年を取ると、シワができるのはなぜ?

赤ちゃんのほっぺたをおしたりつまんだりすると、弾力(だんりょく)があるのが分かるかな? 例えば、よく膨(ふく)らんだ風船みたいな感じ。

皮膚(ひふ)の中には、弾力を与(あた)える元になる繊維(せんい)が、たくさん重なっているんだ。若(わか)ければ若い程(ほど)、その繊維の間に水分の多いゼリーのような物がたくさん詰(つ)まっている。ところが年を取ってくると、それがだんだんもろくなってパサパサになり、弾力がなくなってしまう。それで空気が抜(ぬ)けた風船みたいに、しわくちゃになる、これがしわなんだね。


学校は昔から6才で入るもの?

みんなが通っている学校、日本では元々(もともと)は寺子屋といって、ずっと昔、室町時代(むろまちじだい)にできたんだ。始めのころは、身分の高い家の子どもたちが通っていたんだけど、農民や町人の子どもも通うようになった。寺子屋には、みんなの教室にあるような黒板やいすはなくて、机(つくえ)だけで勉強していた。

先生は、お坊(ぼう)さんや神主(かんぬし)さん、またはお侍(さむらい)さん。一つの寺子屋には7~13才までの子どもが20~30人集まって、読み書きのほかに、そろばん、手紙の書き方など、暮(く)らしに役立つことを学んでいた。これが学校の始まりだ。


子どもの歯はどうして抜(ぬ)けるの?

子どもの歯が抜けるのは、大人の歯に生え変わるから。子どもの歯のことは乳歯(にゅうし)、大人の歯は永久歯(えいきゅうし)と呼(よ)ばれている。乳歯は、生まれてから3才位までに生える歯のこと。そして、6~12才には全部抜けて永久歯が生えてくる。子どもの歯のレントゲン写真を見ると、乳歯の下に永久歯が隠(かく)れているのが写っているよ。

でも、どうして2回も生えてくるのだろう? それは歯の数を増(ふ)やすため。体が大きくなると、あごの骨(ほね)も大きくなり、歯の数も増えるんだ。乳歯は全部で20本なのに、永久歯だと32本にもなる。いろんな物をたくさん食べられるように、生え変わるんだね。


七五三(しちごさん)は、どうして7才、5才、3才にするの?

七五三は、子どもの成長をお祝いする日本の行事。男の子は3才、5才、女の子は3才、7才の時に、晴れ着を着て、神社にお参りをするんだよ。昔は、七五三のお参りが済(す)んで、初めて子どもの仲間入りができたんだって。

ず~っと昔は、男の子も女の子も、3才になると「髪(かみ)置き」っていう髪を伸(の)ばして結ぶお祝いをしていた。そして、男の子は5才になると、初めて男の子の着物を着せてもらえたんだ。これが「はかま着」というお祝い。女の子は、7才になると、女の子の着物を着せてもらう「帯解(おびと)き」というお祝いをしてもらった。この3つのお祝いが七五三の始まりなんだね。


大人と子どもで薬の量が違(ちが)うのはなぜ

風邪(かぜ)をひいた時に飲む、風邪薬。中身が同じ薬なら、大人と子どもでは、飲む量が違うって知ってた? たとえば大人が1回2粒(つぶ)飲む薬でも、子どもは1回1粒飲むことになっていたりする。これはなぜだろう。

大人と子どもでは体重がちがうよね。大人は50キログラムや60キログラムあるけど、子どもは20キログラムや30キログラムしかない。薬の働きは一般(いっぱん)的には体重が軽いほど強くて、効(き)き目が大きいんだ。だから大人が子どもと同じ量を飲んでも効き目がない。反対に、子どもが大人と同じ量を飲んだら、薬の働きが強く出すぎてしまう。また、体重だけでなく肝臓(かんぞう)など内臓の働きも大人と子どもは違い、薬の効き方に関係してくる。だから、決められた量を飲むことが大切なんだね。


太陽は何才?

星もだんだん年を取っていくのかな。太陽って何才なんだろう? 

