123. 週5日制を実施 1965年(昭和40年)
5年前に発表された「週5日制」を実行すべき昭和40年となったが、前年来の不況の深刻化で、楽観をできない状態であった。松下電器は、画期的な新販売制度を発表、社運をかけてその推進に懸命の努力を続けていた。
そうした中で、松下電器が計画通り週5日制を実施するについては、社外はもちろん従業員も疑問視する向きが多かった。しかし、松下電器は、この年4月16日から、週5日制に踏み切った。
翌4月17日、会長は在阪幹部を本社講堂に集めて、「2、3年前から警告してきた“経済国難”に、今直面している時に、われわれは週5日制を実施するのである。これは容易ならないことである。このことをよくわきまえて、先輩国のアメリカ以上に合理的経営を生み出す決意で臨んでいただきたい。そして、日本を一挙にアメリカに近づけるその先達を松下電器が担うのだという意気込みでやってほしい」と訴え、全員の自覚と奮起を促した。
この週5日制は、その後「1日教養、1日休養」のスローガンのもとに急速に浸透し、従業員の勤労意欲と能率の向上に大きな役割を果たした。