リサイクルって何をすること?
このごろよく聞く言葉、リサイクル。でも本当はどういう意味なんだろう。
A ゴミを捨(す)てること
B 資源(しげん)として再利用(さいりよう)すること
C ゴミを燃(も)やすこと

答えはB。リサイクルっていうのは、いらなくなったモノから新しいモノを作って、もう一度使えるようにすることなんだ。いらなくなったものが生まれ変わるなんてスゴイでしょう?
いらなくなって捨てられたモノの中からリサイクルできるモノを取り出していったら、ゴミの量が減(へ)るから、ゴミを燃やすために燃料(ねんりょう)を使ったり、海や山の近くに埋(う)めたりしなくて済むんだ。自然を守るためにも、ゴミは少ない方がいいよね。
リサイクルにも種類がある
ゴミをへらすためにかぎりある資源(しげん)を何度も繰(く)り返し使うことをリサイクルって呼(よ)ぶんだけれど、正確(せいかく)に言うとやり方によって「リユース」と「リサイクル」に分かれるんだ。一体、どんな違(ちが)いがあるんだろうね。

「リユース」っていうのは、飲み終わった後のビールびんや牛乳瓶(ぎゅうにゅうびん)を洗(あら)って、壊(こわ)さずにそのままの形でもう一度使うこと。瓶の種類によっては、そうやって何度も何度も繰り返し使うことができる。壊れた家具や電気製品(でんきせいひん)を修理(しゅうり)して使うことも大切な「リユース」なんだよ。「リサイクル」っていうのは、缶(かん)や古い紙を原料にして新しい物に作り返すこと。ジュースなどが入っていたペットボトルから服ができたり、元の形とは全然違う製品ができることも多いんだよ。
リサイクルできるものは何?
リサイクルできる物には、どんな物があるのかな。それぞれどんな物に生まれ変わるんだろう。

紙の場合、新聞紙はもう一度新聞紙になる。コピー用紙はみんなの使っているノートやトイレットペーパーに変身するよ。お次は空き瓶(びん)。瓶には洗(あら)って繰(く)り返し使える「リターナル瓶」と、1回しか使えない「ワンウェイ瓶」がある。ワンウェイ瓶は、粉々(こなごな)にしてもう一度瓶を作り直すんだよ。最後は空き缶(かん)。スチールでできた缶は鉄板(てっぱん)などの鉄製品(てつせいひん)になるし、アルミでできた缶は自動車の部品になったりする。みんなの身近なところでは、食品トレイやペットボトルをリサイクルしたペンもある。いろんな物がリサイクルできるんだね。
リサイクルするために大切なことは?
A ゴミをいっぱい出す
B ゴミを自分で燃(も)やす
C ゴミを種類別に分けて捨(す)てる

正解(せいかい)はC。
リサイクルするのに一番大事なのはゴミをきちんと分けることなんだ。「交ぜればゴミ、分ければ資源(しげん)」なんていう言葉もあるくらい。プラスチックはプラスチック、空き缶(かん)は空き缶という風に、必ず分けて捨てよう。例えば空き缶の中にお菓子(かし)の包み紙や、かんだ後のガムなんかを入れるのはバツ。
それ以外にも、牛乳(ぎゅうにゅう)パックやペットボトル、空き缶はきれいに洗(あら)ってから捨てる方がいい。「もう一度使う」という気持ちを、いつも心の中に持っておくことが大切なんだね。
リサイクルしてできた物にはマークが付いている
みんなの家にリサイクルしてできた製品(せいひん)はあるかな? トイレットペーパー、ゴミ袋(ぶくろ)、定規(じょうぎ)、植木鉢(うえきばち)、軍手、ハンガーなんかもリサイクルで作れてしまう。おうちの人に聞いて、どんな物を使っているか、確(たし)かめてみるといいね。

リサイクルでできた製品があったら、マークを探(さが)してみよう。例えばノートや落書き帳など、古い紙をリサイクルした製品には日本の場合、「グリーンマーク」が付いていて、同様のマークを付けている国が他にもある よ。このマークはリサイクルしてできた製品を広めるために付けられたもの。みんなで資源(しげん)を大切に使おう。
缶(かん)は種類によって全然違(ちが)う
缶には2種類あるって知っているかな? ちょっと固い缶はスチール缶。ぎゅっと握(にぎ)ったらつぶれちゃう軟(やわ)らかいのがアルミ缶だ。ジュースの缶をよく見ると「アルミ」なのか「スチール」なのか、マークが付いているよ。

同じ缶でも、この二つはリサイクルの仕方が違うんだ。スチール缶はぺちゃんこにつぶされて、ビルを建てる時に使う鉄板(てっぱん)や鉄の製品(せいひん)に生まれ変わるよ。アルミ缶はつぶして溶(と)かしてから、もう1回缶にしたり、自動車の部品にしたりするんだ。アルミ缶を一から作るより、リサイクルして作った方が少ない燃料(ねんりょう)で作れて、お金も節約になるんだって。
古新聞はリサイクルすると何になるの?
お父さんやお母さんが毎日読んでいる新聞。読み終わった後工場に持って行けば、また新しい新聞を作ることができるんだ。

