

今回、最優秀作品賞に輝いた作品の中から、森村学園初等部「スタートライン -The Starting Line-」と筑波大学附属桐が丘特別支援学校
「"当たり前" じゃない世界」が、2020年の夏に開催予定の「KWNグローバルイベント」の日本からの参加校として選ばれました。


今回の審査で印象に残ったのは、社会的マイノリティの方々への目線です。そういう方々に対する取材を番組にしていたり、自分たちが演じて伝えたりと表現方法は多様ですが、それをメッセージとして届けたいと考えてくれたことにおどろき、感動しました。環境問題を扱う番組もたくさんありました。環境問題は、原因も現象もさまざまです。原因と現象をつなぐ流れも、はっきりした因果関係が見えにくく、まわりまわって現象が起こるというようなこともあります。そのあたりのつながりの追究が、難しいのかも知れません。メッセージとして伝えられる対策が、本当に環境問題の解決につながらないこともあるように思うこともありました。KWNの番組は、5分間でまとめなければなりません。一方、学習活動で集めた情報は膨大な量になると思います。なので、どの情報を使って、どれを捨てるか、という課題に直面することになります。そのとき,自分たちが伝えたいメッセージを絞り込んで、それをサポートする情報がどれなのかを、しっかり見極めなければなりません。そこで求められるのが、捨てる勇気です。インタビュー映像のどこを使うか、それにつなげる展開をどうコンパクトに示すかなどに目を向けながら、編集作業をしてほしいと思います。

関西大学
総合情報学部 教授
黒上 晴夫 氏

今回 作品テーマをSDGsに照合することで、より作品テーマが明確になった印象です。地場産業がエコロジーをキーワードに取り組む新しい試みに気づいたり、世の関心が高まる パラスポーツを知る 学校あげての取り組みで多くのアスリートや支える人々と出会ったり、 映像を作ることで学生自身が新たな行動と思考を体験するアクティブな循環が素晴らしかった!テーマに即した表現も youtubeなど個人発信が普通になった現代らしく、既存のスタイルに とらわれる事なく ルポルタージュ、ドラマ、そのいずれにも属さないスタイルを作り手が よく考えて選んでいました。同じドラマ形式でも「震災の記憶を再現しながら未来につなげた」作品、「ジェンダーに関わる友情と恋愛のボーダーを描く」作品、「人工知能と共存する近未来の日常を描く 現代のSF」作品では、一言でドラマと括れない純度が高いアプローチをそれぞれに感じられます。結果、それぞれの「リアル」がより生々しく感じられる映像メッセージの集合体として、KWNが 目指してきた映像によるコミュニケーションと世界との関わりへの喜ばしい成果を感じ取れました。なかなか触れる機会が少ない特別支援学校からの昨年に続いての応募も嬉しいことです。 技術的にはボトムアップされて見にくい作品は減少し、クオリティが安定してきましたが、欲を言えば 映像、演出的にプロフェッショナルがしてこなかった新しい映像表現を提案してくれたら、とこの若い世代に期待もしています。映像に人を動かす力があると実感した若い皆さん、先生方にはそれができる、と信じています。

東京藝術大学
大学院 教授
伊藤 有壱 氏

3年ぶりに審査員をさせていただきましたが、作品のレベルの高さにびっくりしました。作品テーマのとおり「今、つたえたいこと」がわかりやすい作品が多かったです。プラスチックごみなどが深刻な環境問題、いろんな人がいていいんだという多様性、かけがえのない平和・・こうしたことについての若い人たちの見方が新鮮でした。大事なメッセージを伝えながら、くすっと笑わせてくれる作品も多かった印象です。技術的にもドローンを使った空からの撮影、水中の撮影、インパクトのある音の効果がすばらしかったです。私自身、ニュースの現場にいて毎日、たくさんの映像を見ています。映像には世の中を変えることができるだけの力があると信じています。ひごろから「どうして?」という疑問や「こんなおもしろいこと、こんなびっくりしたことがあったので誰かとシェアしたい」という気持ちを大切にしてください。若い感性を生かした新しいニュース/映像作品を来年も期待しています。

