77. 社内演芸大会を実施 1944年(昭和19年)

昭和19年に入り、ビルマでのインパール作戦も惨敗に終わり、続いてマリアナ沖海戦で完敗、西太平洋の制海権を失った。7月、サイパン島でも壮絶な戦いの末、3万余りの日本軍将兵と1万の市民の生命が失われた。

軍はなお強気の作戦を進め、決戦体制を強めたが、国民は食糧の枯渇による窮乏生活の中で、疲労の極に達し、士気も低下した。

このとき、社主は、全従業員の士気を盛り上げるためには、「こんなときこそ、明朗な心の糧が必要である」との見地から、盛大な社内演芸大会を開くことにした。企画、演出はもちろん、出演から舞台装置まで一切を従業員自らの手で行うのである。この大会は、昭和19年9月29日から10月6日まで8日間、大阪の北野劇場(当時の海軍会館)を借り切って開催された。戦時下、暗うつな日々を送っていた従業員とその家族の間に久しぶりに明るい笑いが戻り、明日への希望もわいた。