116. CIOS主催の国際経営会議で講演 1963年(昭和38年)

昭和38年には、国際経営科学委員会(CIOS)主催の第13回国際経営会議に講師(ゲスト・スピーカー)として招かれた。

この会議は3年ごとに開かれるもので、今回は二ューヨークのヒルトンホテルで9月16日から5日間、世界59ヵ国から学者、実業人など約3,000人が参加して開催された。会長は、17日から17の専門テーマごとに開かれた分科会のうち、第5分科会において「私の経営哲学」と題し、講演した。

その中で「適切な経営者が国を経営する場合には、その国が繁栄し、国民が幸福になる」と説き、「経営者は自己評価ができることが必要である。そのために、正しい経営理念を持たねばならないが、それには正しい人生観に立ち、かつ社会観、国家観、世界観、そして自然の摂理までも同時に勘案することが大切である」と強調した。

その中で「過当競争は罪悪であり、除去すべきである」と述べたところ、質疑応答の時に、出席者の1人が、「もし過当競争をなくすことができれば、私は日本に行って靴をぬいであなたにおじぎをする」と言い出した。そこで、会長は「過当競争をしてはならないということをあなたがたが深く決心すれば、直ちになくなる」と応酬、会場はなごやかな雰囲気に包まれた。