144. 「崩れゆく日本をどう救うか」を発刊 1974年(昭和49年)

昭和45年秋以来、曲がりなりにも高度経済成長を維持してきた日本は、昭和48年秋のオイルショックによって、一転、深刻な不況に陥り、政府も自治体も企業も国民も総赤字という一大難局に直面した。

そうした中で、相談役は、昭和49年12月、「崩れゆく日本をどう救うか」という憂国の書を発刊した。相談役は、この書の第1部で、この危機の原因は戦後30年にわたる日本の歩みにあるとし、不信感の増大、民主主義のはき違え、国家経営の理念の欠如などを指摘したあと、第2部において、「大学半減論」を含む教育の抜本的改革と、「臨時物価安定法」「100兆円の経済安定国債の発行」などによる経済大発展策など、いくつかの「日本を救う道」を提示し、その早急な実施を提言した。

「今のままで手をこまねいていれば、お互いに破滅してしまうほかはない。何とかこの難局を切り抜けて、そこからより良い日本をつくり上げていかなければならない」という思いに基づき、これらの諸方策を大胆率直に提示したのである。 この画期的な提言の書は、60数万部のベストセラーになった。