捨(す)てられた新聞紙は製紙工場(せいしこうじょう)へ運ばれる。そこで一度溶(と)かされて、また新しい紙に生まれ変わるんだ。新聞紙以外の紙もリサイクルできるよ。雑誌(ざっし)は、靴(くつ)や洗剤(せんざい)などの箱になる。ダンボールはもう1回ダンボールになる。コピー用紙はティッシュやトイレットペーパーになるっていう具合。
冷蔵庫(れいぞうこ)を捨(す)てる時はどうする?
冷蔵庫やテレビなどの電気製品(でんきせいひん)もリサイクルしないとゴミは増(ふ)える一方。冷蔵庫もちゃんとリサイクルできるんだよ。リサイクルのルール、知っているかな?
A 資源(しげん)ゴミの日に出す
B 冷蔵庫を作っている工場まで持っていく
C お店の人に持っていってもらう
正解(せいかい)はC。普通(ふつう)のゴミの日に出しても、持って行ってくれないんだ。冷蔵庫を捨てる時には、電気製品を売っている店などにお金を払(はら)って引き取ってもらう、という決まりになっている。この決まりを「家電リサイクル法」っていうんだよ。冷蔵庫だけじゃなく、テレビ、エアコン、洗濯機(せんたくき)でも同じなんだ。
なぜそんな決まりがあるかというと、ズバリ、リサイクルするため。テレビや冷蔵庫は工場で、アルミならアルミ、ガラスならガラスなど材料ごとに分けられて、もう一度生まれ変わるんだ。資源を大切にするための決まりなんだね。
リサイクルされた商品ってキレイなの?
リサイクル商品って元々(もともと)は、一度使った物からできた物。でも全然汚(よご)れてなんてないんだよ。
例えば、みんなが捨(す)てた古い紙からできた再生紙(さいせいし)ノート。これは紙を作る工場で溶(と)かして、色を抜(ぬ)いてからもう1回紙にする。ペットボトルや瓶(びん)も同じ。工場できれいに洗(あら)ってから、どろどろに溶かして、また固めるんだ。始めから作る時だって、材料をきれいにしたり、溶かしたり、固めたりしなくちゃできないんだから、同じなんだよね。

でもちょっと注意してほしいんだ。ノートの白さを「白色度」っていうんだけど、知ってるかな?真っ白なノートは「白色度100」、少し黄色いノートは「白色度70」。
工場できれいに洗う時、洗剤(せんざい)や薬品を使っているんだけど使う量を減(へ)らしてできたのが「白色度70」のノートなんだよ。
少し黄色いノートの方が、環境(かんきょう)にはいいんだね。目にも優(やさ)しい感じがすると思わない?これからノートを選ぶ時、「白色度」を探(さが)してみよう。
食べる時にもリサイクルってできるんだ
いつもなら捨(す)てちゃうお魚のしっぽや野菜の皮を使ってお料理を作ることを「エコクッキング」って言うんだ。簡単(かんたん)に作れるおやつを2つ紹介(しょうかい)するから、一度家で作ってみよう。
◆エビせんべい
エビのしっぽをよくたたいて、伸(の)ばす。油でからっと揚(あ)げる。熱々(あつあつ)のうちに塩をふりかけて、でき上がり。

◆カキのかわのデザート
果物の柿の皮180グラム、水200cc、奈良漬(ならづけ)20グラムをミキサーにかける。水でふやかしたゼラチンと混(ま)ぜて火にかけ、ゼラチンが溶(と)けたら型に入れて、冷蔵庫(れいぞうこ)で冷やして、固まったらでき上がり。皮を使うメニューは、できるだけ薬品を減(へ)らして育てた果物がいいよ。

ほかの国のリサイクルってどんなの?
リサイクルはゴミの量を減(へ)らすだけじゃなく、地球上の限(かぎ)りある資源(しげん)を守るのに役立っている。だから世界中の人が工夫(くふう)したり協力したりしているんだよ。じゃあ外国ではどんな風にリサイクルしているんだろう。ジュースの入れ物のリサイクル方法を比(くら)べてみよう。
ドイツでは、洗(あら)えば何回でも使える「リターナブル瓶(びん)」がほとんどで、町のあちこちで瓶を集めているんだ。スウェーデンもほとんどがリターナブル瓶。お店に瓶を戻(もど)すと、瓶の分のお金が戻ってくる仕組みになっている。デンマークでは、全部リターナブル瓶。新しい瓶を作るにはお金がかかるから、同じ瓶を繰(く)り返し使う努力をしているんだよ。
ペットボトルのリサイクル
みんながよく使っている水やお茶やジュースのペットボトル。リサイクルすると、いろんな物に生まれ変わるんだ。どんな風に変身するのか見てみよう。

まずペットボトルはリサイクルセンターに運ばれるんだ。そこでペットボトルでない物が交ざってないか確(たし)かめて、運びやすいように少しつぶす。この時に、飲み残しがあったら、とっても臭(くさ)くて大変。きれいに洗(あら)っておくと、リサイクルセンターの人も喜んでくれると思うよ。
それからリサイクル工場へ運ばれる。きれいに洗って色ごとに分けてから、小さく砕(くだ)くんだ。細かくなったペットボトルのかけらは、プラスチック製品(せいひん)を作る工場で材料として使われる。ファイルや定規(じょうぎ)、カーペットやティッシュ、シャツやズボンにも変身するんだよ。洋服になるなんて驚(おどろ)きだよね。