145. 松下労組の結成30周年記念式典に出席 1976年(昭和51年)

昭和51年は、松下電器労働組合の結成30周年に当たり、5月23日、松下休暇村「ユニトピアささ山」で記念行事が開催された。

この時、夫妻で招待された相談役は、記念式典のあいさつで、休暇村に深い感銘を受けたと述べたあと、「今日では労働組合の良識いかんによっては、国が傾き、国が発展することにもなると思う。それだけに、組合は、形なき真実の為政者、国家経営者としての責任意識をもって行動してほしい。今後日本はますます混迷の度を深めると思うが、われわれの手で日本のほんとうのあり方を見出すことに成功しなければならない」と訴えた。

相談役は、昭和21年の組合結成大会に進んで出席し、「あいさつをしたい」と申し入れたことを思い出した。その時は、採決を受けてから、壇上に立ち、「正しい経営と正しい組合は必ず一致する」と述べ、万雷の拍手を受けた。その思いに違わず、会社の発展とともに、労働組合も大きく成長してくれたという感慨がわき、相談役は壇上で、当時の委員長だった朝日見瑞氏の手を取り、喜び合った。