なぜ救急車(きゅうきゅうしゃ)の音は、前を通り過(す)ぎると変わるの?
ピーポーパーポーって救急車がやってくる。目の前を通り過ぎた途端(とたん)、サイレンの音が変わったってことない? 気のせいなんかじゃなくて、これにはちゃんとした理由があるんだ。
音が高く聞こえるか低く聞こえるかは、音を伝える空気の波の揺(ゆ)れる回数で決まる。揺れる回数が多ければ高い音、少なければ低い音だ。救急車のサイレンが近づいてくると、空気の波が押(お)されて揺れる回数がどんどん増(ふ)えて、大きく高い音に聞こえる。目の前を通り過ぎると、空気の波は遠くなって、揺れる回数も減るから小さく低い音に聞こえる。自分を中心に、音は高い音から低い音に変わるんだ。これをドップラー効果(こうか)と呼(よ)ぶんだよ。