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ファンと共に創った

ノートパソコン「レッツノート」

1996

まだモバイルという言葉が一般的ではなかった1995(平成7)年、「レッツノート」の前身である「Pronote jet mini」というB5サイズのノートパソコンが発売された。当初からモバイルユーザーを意識して開発され、当時の世界最小・最軽量を実現したパソコンだった。しかし、この製品は、一部のパワーユーザーからは高く評価されたものの、あまり売れなかった。次のパソコンを模索していた開発陣は、「Pronote jet mini」が売れなかったのは、高価格が理由だと考えていた。だから、次の製品では、液晶を小さくし、CPU(中央演算処理装置)のランクも下げて価格を抑えようとした。

しかし、お客様の反応は違っていた。当時から「miniの部屋」というWEB掲示板でお客様の声を直接聞いていた開発陣が、次の製品の企画をこの掲示板に投げかけると、「最新のプラットフォーム、最新のデバイスを外に持ち出して使うことに意義がある」という声が返ってきた。この声をもとに、当時としては最高の性能を追求したノートパソコンの開発を進めた。ターゲットは最新のプラットフォーム、最新のデバイスを使いこなすパワーユーザー。彼らが最高の性能を気軽に屋外に持ち出せるモバイルパソコンをめざした。

1996(平成8)年、1号機のAL-N1が完成。「世界のビジネスパーソンのカバンに、紙のノートのように収まりがよく、持ち運べるパソコン」という意味を込めて、レッツノート(Let’s note)と名づけられた。初代レッツノートは、Intel Pentiumプロセッサ(120MHz)、10.4インチTFTカラー液晶、810MBHDDを搭載しながら、業界最軽量の1.47kgを実現している。

当時の市場では、世界中の名だたる先行メーカーが凌ぎを削り合っていた。その中で、レッツノートは完成度の高さを評価され、一躍注目を浴びる。発売と同時に人気が集中し、売り切れ店が続出する人気モデルになった。この成功によりレッツノートの開発陣は、お客様との率直なコミュニケーションがいかに大切であるかを確信したという。お客様に「パソコンに求めるもの」を教えていただき、そこにパナソニックの技術力を合わせて開発すれば、良い製品が生まれ、事業は成功する。
「レッツノート」は、その後も、お客様の声を聞き、お客様の望まれるもの、お客様のお困りごとを解決するものを作るという姿勢を貫きながら、ラインアップを拡大していった。四半世紀を経た現在も、モバイルパソコンの定番としてのポジションを保ち続けている。

「レッツノート」はモバイルでも在宅ワークでも大活躍

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