NHK
報道局経済部
副部長
飯田 香織 氏

審作品の制作を通して、参加した子供たち一人ひとりが、自分たちの問題意識をより深めて、具体的な行動に移しているのを感じました。普段忙しいなかでは、社会問題についても深く考えずにすぎてしまうことが多いのではないでしょうか。そんななか、一歩踏み出すきっかけとなっているように感じます。作品づくりにあたって、きっと、いろんな人に会って話を聞くという経験をしたはずです。ドキュメンタリー作品はもちろん、フィクションやドラマ形式の作品であっても、同じでしょう。世の中に対して自分が何をできるかをしっかりと考えて行動に移す経験をしたことは、これからの人生にとっても大切な経験となるはずです。第一歩を踏み出した人は強い。今後、様々な分野でますます活躍して、我々を驚かせてくれることを楽しみにしています。

プレジデント社
プレジデントファミリー編集部
編集長
中村 亮 氏

毎年、学生の皆さんがつくる作品を見て、背筋が伸びる思いがします。自由な発想でのびのび創っているし、ティーンエイジャー特有の感情を瑞々しく描いている作品もあって、自分がそんな風に作れているか、仕事を省みてしまうからです。学生の皆様には経験値で完成度の高い作品をつくるよりも、若さや荒さの中にある魅力をどんどん描いて欲しいです。もしかしたら、それは今しかできないことかもしれません。それと、今年は映像の上にのせるタイトルやデザインにまで気を使っている作品が多くて感心しました。細部まで気を抜かず、少しの傷もないように最後まで磨き上げる。それがものづくりの基本だと、私も若い頃から叩き込まれました。みんなに負けないように私もより一層、精進していきたいと思いました。

株式会社ハット
企画演出部 ディレクター
山口 香 氏

今年は新型コロナウィルスの影響で表彰式が中止となり、受賞された皆様にお会いできず、 本当に残念でした。 思えば私が本コンテストにかかわったのも、東日本大震災の後、東京で授賞式ができないために ネット配信表彰式の MC にお声がけいただいたのが最初でした。目の前にいなくても、 それぞれの学校で配信をみていらっしゃる受賞者の皆様のことを想像しながら MC を行いました。 今年は皆様はどこで配信をご覧になりましたか?一緒にお祝いができなくても、がんばった皆様の 作品が世界に配信されています。映像作品というのはそういうものなんだと改めて思いました。 今年は、そんな世界になることを暗示するかのように、テレビをはじめとする大手マスコミの人たちが 取り上げないけれど、大変重要なことをテーマにした作品が多かったと思います。 例え、集まって話すことが難しくても、映像では発信できます。日常で感じたことや大切だと おもったことをきちんと映像で世界に発信していくことはますます重要なのかもしれません。 これからも良い発信をたくさんしてください。

フリーアナウンサー
きてきて先生プロジェクト代表理事
内閣府知財教育推進委員
香月 よう子 氏

今回、初めて審査員として参加させて頂きました。昨年まではパナソニック社員審査での投票はしていましたが、最終審査は比べられないぐらいの難しさがありました。どの作品も個性的で、生徒さんの考えや、工夫が詰まっていますし、映像を通して訴えたいものが伝わってくるものでした。審査ですので点数は付けないといけなかったのですが人とは違う独自のアイディアは何か?という視点を重視して点数付けをさせて頂きました。映像制作は一人ではできなくて、それぞれの役割を持った仲間がアイディアを出し合って、一つの作品を作り上げてきたことと思います。その過程が非常に重要で価値のある活動ですので、今後も継続して頂ければと願います。また、カメラを作っている側の立場からすると、皆さんの作品作りに貢献できているとしたら、喜ばしいことと思っています。

