磁気テープからディスクへ

DVDプレーヤ

登録年:2020年
登録番号:00296
品番:DVD-A300
製作者:松下電器産業株式会社
製作年:1996年

登録基準:
1.-【ロ】国際的に見て日本の科学技術発展の独自性を示すもの
2.-【イ】国民生活の発展、新たな生活様式の創出に顕著な役割を果たしたもの

DVDメディアの「2層貼り合わせ技術」

磁気テープを使ったビデオテープレコーダ(VTR)が一般家庭に普及した1985年頃、音楽業界では大変革が起きようとしていました。1982年に開発されたコンパクトディスク(CD)が普及し始め、レコード、カセットテープなどの音楽メディアを猛追していたのです。同年にCDプレーヤを発売していた当社も、手軽に扱え、曲の頭だしが容易、しかもデジタル方式で高音質の光ディスク(CD)の可能性を肌で感じており、いずれビデオの記録メディアも磁気テープから光ディスクに変わることは必然であると予測していました。

しかし、音楽データだけでも74分間しか記録できないCDではとても映像を記録・再生することはできません。そこで、技術者たちは、大容量データを記録・再生する新たなメディア(DVD=Digital Versatile Disc)と、音声・映像をデジタル化して書き込みや読み出しを行う技術の開発に着手。1991年から東芝との共同開発をスタートしました。

翌年、米国ハリウッドのタイムワーナー社から東芝に、映画1本を丸ごと記録できる大容量映像メディア開発の話が持ち込まれたことにより開発が本格化します。CDと同じ直径120mmのディスク内に、最低でも133分の記録時間というハリウッドからの要望を満たすため、当社は0.6mmの基盤を同方向に2枚貼り合わせて2層化し、記録容量を増やす技術を開発しました。このディスク構造を東芝ほか数社とともに「SD規格」として提案。この物理フォーマットと、ソニーほか数社が提案した「MMCD規格の変調方式」が組み合わさり、1995年に「DVD規格」が誕生しました。

当社は、1996年11月にこの規格に準拠した、世界初のDVDプレーヤ「Dream」DVD-A300を発売。
市場展開するとともに、ハリウッド近郊に開発拠点を置き、オーサリング装置やディスク検証ラインも開発し、DVDの普及を図りました。テープダビングがディスク製造に置き換わる。これにより、映画ソフトの業界では、製造・流通の両面で大幅なコスト低減が実現しました。

独自開発のツインフォーカスピックアップを搭載し、音楽CD、ビデオCDの再生も可能にしたDVD-A300は、当社が家庭用VTRで培った洗練された操作性で、DVDが秘める豊富な機能を引き出し、その後の製品開発の手本になりました。

*同じく1996年11月に、東芝より発売されたDVDプレーヤ「SD-3000」も、同年度に未来技術遺産に認定されています。

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