149. 山下俊彦取締役が社長に就任 1977年(昭和52年)

相談役が描いた21世紀の展望に従い、松下電器は新たな飛躍を期するために、その第1歩を鮮明に画し、世の注目を集めた。

昭和52年1月17日、高橋荒太郎会長の退任にともない、新たに会長に松下正治社長が、社長に満57歳の山下俊彦取締役が内定、2月18日の取締役会で正式に選任された。この若返り人事は、世間に清新な驚きを巻き起こした。

これについて、相談役は「世界の繁栄は時代とともに回っている。21世紀には、日本をはじめとするアジアに繁栄が巡ってくると思う。とするならば、日本国民はその受け皿をつくるための活動をしなければならない。松下電器もその先端に立って、その受け皿になることを前提に経営を進めていかねばならない。そういう観点から、社長となりうる人材を選んだのである」と訴えた。