パナソニック(株)
コネクティッドソリューションズ社
メディアエンターテインメント事業部
プロフェッショナルAV総括
大西 浩之 氏



KWN 日本コンテスト 2018 表彰式
参加校集合写真

小学生部門 最優秀作品賞
神奈川県 森村学園初等部
「シロと風呂敷~風呂敷を世界中に~」

中学生部門 最優秀作品賞
福島県 いわき市立平第三中学校
「Carry that weight」

高校生部門 最優秀作品賞
東京都 都立立川ろう学校
「New friend」

表彰式は、2019年3月16日(土)にWonder LAB Osaka(ワンダーラボ大阪)で実施しました。今年度より3部門制に改定され、小学生部門28作品、中学生部門42作品、高校生部門32作品、部門併せて102作品が寄せられました。厳正な審査の結果、小学生部門で4作品、中学生部門3作品・高校生部門で4作品の入賞(部門賞)と、KWN講師特別賞3作品、佳作15作品が選出されました。 その中から、最優秀作品賞は、 神奈川県森村学園初等部「シロと風呂敷~風呂敷を世界中に~」、福島県いわき市立平第三中学校「Carry that weight」、東京都立 立川ろう学校「New friend」に決定しました。
また今年も従業員が投票する「パナソニック社員賞」も選出され、3作品が受賞いたしました。
各部門の最優秀作品賞ならびに各受賞作品の動画を公開しましたのでご覧ください。




シロと風呂敷~風呂敷を世界中に~
制 作: 神奈川県 森村学園初等部
グループ名:3年藤組



Carry that weight
制 作: 福島県 いわき市立平第三中学校
グループ名:キャリア教育推進委員会



New friend
制 作: 東京都立立川ろう学校
グループ名:高3情報系


みなさんが作品にこめるメッセージは、単なる思いつきではなくて、しっかり学習をつんで、 そこから生み出されたものだと感じます。テレビを見たり、新聞をよんだり、場合によってはお笑いを視たりするような中で、なんとなく問題意識をもつことはあります。そして、深く考えずに同じような見方をするようになったり、同じ主張をするようになったりすることがあります。でも、それではだめですね。大事なのは、何かのきっかけから気になることをみつけたら、それについて調べたり考えたりして、自分自身の意見や主張をつくり出して行くことです。この KWNのようなニュースをつくる機会は、それをうながしてくれるのだと思います。メッセージを人に訴えること、それはとても大きな責任を引き受けるということでもあります。そのメッセージは妥当なものか、なぜそのようなメッセージを生み出したのか、それは何を根拠としているのか、他の見方や考え方が主張されたときにどうするか、といったことに対する責任です。そのような責任を引き受けるに十分な作品ばかり、見せていただきました。今後の更なる発展を期待しています。

関西大学
総合情報学部 教授
黒上 晴夫 氏

今年から「小学生」「中学生」「高校生」3 部門となった KWN 日本コンテスト。モチーフの見つけ方、映像で何を語りたいか、各々のチームが自分たちの個性により自信を持って取り組んだ印象を受けました。また、小学生部門でアニメーションや合成を意欲的に使った作品が複数選ばれており、これは前年の受賞作品が次の世代に「こんなことやってもいいんだ!」と背中を押してくれた良い例ですね。テーマについてはもっとも身近である学校を舞台とした「カバンの重さ」「インターネットならではのコミュニケーションのズレ」「友情の示し方」から、環境を軸とした「漂着ゴミ問題」「原発事故が残した影響へのリアクション」など実に幅広く、見渡した時に感じる学生達の問題意識は、日本の今を浮かび上がらせています。そんな中、高校生が挑戦した幽霊のコメディ作品や、古き良き地元の名産物復活に淡々と取り組むまっすぐな「若さ」は、映像言語の可能性を楽しく感じさせてくれました。グランプリ作品はフィクションでありながら、ろう学校の学生のリアルが見る者の胸を打つ「ポストドキュメンタリー」とも呼べる静かな力作です。 まさに「多様化」を体感する今回のセレクショ ンでしたが、見せる表現のための技術や演出に、より磨きをかけて次回作に挑戦してほしいと感じました。