A およそ5億才

B およそ50億才

C およそ500億才

正解(せいかい)はB。

太陽は、みんなが住んでいる地球などの惑星(わくせい)ができる前、今から約50億年前にガスやちりが集まってできたんだ。

太陽のような星が生まれるためには、ガスやちりに、周りより濃(こ)い部分、分子雲がなくてはならない。この分子雲(ぶんしうん)が強い力で押(お)し縮(ちぢ)められて、熱が外に出にくくなり、熱くなっていったんだ。どんな強い力が働いたのかは、今でもなぞだけど、爆発(ばくはつ)などが起こったと考えられている。そして、中心の温度が1000万度になった時、太陽が燃(も)え始めた。地球も、太陽ができた時の残ったガスやちりからできたと言われている。


年を取ると、困(こま)ることあるの?

年を取ると困ることの1つは、骨(ほね)が折れやすくなること。それを「骨(こつ)粗(そ)しょう症(しょう)」って言うんだ。

人間の骨は、カルシウムやタンパク質(しつ)でできていて、いつも新しい骨に作り変えられている。年を取ってくると、その働きが衰(おとろ)えて、骨の成長が鈍(にぶ)くなり、骨の中に隙間(すきま)が増(ふ)えてくるんだ。この隙間が多くなると、骨がスカスカになって折れやすくなってしまう。

だから、子どものうちからしっかりカルシウムを取ることが大切だ。牛乳(ぎゅうにゅう)やヨーグルト、小魚など、カルシウムが多い食べ物をたくさん食べて、運動して、強い骨を作ろう。


年を取ると、髪(かみ)の毛が白くなるのはなぜ?

なぜ髪の毛が白くなるのかについては、今でもなぞがいっぱい。髪の毛が白くなる仕組みは分かっていても、なぜ白くなるかは、はっきり分かっていないんだ。

髪の毛が黒いのは、メラニンが含(ふく)まれているから。メラニンは、動物の皮膚(ひふ)や体毛などにある、茶色や黒色の素(もと)になるものなんだ。このメラニンを含んだ細胞(さいぼう)が、血管(けっかん)から栄養を受け取りながらそのまま押(お)し上げられて髪を作るので黒く見える。でも年を取ると、このメラニンを作る力がなくなってしまい、どんどん黒色の素がなくなってしまう。だから、髪の毛が白くなるんだよ。


どうして人は死ぬの?

どんなに長生きしても、人間はかならず死ぬ。これには、老化が関係している。

みんなの体は、およそ約60兆の細胞(さいぼう)でできている。古い細胞をコピーして新しい細胞をつくり、古い細胞と新しい細胞を交換(こうかん)することで、体は成長しているんだよ。これをコントロールしているのが、それぞれの細胞の中にある遺伝子(いでんし)なんだ。ところが、年を取ると、新しい細胞を作り出す力がだんだん弱くなり、古い細胞が増(ふ)えてしまう。これが老化ってわけ。老化が進むと、シワが増えたり歯が抜(ぬ)けたりして病気にかかりやすくなり、体の働きが止まって、やがて死んじゃうんだ。


大人はどうしてひげが生える?

みんなの体は、小学校高学年位から中学校・高校位の間に、少しずつ大人の体になっていく。この時期を思春期といって、男女で違(ちが)った体の変化が起こるんだ。この時期、男の人の体に起きる大きな変化の一つが「ひげ」、なんだよ。

思春期になると女の人は胸(むね)が膨(ふく)らんで体に丸みが出てくるし、男の人はがっしりした体になってひげも生える。これは体の働きを保(たも)つためのホルモンがたくさん出てくるからだよ。ホルモンには男性(だんせい)ホルモンと女性ホルモンがあって、男性ホルモンは男の人を男らしい体つきにする働きがある。顔の小さなうぶ毛が成長して硬(かた)いひげになるのも、男性ホルモンの働きなんだ。


赤ちゃんのおしりにある青いあざは何?

