エクステリア性も重視した「ちいサイズ」
横置きスクロール圧縮機搭載
ルームエアコン コンパクト室外機
登録年:2021年
登録番号:00305
品番:CU-G25V
製作者:松下電器産業株式会社
製作年:1993年
登録基準:
2.-【イ】国民生活の発展、新たな生活様式の創出に顕著な役割を果たしたもの
1980年代が終盤を迎える頃には、エアコンが「一家に一台」から「一部屋に一台」にまで普及し、屋外に置かれる室外機の振動や騒音、景観破壊などが問題視されるようになってきました。
そんな状況を察知した当社のエアコンの研究部門が、1988年の技術展(社内)に、「夢のエアコン」として2分の1サイズの室外機を提案すると、大きな反響を呼び、事業部門から商品化の要望が殺到。これが開発スタートのきっかけでした。
しかし、「夢」として提案した商品であり、2分の1サイズで現行品と同じ性能を実現するための要素技術開発は、まだほとんどできていません。多くの苦難が待ち構えるなか、開発部隊は“室内も室外も「ちいサイズ」。ダブルコンパクト”をコンセプトに掲げ、本体構成の見直しと、新要素技術の開発に着手したのです。
当社は、ロータリーコンプレッサと比べ、振動が約10分の1、音も10デシベル小さい縦置き型のスクロールコンプレッサ(圧縮機)を所有していましたが、「ちいサイズ」実現のため発想を転換し、縦置き型を横置き型に変更。また、コンパクトになってもこれまで以上の性能が確保できる熱交換器や、豊かな風量を確保しつつ3デシベルもの静音化を実現するファンも開発しました。さらに、何十種類もの遮音材や防音材を検討し、最適な防音仕様を確立しました。
こうして、1993年に商品化されたコンパクト室外機は、従来型と比べ容積約25%減、必要設置面積約34%減、重量も約7%減を実現し、ベランダなどの狭い場所への設置が可能になりました。また、デザインにおいてもスマートな外観を実現。従来機に見られた目玉を連想させる野暮なスタイルではなく、しかも、これまで以上の性能が発揮できる、空力特性を追求した千鳥格子のグリルを考案、さらに配管カバーや設置置台などのデザインに統一性を持たせて、美しい設置を実現しました。
以降、室外機のコンパクト化は業界のトレンドになり、当社も高級機から普及機までコンパクト化を推進していきました。
マイクロフィルムの図面
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