東京藝術大学
大学院 教授
伊藤 有壱 氏

今回2回目となる審査を務めさせていただきました。年を追うごとにレベルがあがっていくと、別の審査員の方が話されていましたが、本当に私もそのことを実感します。ことしは構成のユニークさが一段と上がったように感じています。いきなり物語が始まるような構成は何だろう?と目をひきますし、映像のアップから見せていって、何を言うのかを宣言するような構成も効果的でした。何かを伝えたいというメッセージが明確で、そのメッセージに肉付けしていくような構成力はどうしたら身につくのか。感心するばかりです。もうひとつ、特筆すべきこととして撮影、編集技術の素晴らしさがあげられると思います。人やモノへの上手なアップ、インタビューとイメージカットの上手な組み合わせ、見る人を引き込む技はたいしたものだなあと驚いています。カメラの性能も上がっていますが、アップの映像は制作者の思いが表れます。映像にみなさんの伝えたいメッセージがこもっているなと理解しました。

NHK 報道局
経済部 副部長
豊永 博隆 氏

審査を通して、参加したお子さんたちのことをとても羨ましいな、と思いました。チームをつくってみんなで動画作品を作り上げ、それを通して世の中に何かを伝える。そんな経験を小学生や中・高生のうちにできるなんて、なんて贅沢な経験なのでしょうか。ぜひ今後も、ものをつくったり、表現したりする活動を続けてもらえたらと思います。今、文部科学省が、小学校での授業から大学入試まで教育を大きく改革しようといています。変化の多い現代 に活躍するために、知識を覚えるだけではなく、自ら表現したり課題を発見したりする力を養う方向へ教育も変えようというのです。その意味でも、KWN の活動を通して得た力は、これからの社会でいきいきと生きるための土台となるのではないか、と思います。これからもさらなる挑戦をしてください。驚かせてくれるような作品に出会うことを楽しみにして います。

プレジデント社
プレジデントファミリー編集部
編集長
中村 亮 氏

KWNの審査をさせていただくのは今年で 3 度目となりました。何度見ても学生の皆さんがつくる映像には驚かされます。技術的には拙くとも、どこか瑞々しい輝きを帯びているからです。それは羨ましくもあります。なぜならその輝きは、経験を積んで形式や前例を学ぶにつれ、薄れてゆく輝きがだからです。学生の皆さんには今しかつくれない映像をおもいっきり楽しんでつくってほしいです。今年から大きく審査方法が変わりました。その映像が社会に存在する意義を問うような、より本質的なコンテストになったと思います。その分、審査員としての責任も重くなったと思っているので、私自身もより一層、精進していきたいと思っています。

株式会社ハット
企画演出部 ディレクター
山口 香 氏

2012年から表彰式にかかわらせていただき、昨年より審査員をしています。毎年大変なレベルの高い作品が送られてきていますね。ご存じのように今年度は若い人たちによる「炎上動画」がさまざまなところで問題になりました。また、小学生のなりたい職業の上位にユーチューバ―が食い込むだけでなく、小学生でも気軽に動画を発信できる世の中になりました。そんな中、改めてこの KWN の存在が大きくなったなとおもいます。伝えたいことを誰にどのような形で伝えるか。ワンカットワンカットを大切にした作品ばかりがそろいました。また、制作すればそれでいいわけではなく、作品を公にするために、著作権処理をはじめとして様々なことが必要になります。手軽に映像をアップできる今だからこそ学ぶ必要があることばかりです。チームで協力しながら丁寧に地道に作られた作品を拝見しながら、ぜひより多くの学校に参加していただきたいと改めて思いました。

フリーアナウンサー
きてきて先生プロジェクト代表理事
内閣府知財教育推進委員
香月 よう子 氏

キッド・ウィットネス・ニュース(KWN) 日本コンテストジャパンミーティング2018と題し、Wonder LAB Osakaにて3月16日(土)に表彰式、表彰式終了後には、中学生・高校生向け特別ワークショップの作品上映会、参加校同士の交流会が開催されました。
今年もガンバ大阪のマスコット GAMBABOYが駆けつけてくれましたよ!
当日の様子をご紹介させていただきます。


▲2018年3月16日 パナソニック ワンダーラボ大阪(大阪府門真市)で開催された表彰式の模様を映像でご覧いだけます。
■名 称 :
■日 時 :
■会 場 :
■参 加 者 :
キッド・ウィットネス・ニュース(KWN)
日本コンテストジャパンミーティング2018/日本コンテスト2018表彰式
2019年3月16日(土) 表彰式/13:00~15:00
Wonder LAB Osaka 1Fプレゼンテーションルーム
参加校16校(引率者および生徒・児童・キッズリポーター)


2019年3月16日(土)今年も全国各地から、表彰式に参加する児童・生徒が集まってくれました。




続々と会場に参加校が到着。
受付ではキッズスクールのキャラクター「ぴっくす」がお出迎え!



