る大きな可能性を確信し、彼女の才能に賭け、米国で彼女のための指導者を雇う資金を支援しました。

地元の人々による善意の行動が、若きローザ選手のスケーター人生を後押ししました。Xゲームで6つのメダルを獲得した後、受けてきた支援にどのように恩返しができるのか、ローザ選手は模索し始めました。

スケーターとしてのキャリアを順調に積むことで、賞金やスポンサーからの資金も徐々に増え、ローザ選手は家族のそれまでの献身に対し恩返しができるようになりました。彼女は広く快適な家を家族のために購入し、今では妹の大学教育資金も負担しています。

ローザ選手のキャリアの全ての始まりである地元へも彼女は恩返しをしています。彼女は公営スケートパークの建設を支援し、ローザ選手や家族が受けてきたように、地元コミュニティがスケートボードからインスピレーションを受けることを願っています。

ローザ選手の最も大きな社会貢献は、人々を勇気づけたということにあります。Team Panasonicのメンバーそしてプロ選手として、ローザ選手は流行、ライフスタイル、人々に対する自分自身の強い影響力を実感しています。彼女の言葉と行動を通じて、男子が主流であるスケートボード界で、特に若き女子選手のロールモデルとして人々にインスピレーションを与えたいと願っています。

わずか19歳で東京2020オリンピック競技大会のブラジルチームとTeam Panasonicを代表し、ローザ選手は夢の一歩を踏み出しました。このことにより彼女や家族は信じられないような喜びや誇りを感じることができました。東京大会ではオリンピックの表彰台に立つことはかないませんでしたが、母国に戻った彼女にブラジルオリンピック委員会は、スケートランプの内外での活躍に対して賞を授与しました。

今、彼女は次の2024年夏季オリンピック大会に照準を合わせています。トレーニングの合間であっても、これまで以上にTeam Panasonicと協働し、世界に良い影響を与え、自分自身がそうであったように恐れずに夢に突き進むよう人々を勇気づけたいと考えています。