35. 特許第1号を出願 1926年(大正15年)
この年3月、所主は自ら考案した「電池筺」の特許を出願したが、昭和2年5月、特許第72030号として登録された。これは所主の特許第1号となった。
所主の発明考案に対する熱心さは、よく知られている。大阪電灯に勤めていたときも、ソケットを改良しようといろいろ工夫をした。試作品までつくって、上司に見せたが、結局それは受け入れられなかった。所主は、それにもめげず考案を続け、ついにそれを自らつくり世に広めようと独立を決意した。結果は売れず、困窮生活を強いられたが、そのときでも発明考案に夢中になっていたほどである。
そのときつくった松下式ソケットは、大正5年10月に出願し、大正6年1月、実用新案第42129号として登録された。その後も、考案に熱中し、次々と画期的な製品をつくり、世に送った。「アタッチメントプラグ」「2灯用差込みプラグ」「砲弾型電池ランプ」など、所主の発明考案は、その後、ついに特許権8件、実用新案権92件、計100件を数えるに至った。