小学生部門 最優秀作品賞
熊本県 荒尾市立桜山小学校
「感情」

KWN 日本コンテスト 2017 表彰式
参加校集合写真

中学生・高校生部門 最優秀作品賞
埼玉県 県立小川高等学校
「久しぶり、元気だった?私は・・・」

表彰式は、2018年3月5日(日)にパナソニックセンター東京で実施しました。今年度は小学生部門18作品、中学生・高校生部門57作品、両部門併せて75作品が寄せられました。厳正な審査の結果、小学生部門で4作品、中学生・高校生部門で4作品の入賞(部門賞)と、KWN特別賞3作品、次世代クリエイター特別賞1作品、佳作11作品が選出されました。その中から、最優秀作品賞は、熊本県荒尾市立桜山小学校「感情」と、埼玉県立小川高等学校「久しぶり、元気だった?私は・・・」に決定しました。熊本県荒尾市立桜山小学校は2年連続の入賞(最優秀作品賞は初受賞)、埼玉県立小川高等学校は今年度初参加、初受賞となります。
また今年は日本コンテスト開催15周年にあたり、従業員が投票する「パナソニック社員賞」を新たに新設し、2作品が受賞いたしました。
各部門の最優秀作品賞ならびに各受賞作品の動画を公開しましたのでご覧ください。




感情
熊本県 荒尾市立桜山小学校


久しぶり、元気だった?私は・・・
埼玉県 県立小川高等学校


今年度は、とても印象に残る作品が集まったと思います。気づいたのは、記録からメッセージへの転換です。自分たちの活動の記録をつなげて作品を作ることはとても大事です。しかし、一方で作品を生み出すためには、どのようなメッセージをこめるかもとても大事です。今回は、年齢に合わせたメッセージが伝わってくる作品が多いとも思いました。小学校の作品はややストレートに、高校生の作品は多少斜めの視点から減少をとらえて、伝えたいことが絞られていたように思います。そして、活動をもとにして生まれた伝えたいメッセージをコアにして、それをよりよく伝えるためのストーリーを構成し、各シーンの意味がクリアになるような場面転換のショットをはさむなどの工夫が、どの作品にもみられました。また、音楽も場面にマッチするようにうまくつけられていると感じました。昨年度も書いたのですが、「映像で表現するということの意味」が、みなさんのイメージに「納得」されて溶け込んでいったということなのだと思います。

関西大学
総合情報学部 教授
黒上 晴夫 氏

今年のKWN日本は昨年感じた「手応え」から、KWN自体が大きな変革を迎えつつある事を実感した年です。2016からスタートした「中学・高校部門」は順調に作品レベルが上がり、更に従来より拡張した様々な学校からの応募作品が「特別賞」として参加、予想を超えたハイレベルな作品が競う結果となりました。技術レベルも小学生とは思えない高度で美しい映像を作るチームもあり、もはや年齢や技術レベルで境界線が引けなくなって「映像を自分の言葉にする」力が浸透してきた時代に突入したようです。そんな中での最優秀作品は「災害を経て実感した、作り手達の感情の変化」や「友情に関する自身の葛藤、そして感情爆発から昇華」という内面の深いところに迫った作品が獲得。どちらも「成長」が核になっていて、若い世代ならではのKWNにふさわしいメッセージが人に伝わるものでした。こうした作品から私たちは世代を知り、世界とつながる術を身につけた学生たちが作る未来を垣間見るのです。

