117. 大阪駅前陸橋の寄贈を発表 1964年(昭和39年)

日本経済の急速な発展による弊害が次第に目につき始めた。東京、大阪は年々活況を呈するものの、人口の集中や交通事故が表面化し、都市問題はいよいよ深刻化の様相を呈した。

会長は、こうした問題の解決には、官民一体となった取り組みが必要であり、会社としてもできることがあれば、社会のお役に立ちたいと考えていた。たまたま大阪府交通対策委員会で検討中だった、大阪でも指折りの交通の難所である大阪駅前東交差点の交通混雑を緩和するための架橋計画が資金面で行き詰っていることを知り、昭和39年2月、この陸橋の寄贈を申し出た。

大阪市はこの申し出を高く評価し、会長の意向にそい、さっそく陸橋建設に取りかかった。この陸橋は、10月に完成、24日、大阪市長と会長とのテープカットで、渡り初め式が挙行された。この歩道橋は、大阪駅前広場と阪急、阪神両百貨店をL字型に結ぶ、当時としては日本最大のもので、大阪市の交通安全対策に大きな役割を果たすものとなった。