赤ちゃんの背中(せなか)から腰(こし)、おしりに青いあざがあるの見たことない? あれは、お母さんのお腹(なか)の中で、人間の形に変わっていく間に、皮膚(ひふ)の色を作り出す細胞(さいぼう)が体全体に散らばっていったことを証明(しょうめい)するもの。

だから、赤ちゃんの時ほどはっきり目立って、年を取るほど消えていくんだ。おしりだけじゃなくて、手足にもあるんだよ。昔は蒙古斑(もうこはん)と呼(よ)ばれ、今は児斑(じはん)と呼ばれている。

このあざは、日本人だけにあると思われていたんだけど、実は白人にもある。でも、白人の場合、生まれる前に消えてしまうんだって。


「こどもの日」ってどういう日なの?

毎年5月5日は端午(たんご)の節句(せっく)。第二次世界大戦が終わった後の1948年から「子どもの日」として、子どもの幸せと成長を願う、国民の祝日になった。また、お母さんに感謝(かんしゃ)する日という意味もあるんだよ。

鯉(こい)のぼりを飾(かざ)る習慣(しゅうかん)は、子どもの幸せや成長を願う気持ちを形にしたもの。元々(もともと)は、中国から来たものなんだ。中国では、龍門(りゅうもん)という滝(たき)を上った鯉が、龍(りゅう)になって天に上ると言われている。そのため鯉は、立派に(りっぱ)に成長することのシンボルとされたんだ。江戸時代(えどじだい)の人が中国をまねて、鯉の絵を飾ったのが、鯉のぼりの始まりとされている。


生まれたばかりの馬の赤ちゃんが歩けるのはなぜ?

人間の赤ちゃんは、生まれてもすぐには歩けない。大体6か月位からハイハイできるようになり、1才位から歩けるようになる。でも馬や牛の赤ちゃんは、生まれてすぐに立って歩くことができるんだよ。どうしてこんなに違(ちが)うんだろう。

動物には生まれた時から、たくさんの敵(てき)がいる。馬の赤ちゃんは、敵が来た時に走れないと、大人になるまで生き残れないんだ。でも人間は、親が作った家の中で守られて育つよね。犬やネコの赤ちゃんも同じ。だから最初は歩けなくても大丈夫(だいじょうぶ)なんだ。


干支(えと)ってなに?

干支というと「今年はとら年だね」とか、「ぼくはうさぎ年生まれだよ」 とか、その年を表す12種類の動物をいうことが多いけど、本来の干支は、十干(じっかん)と十二支(じゅうにし)というものの組み合わせなんだよ。

十干と十二支は紀元前(きげんぜん)の中国で暦(こよみ)として使われ始め、その後日本に伝わったものだよ。
十干は「甲」「乙」「丙」(こうおつへい)・・など、もとは1から10までを数えるためのよび名。十二支は年ごとに当てはめた12種類の動物のよび名。12の漢字にわかりやすいように動物を当てはめて「子(ね=ねずみ)、丑(うし)、寅(とら)、卯(う=うさぎ)、辰(たつ=龍(りゅう))、巳(み=へび)、午(うま)、未(ひつじ)、申(さる)、酉(とり=にわとり)、戌(いぬ)、亥(い=いのしし)」という名前をつけたんだって。
中国では木星を大切な星だと考えていて、木星が12年で太陽を回ることから、12という数字が時間を考える基(もと)になっていたんだ。1年には12の月、1日には12の時間があると考えられ、それが12を基準(きじゅん)とする十二支の由来とされているんだよ。

干支は十干と十二支を甲子(「きのえ」「ね」)、乙丑(「きのと」「うし」)というように順に組み合わせて年のよび方とし、その組み合わせは60通り。60年でひとまわりして、また初めの組み合わせの年にもどるんだよ。

今では干支は、毎年の十二支の意味で使われることが多いけど、名前に使われ親しまれている例では、野球でおなじみの甲子園球場(こうしえんきゅうじょう)。完成した1924年が十干と十二支がそれぞれ最初の「甲」「子」の、縁起(えんぎ)がいいとされる「きのえね」の年だったので、甲子園と名付けられたんだよ。


人間は何歳(さい)まで生きていられるんですか?

