126. 「天馬往空之像」が完成 1966年(昭和41年)
昭和40年4月、会長は勲二等旭日重光章を拝受した。この栄誉をたたえ、年末に全国の販売会社、代理店282社から、「天馬往空之像」が贈られた。高さ約3メートル、重さ約2トンもあるブロンズ製の天馬像であった。
ところで、会長は昭和41年の新年早々、得がたい体験をした。たまたま昭和40年の大晦日に行われたNHK紅白歌合戦の審査員に選ばれ、出席したが、終わるとすぐ帰阪しなければならず、あわただしく羽田へと駆けつけた。出発した時刻が、元旦の午前零時過ぎである。機上の人となった会長の脳裏をかすめたのは、昭和41年が自分の干支(えと)の午年(うま)に当たるということ。その自分が今空を飛んでいると気づいたとき、「天馬空を往く」の言葉を思い出し、会長は希望と勇気がわいてくるのを覚えた。
その意味で、この「天馬往空之像」が贈呈されたことは、ことさらにうれしく、会長はこの像を本社構内に設置し、末長く保存することにした。
像は11月25日に設置完了、除幕式が挙行された。販売会社、代理店の社長など多数の人々が見守る中、会長の手で幕が下ろされた時、小雨にぬれて、まさに飛び立とうとする天馬の姿が現われた。