Rio 2016

オリンピック大会の舞台裏

オリンピック大会の舞台裏 厳しいスケジュールの中で
過去最大規模の納入を実現
「大型映像表示装置」

写真:リオオリンピック会場の天井に設置された大型映像表示装置に映し出されたリオオリンピックロゴ
顔写真:パナソニック システムソリューションズアジアパシフィック Shaun Heng

Shaun Heng
パナソニック システムソリューションズアジアパシフィック
設置・サポートチーム責任者

顔写真:パートナー企業 Dave Crump

Dave Crump
パートナー企業
最高経営責任者(CEO)

1,886m2。これは、今大会パナソニックが納入した大型映像表示装置の総面積だ。その数は大会ごとに大きくなり、それに伴い作業量も増す。とりわけ今回はハードだったという。PSSAP社のショーン・ヘンは振り返る。「今回は規模が大きいうえに、電力供給や会場建設の遅延も多くありました」。そんな状況の中でも、彼らは冷静な対処に努めた。まず、機材の到着を予定よりも早め、さらに到着後には予備テストを繰り返した。これにより試運転にかかる時間を短縮させ、タイトなスケジュールでも過去最大規模の設置を成功させたのだ。ショーン・ヘンは「パナソニックには豊富な経験と知識があります。その財産を活かして、これからもオリンピックを支えていきたいですね」と今後の展望を語った。

性能を飛躍的に向上させた3つの進化

リオオリンピックで使用される全37会場のうち35会場で使用された、パナソニックの大型映像表示装置。その大きな特徴の一つが、オリンピックでは初めてとなるダイキャストモデルの採用だ。従来のキャビネットタイプと比べて平方メートルあたり約10キロも軽くなり、設置にかかる負担がはるかに軽減し、運搬費のコストダウンにも貢献した。

写真:大型映像表示装置の機材を運ぶスタッフ

もう一つの改良点が「ピクセルピッチ」だ。以前は主に12mmピクセルピッチだったものが、今回納入したほとんどの製品が8mmピクセルピッチを採用している。これにより解像度は約50パーセント向上し、より優れた映像体験の提供が可能となった。そして、今回納入した大型映像表示装置最大の特徴と言えるのが、ビデオボードとスコアボードを統合した一体型スクリーン、いわゆる「コンバインドボード」の導入だ。

写真:リオオリンピックの競技会場に設置された大型映像表示装置の機材

スポンサーの垣根を超えたソリューション

「コンバインドボードのメリットは、タイムやスコアといった情報が競技と連動して表示できる点です。観客は競技に関する情報をリアルタイムで知ることができ、スポーツをより深く楽しむことができます」。そう語るのは、今回オペレーションを担当したデーブ・クランプだ。他のスポーツイベントでは一般的な一体型スクリーンだが、オリンピックはスポンサーが担当する製品が決められているため実現が難しい。しかし、ビデオボードを担当するパナソニックとスコアボードを担当するオメガ社の協業により、今大会ではコンバインドボードの納入が実現した。スポンサー同士の担当領域を超えて生まれた一体型スクリーンは約3分の1の会場に設置され、スポーツの新たな魅力を発信。会場は、かつてない熱狂に包まれた。

写真:リオオリンピックの射撃競技会場に設置された大型映像表示装置に映し出されたエアピストル競技映像とタイムやスコア