東京藝術大学
大学院 教授
伊藤 有壱 氏

今回初めて審査員を務めさせていただきましたが、作品ひとつひとつの映像表現の多彩さに何より驚かされました。人物のアップと、引きの映像の組み合わせ、構図の巧みさ、映像の色合いや加工技術、そして効果的な音の入れ込み方や音楽。セリフの音質などにも配慮の行き届いた作品が多かったです。私は放送局に勤務していて、記者・キャスターとしてインタビューをよく撮りますが、みなさんのインタビュー術はなかなかたいしたものです。お友達どうしで撮影しているという利点があるとしても、同じ視線と距離の近さ、自然な笑顔や表情が見るものをひきつけていました。ある意味、うらやましさを感じました(私もああいうインタビューを撮りたい!)SNSはこれまで文字で伝えるのが主流でしたが、これからは写真、そして映像を活用した伝え方に軸足が移ってくるといわれています。日ごろ感じていること、世の中に伝えたいことを映像で表現する、これからの時流のように感じました。

NHK
おはよう日本
おはBiz キャスター
豊永 博隆 氏

映像の時代などと言われてはいても、親世代にとっては動画の作成は専門家の仕事という感覚でした。でも今はまったく違うのだなと今回の審査で改めて思いました。小学生部門、中学生・高校生部門ともに強く感じたのは、撮影や編集などの技術にとどまらないその先の段階、「自分たちは何を伝えたいのか」「どう伝えたいのか」を考えて作られているということでした。どの作品も、見る側に訴えかけてくる力がありました。人と人とを隔てる境界線を取り除けないかと実際に復興住宅を訪ねる中学生の表情。ドラマ仕立てで住む町のいいところを紹介する小学生たちの顔。きっと、この映像制作を通じて、自分の何かが変わったという人も多かったのではないでしょうか。
作品を見た私たちも刺激を受けました。動画作成という表現手段を自分のものとしつつある子供たちが、これからどんなことを表現するのか。驚かされるような作品がさらに生まれることを楽しみにしています。

プレジデント社
プレジデントファミリー編集部
編集長
中村 亮 氏

KWNの審査員をさせていただくのは今年で2回目ですが、学生の皆さんが自ら考え、工夫を凝らして映像を作っている姿を見ることができて本当に嬉しく思っています。映像を作るという作業は、同時にそれを見る人の気持ちを考える作業でもあると思っています。最近は映像が身近になったせいか、その作業がされないまま世の中に拡散してしまう映像が多くなっています。今回、拝見した作品は全て見る人の気持ちを充分に考えた素晴らしい作品でした。彼らには映像の正しい担い手として大きく羽ばたいて欲しいです。いつか現場でお会いてきたら嬉しいです。

株式会社ハット
企画演出部 ディレクター
山口 香 氏

2012年から表彰式の総合司会などを経て今回初めて審査員の席に座らせていただきました。毎年たくさんの作品を拝見していて、レベルの高さはよく存じ上げていましたが、改めて審査基準に照らしながら作品を見ると、1カット1カット、セリフのひとつに至るまで、行き届いていることがあらためてわかりました。入賞した作品は、その年代でないと作れないものばかりで私自身、新たな視点をいただきました。私は、アナウンサーのお仕事のほかに、学校に行く機会の多い活動をしていますが、子どもたちがチームになって様々な話し合いをしながら気づき、表現するこのコンテストは、これからますます重要性を増すと思います。指導に当たっている先生方も大変ではありますが、子どもたちの大きな成長を感じられたのではないかと思います。賞を取った学校も惜しくも逃した学校も、これからもこのコンテストだけでなく、いろいろなことにチャレンジして成長していってほしいと願っています。

フリーアナウンサー
きてきて先生プロジェクト代表理事
内閣府知財教育推進委員
香月 よう子 氏

キッド・ウィットネス・ニュース(KWN) 日本コンテストジャパンミーティング2017と題しパナソニックセンター東京にて3月3日(土)にKWN日本15周年を記念した特別ワークショップとナイトミーティング 、4日(日)に表彰式、表彰式終了後には、中学生・高校生向け特別ワークショップの作品上映会が開催されました。
表彰式当日は入賞校をはじめ、会場には応援団など関係者約230人が集まりました。
そして今年もガンバ大阪のマスコット GAMBABOYが駆けつけてくれました。

