132. 「科学と工業の先覚者」の銅像が完成 1968年(昭和43年)
先覚者の精神を継承し、今日に生かしたいという会長の願いは、昭和43年に設置された「科学と工業の先覚者」の銅像にも強く込められた。
会長は、かつて電球を発売した当時、エジソン翁が京都府下・八幡の「日本の竹」から炭素フィラメントをつくり白熱電球を発明した話を耳にし、自室にエジソン翁の写真を掲げてひたすら仕事に励んだことを、懐かしく思い出した。こうした先覚者の偉業をたたえ、若い世代の指針にすることもまた意義深いことだと銅像設置を思い立ったのである。
電球を手にしたエジソン翁の立像を中心に、国内外から選ばれた「科学と工業の先覚者」11人の像は、12月4日、中央研究所の前庭に完成し、関係者を迎え、除幕式が行われた。
会長は、この銅像の完成に際し、「これらの銅像の建立を1つの契機として、私たちは幾多の先覚者が残された、汲めども尽きぬ無限の功績に、尊敬と感謝の念をささげるとともに、朝夕その遺風に接し、それぞれの立場から新たにわき起こる発奮と努力をもって先覚者にあやからせていただき、世界に誇れるより進歩した技術開発に打ち込んでゆかねばならない」と訴えた。