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熱いレースを安定の技術で支える
パナソニックの電動アシスト自転車

57年ぶりに自国で開催された東京2020大会では「日本発祥」の競技がいくつか採用されましたが、その中の一つが「ケイリン」です。自転車競技(トラック)のケイリン種目では、今大会、選手たちへの風よけになり段階的に速度を上げて先頭を走る「ペーサー」にガソリンで走るバイクではなく、パナソニックの電動アシスト自転車が使用されました。

写真:トラックを走る、先導車e-bike(イーバイク)と競技用自転車
写真:トラックを走る、e-bike(イーバイク)

「e-bike(イーバイク)」、すなわち電動アシスト自転車といえば、「坂道などでも楽に漕いで進める」というイメージがあり、買い物など、日常生活に密着した乗り物というイメージが一般的ですが、実は電動アシスト自転車にも多くの種類があり、パナソニックでは全体の約10%を「スポーツタイプ」の製品が占めています。

パナソニックでは、スタイリッシュで本格派なデザインから長距離の自転車通勤でも快適に走れるものまで、数多くのスポーツタイプのe-bikeを発売していますが、今回のオリンピック仕様に改良するためには、多くの時間を費やしました。

開発チームの3つの挑戦

写真:電動アシスト自転車スポーツタイプ
写真:電動アシスト自転車スポーツタイプ駆動部

これまでの電動アシスト自転車スポーツタイプの開発で培った技術をベースにしつつも、今回の先導車の開発では3つの大きな挑戦がありました。

1つ目は、最高時速50km/hを発揮する高出力モータの開発。このスピードは一般の電動自転車と比べて2倍以上の速さに該当します。今回導入された「e-bike」はオリジナルの設計によって、市販車と比べてドライブユニットを1.4倍の速さまで高速化し、なおかつその出力の保つために電力量も1.4倍供給するように開発しています。

2つ目は、選手が追従しやすい滑らかで安定した加速の実現です。ただ速度が出るというだけではダメで、漕ぎだしの出力を保ちつつ速度上昇につれて増加する空気抵抗の分だけモータパワーをいれることが重要となりました。

3つ目は、あらゆる速度域でも正確にラインをトレースし直進安定性を確保するフレーム設計です。 競技場の路面は「バンク」と呼ばれ、すり鉢状の角度が付いています。

ケイリン先導車では一般車両よりも重心を低く下げ、前輪のフロントフォークの部分も角度を寝かせるように改良したことで、直進安定性の向上を図っています。

写真:電動アシスト自転車スポーツタイプペダルまわり
写真:電動アシスト自転車スポーツタイプ ハンドルメーターまわり
写真:電動アシスト自転車スポーツタイプ 変速機まわり

苦労を乗り越え様々な改良を重ねながら完成した、先導車仕様の電動アシスト自転車。 東京2020大会を終えて、開発担当者はこう語ります。

「開発途中はうまく行かなくて苦労したことが多々ありましたが、大きな舞台でお役立ちできたこと、先導した方からも「乗りやすい」とのお言葉をいただいたことで、今までやってきたことが自信になりました。」

「最終となる男子ケイリン決勝で、先頭誘導員が無事に役目を終えて帰ってきたときの達成感と感動は鮮明に残っています。今回の先導車開発でさらなるノウハウの蓄積が出来ました。開発からレース現場でのサポートまでの経験を活かし、今後もより良い自転車を提供できるように開発に取り組んでいきたいと思います。」

ラスト3周でコンマ数秒を争う選手たちの熾烈な心理戦が繰り広げられていた自転車競技のケイリン。 そんな熱いレースを、パナソニックの電動アシスト自転車が支えていました。パナソニックの挑戦はこれからも続きます。

東京2020オリンピック公式電動アシスト自転車、発売

写真:パナソニックの電動アシスト自転車(ブルー)
写真:パナソニックの電動アシスト自転車(白)

今回の開発要素や技術要素をもとにしたパナソニックの新しい電動アシスト自転車が発売されています。開発における最大のポイントのひとつである低重心化を生かして、誰が乗っても安定した車体を実現しています。