■名 称 :
■日 時 :
■会 場 :
■参 加 者 :
■会場入場者 :
キッド・ウィットネス・ニュース(KWN)
日本コンテストジャパンミーティング2017/日本コンテスト2017表彰式
2018年3月3日(土)、4日(日) 表彰式/10:00~12:45
パナソニックセンター東京 東京都江東区有明3丁目5番1号 表彰式/1Fホール
参加校 14校(引率者および生徒・児童・キッズリポーター)
応援団・一般観客 約230名(招致受賞者数含む)


2018年3月3日(土)今年も全国各地から、表彰式に参加する児童・生徒がパナソニックセンター東京に集まってくれました。
KWN講師今井先生による特別ワークショップの前に希望校は、パナソニックセンター東京のWonder Life-BOXとリスーピアを見学し
ました。




日本のKWNは2003年から活動を開始し、今年で15周年を迎えました。
今回は3日(土)に、KWN映像講師の今井先生による15周年を記念した特別ワークショップが開催されました。
特別ワークショップでは、翌日の表彰式のオープニング映像の一部を参加校の生徒で作り上げるというものでした。
7グループに分かれ架空の物語のワンシーンを考え撮影をしました。出来上がりは映画の予告編のようでしたね!


関西大学
総合情報学部
教授
黒上 晴夫 氏
メディアを活用した授業デザインやカリキュラム開発、「学び」に関するシステムや評価法などについて実践的な研究を行っている。2003年KWN日本の立ち上げ時より映像指導等に深く携わり支援をいただく。

東京藝術大学
大学院
教授
伊藤 有壱 氏
東京藝術大学美術学部デザイン科卒業。日本アニメーション協会理事 東京藝術大学大学院映像研究科アニメーション専攻教授 大阪芸術大学キャラクター造形学科客員教授クレイアニメーター、CMディレクターとしても活躍。

NHK
報道局経済部
副部長
飯田 香織 氏
2014年から2016年まで本コンテストの審査員を務められ、その後、2017年よりロサンゼルス支局長となる。帰国後も経済報道の最前線にて活躍。本年度より審査員再任となる。

プレジデント社
プレジデントファミリー編集部
編集長
中村 亮 氏
創刊以来「プレジデントファミリー」を担当。小学生、中学生を取り巻く世界をウォッチし続けているのがプレジデントファミリーの強み。

株式会社ハット
企画演出部
ディレクター
山口 香 氏 氏
2001年にCM監督としてデビュー。カンヌライオンズ FILM部門ブロンズ、フジサンケイ広告大賞 メディアミックス部門グランプリ。CMだけでなく、キャンペーン映像やド キュメンタリー映像も手掛けている。

地域教育ジャーナリスト
教育コーディネーター
香月 よう子 氏
番組パーソナリティや省庁主催のシンポジウムのコーディネーター、話し方などの講演を行う。また東京都生涯学習審議委員、中野区次世代育成審議会委員などもつとめ、学校地域連携の仕組みを作られている。

パナソニック(株)
コネクティッドソリューションズ社
メディアエンターテインメント事業部
プロフェッショナルAV総括
大西 浩之 氏
入社以来、放送・業務用VTR DVCPROシリーズの設計開発に携わる。 その後も技術部門を率いて、放送・業務用カメラ、映像システム機器を商品化。 2017年からはプロフェッショナルAV事業の責任者を務める。

パナソニック(株)
ブランドコミュニケーション本部
CSR・社会文化部
部長
福田 里香 氏
入社以降、人事・労政部門にて、パナソニックグループの賃金体系など人事処遇制度の企画・運営に携わる。2010年からは、東京の渉外部門で人事・総務業務を担当。2014年5月よりCSR・社会文化部 部長を務める。

NHK 報道局
経済部 副部長
豊永 博隆 氏
2000年から経済記者として、経済報道に携わる。旧経団連、旧通産省、財務省、電気業界などの担当記者を歴任した。現在、「おはよう日本」で6時台に経済テーマの解説者として隔週レギュラーを務めている。