151. 「パングリマ・マンク・ネガラ勲章」を受賞 1979年(昭和54年)
昭和54年2月、相談役は、マレーシアの産業発展に貢献したとして、「パングリマ・マンク・ネガラ勲章」叙勲の通知を受けた。これは、民間人に与えられる最高の勲章で、「タン・スリ」の爵位も付与されている。この爵位は、戦前の日本でいえば、「伯爵」に当たる権威あるもの。
マレーシアには、昭和40年にマレーシア松下電器を設立して以来、この時までに5社を設立。全従業員数はこの年、約3,300人に達していた。生産額の半分を輸出、経営の主要ポストに現地の人が当たるなど、名実ともにマレーシアの会社となり、同国の産業発展に大きな役割を果たしてきた。「まず相手国の繁栄に貢献する」との考え方がマレーシアで開花し、評価されたのである。
相談役は、この叙勲を心から喜び、2月16日、クアラルンプールの首相官邸で行われた授与式に出席し、勲章を贈られた。なお、短い滞在期間だったが、スケジュールの合間をぬって、相談役は、現地各社を訪れた。行く先々で、赤いカーペットに花をまいたり、打楽器を打ち鳴らすなど、最高の礼を尽くして歓迎され、相談役は胸が熱くなるのを覚えた。