リミックス 本来のレコードプレーヤーとしての面影を残しつつ、絵で音楽を奏でるインタラクティブなステレオとしてリデザインしました。その絵はどんな音を奏でるでしょうか。あなたの絵を描き、そして聴いてみてください。過去、現在、絵を描くあなた、 時代を超えた想像力のミックスがはじまります。

デザイン本部 FUTURE LIFE FACTORY のデザイナーが、60年前のステレオを現在のテクノロジーと融合させてリデザイン。本来のレコードプレーヤーとしての面影を残しつつ、絵で音楽を奏でるインタラクティブなステレオが誕生しました。生まれ変わった製品とともに、過去のデザイナーとの対話の中で、現在のデザイナーが発見したこと、感動したことなども紹介しています。

写真:実際に展示されている「リミックス」
「リミックス」の展示風景
写真:「リミックス」が音楽を奏でる様子
手書きのレコード盤をカラーセンサーが読み取り、音楽を奏でる
写真:実際に展示されているレコード盤
子どもから大人まで、それぞれの感性で描かれたレコード盤を掲示
写真:実際に展示されているチューナーアンプ
チューナープリアンプ
写真:実際に展示されている「リミックス」のプロトタイプ
プロトタイプ(本番想定)
写真:実際に展示されている色の選定に使う用紙
色の選定

倉庫の片隅に眠っていたステレオとの出会いが、すべてのはじまり。
威厳さえ感じられるそのたたずまいは、私たち現代のデザイナーのソウゾウ力を大いに刺激しました。
1960年代初頭に発売されたキャビネット家具調ステレオ、見つかったのは、レコードプレーヤー部分が失われた状態。
しかし、そのつくりは堅牢で驚いたことに、スピーカーがしっかりと鳴ったのです。
そこから、過去の作り手との対話がはじまりました。
あらゆるものがデジタル化される現代改めてフィジカルでタンジブルな“ モノ”の価値を伝え
デジタルとフィジカルの交差する未来を問う。
過去へのリスペクトとともに、未来へと繋ぐ新しい価値創造の試みをご覧ください。

FUTURE LIFE FACTORY とは

「これからの豊かなくらしとは何か」を問い直し、具現化していくパナソニックのデザインスタジオです。
ユーザーの課題解決や、テクノロジーを中心に置いた従来の商品開発だけでなく、未来洞察を基にした、
人々の価値観の変化や社会課題を起点としたクリエイションが大きな特徴です。
従来の常識にとらわれない発想で、新規事業の種や未来のくらしのビジョンを世に問いかけています。

FUTURE LIFE FACTORY

ナショナルスーパーフォニックステレオ HE-3000との対話

MICHAEL SHADOVITZ シャドヴィッツ マイケル キャビネットは家具といっても遜色ないほどしっかり作りこまれていて、木工職人とエンジニアの技が見事に調和しています。 お互い譲れない部分があったのだろうか、 この中に収めるためにこの部品は工夫されたのだろうか、部品の一つ一つもとてもしっかりしていて、まるで日本の工芸品を見ているような感覚になりました。
KEITA SUZUKI 鈴木 慶太 一つのダイヤルを二重構造にし、二つの機能を持たせるような、今のオーディオ機器や家電ではほとんど見ない機構に新鮮な驚き。もしかしたら、デジタル化によって失われたフィジカルなユーザーインターフェイスが、他にも数多くあるのかもしれません。
RYUJI INOUE 井上 隆司 エンジニアリングの工夫の数々に感動、これは開けてみて初めて分かったこと。例えば光の強弱で音の広がりを演出するインジ ケーター、そのアイデア自体も面白いけれど、豆電球自体を上下に動かし実現しているというアナログさ。今ならLEDの基板一つでできてしまうようなことですが、その時代ならではの発想の自由さが垣間見えて、とても刺激的です。
DAICHI KAWASHIMA 川島 大地 スピーカーから初めて音が鳴ったとき、その重低音の迫力は想像を超えていて鳥肌が立ちました。1960年代のアンプを通して聞く2021年のコロナ禍のニュースは、なんとも不思議な感じ。今の情報が昔のデバイスを通して鳴るのは当たり前なのですが、なんだか時空がゆがんだ感覚を覚えました。
KEI OGAWA 小川 慧 レトロな曲をかけると、やっぱりこのスピーカーの音ととてもマッチする。もしかしたら、ステレオの性能は作曲家の音作りに影響を与えているのかもしれない、そんなことを考えました。
TOMOAKI INO 井野 智晃 60年代の人がこのステレオで音楽やラジオを聴くことは、今とは違いもっと特別な時間や体験であったはずです。一家団欒で楽しんだり、少ない音の情報から色々なことを想像したり。そんなただ音楽を聴くだけではない特別なワクワクする時間、体験をHE-3000を使って今の時代に呼び起こしたいと考えました。
パナソニック ミュージアム