どんな生き物も、細胞(さいぼう)という小さな小さな部品が集まってできている。細胞は「分裂」(ぶんれつ)といって、1つが2つに分かれて、分れた1つが元と同じ大きさになる、ということを繰り返して増えていくんだ。ケガをして皮膚(ひふ)が傷(きず)ついても、皮膚の細胞が分裂して生まれ変わり、いつの間にか治る。例えば髪(かみ)の毛が生えてくるのも、細胞が次々に分裂するからなんだ。

ところが、細胞は、分裂できる回数というのが決まっている。細胞の長い部品の一部が、分裂するたびに短くなって、ある回数以上分裂すると壊(こわ)れてしまうんだ。人の細胞では、40回から60回とされていて、それは110年から120年ぐらいの時間にあたる。つまり、人間は病気とかケガをしないかぎり、120年ぐらい生きられると考えられているんだ。それを「寿命(じゅみょう)」と言うんだね。

マウス(ネズミの一種)では分裂回数が14~28回で、寿命は約3.5年。とても長生きするゾウガメでは、80~125回も分裂をくり返し、175年もの寿命があると言われているよ。


なぜ爪(つめ)や髪(かみ)の毛が自然に生えるんですか?

爪にも髪の毛にも身体を守る役割(やくわり)があるからなんだ。

爪は硬(かた)いから骨(ほね)と同じカルシウムでできていると思いがちだけど、実は、皮膚(ひふ)や髪の毛と同じ「ケラチン」というタンパク質の一種でできているんだ。つまり、皮膚がある役割のために形を変えたものが、爪や髪の毛だというわけ。

爪は、指先を守って、物をつかんだりしやすくしている。指先ぎりぎりまで骨が出ていたら骨が傷(きず)つきやすくなってしまう。だから、指先までは骨がきていない。だけどそれでは指先がふにゃふにゃになって、物をつかめないね。そこで、皮膚の一部を硬くして指先を支(ささ)えるようになっているんだ。爪は皮膚の内側でどんどん細胞分裂(さいぼうぶんれつ)をくり返して、新しい爪を送り出している。だから1日に0.1ミリぐらいずつ、どんどん伸(の)びるんだね。

指先に付いていないと爪は役割を果たせない。ということは、指先より長くなった爪はもう役に立たないんだね。あまり爪を伸ばしておくと、すき間にばい菌(きん)が入ったり、ぶつかってはがれたりするから(痛い!)、手のひらの側から見て爪の先が見えるぐらいに伸びたら、切っておくこと。

爪の根元には半月のような白い部分があるでしょう。これが爪の赤ちゃん。生まれたばかりの姿で、水分が多く含(ふく)まれているから白く見えているんだよ。


髪(かみ)の毛はいつまでも伸(の)び続けるの?

髪の毛は、大切な頭を守る働きがある。何かに当たった時、クッションになって脳への衝撃(しょうげき)を抑(おさ)えてくれる。太陽の光に含(ふく)まれる「紫外線(しがいせん)」は、かっこいい日焼けの元になる光。だけど、頭の皮にずっと紫外線が当たっていたら、皮膚ガンという病気になってしまうことがある。髪の毛はそれも防(ふせ)いでくれているんだね。

言ってみれば、髪の毛は頭を守って「傷むのが仕事」。だからどんどん新しい髪の毛を作って生え変わらせないといけないんだね。

髪の毛は「毛根(もうこん)」と言われる根っこのところで盛(さか)んに細胞分裂をくり返して作られる。毎日100~200本ずつ生え変わって、毎月1センチぐらいずつ伸びると言われているよ。

でも歳(とし)をとって、毛根の細胞が活発に分裂できなくなると、抜けるスピードの方が早くなって、薄くなってきたりするんだ。髪が生える仕組みはまだ完全には分かっていないけど、血液(けつえき)の流れと関係があることは古くから知られている。2400年も前のギリシャのお医者さんでヒポクラテスという人が、「血管を広げることができれば、髪の毛は生えてくる」と書いているよ。

もう1つ、あまり知られていない髪の毛の役割がある。それは、不要な金属(きんぞく)を身体の外に捨(す)てること。髪の毛の「システィン」という成分には、金属と結びつきやすい性質(せいしつ)があって、うまく外へ運びだし、調節してくれているんだ。

ヒ素(そ)という金属の毒で殺されたと言われるナポレオンの髪の毛からは、ヒ素がたくさん見つかっているんだって!