112. ロサンゼルス市で歓迎される 1963年(昭和38年)

「世紀のパーティー」に出席した後、夫妻は、アメリカ滞在中に、パナソニック製品のディーラーやアメリカ松下電器の従業員から心温まる歓待を受けた。夫妻は、これらの人々とのなごやかな懇談を通して、国は変わり、言葉は変っても、松下電器の考え方に共鳴し、真剣に働いてくれていることがひしひしと感じられ、非常な喜びを覚えた。

5月15日、ロサンゼルス市を訪問した際には、市長から、これまでに経験したことのない形で迎えられた。市長は、市庁舎に記者を集めて、「5月15日を松下幸之助デーとし、この市の全員が一致して尊敬の意を表することを宣言する」と発表し、夫妻に宣言文を贈呈したのである。

それには「この人は自分自身の成功だけに満足せず、PHP研究所を設立して“繁栄がすべてに恩恵をもたらす”というゴールを目指している」とあった。

夫妻は、予想外のことで驚いたが、こうしたユニークな歓迎ぶりの中にもアメリカの国民性を見る思いがして感動した。