114. NHKで池田総理と対談 1963年(昭和38年)

昭和36年末、「文芸春秋」誌上で、池田内閣が進めていた所得倍増計画に警鐘を鳴らした会長は、昭和38年8月29日、NHKの特別番組「総理と語る」で、池田勇人総理と対談する機会に恵まれた。この番組は、テレビとラジオで、午後7時半から1時間にわたって放送された。

対談は、会長の「庶民の立場でお話し願いたい」との言葉で始まり、物価問題、道徳問題、人づくり、政治の生産性などの、当面している課題が話し合われた。

その中で、会長は、衣食足って礼節乱れるような昨今の社会情勢に触れて、物の豊かさの追求ばかりではなく、精神的な教育の必要性を強調した。また、人づくりは国家の将来にとって欠かせないが、そのためには、国として理想の人間像をもつべきであると提言した。

この番組で、国民の1人として率直に意見を述べる会長に対して、池田総理も終始なごやかに所信を述べ、視聴者に感銘を与えた。