アルケミストインタビュー

アルケミストインタビュー

ユービィさん

小学5年生(第1期生、1ー4期活動中)

ピタゴラスイッチが大好きなクリエイター。自称ピタゴラスイッチマン。第3期では、得意な数学の知識を活用しデジタルとアナログを組み合わせた、大人も子どもも楽しめる圧巻のカラクリ装置をつくりあげた。

僕の情熱のもとはピタゴラスイッチ

ー ユービィさんは、アルケミストJr.の第1期と第2期ではオリジナルのピラゴラ装置、そして第3期の今回はカラクリ装置を作りましたね。ユービィさんがカラクリを好きになったきっかけは何かありますか?

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左の写真が第1期、右の写真が第2期に制作したピタゴラ装置。レーザーカッターや3Dプリンターを使ってパーツを作り、カラクリのアイディアを実装した。

やっぱり、きっかけは小さいときから見ていたEテレのピタゴラスイッチ*1という番組です。これまでピタゴラ装置を作ってきたので今回もやろうかなと考えていたときに、ピタゴラスイッチの『箱のすけ*2』をテレビで見かけたり、『ツクランカー*3』という番組でもカラクリをやっていたりして、一気にカラクリへの興味が湧いてきました。「カラクリめっちゃ面白い!」と思って、自分でも作ってみることにしました。

カラクリを作ってみて、ひとつの「回す」という動きだけで、いろんな動きができることが面白いなって思いました。ピタゴラスイッチが、僕の情熱のもとになっています!

 

*1 4~6歳児を対象にした「考え方」を育てる番組。ふだんの暮らしの中に隠れている面白い考え方、不思議な構造、法則を発見していくことで、個別の事象から抽出した「概念」へ認識を広げていく。
*2 NHK教育テレビ(Eテレ)で放送されている、生活の中にかくれて気づかれない、不思議な法則や構造、おもしろい考え方を、歌、体操、ピタゴラ装置など多彩な企画の一つ。
*3 NHK教育テレビ(Eテレ)の、STEAM教育を実践し、科学・技術・工学・アート・数学など幅広い分野で子どもの問題解決能力を育む新しい教育番組。

 

失敗も面白い!チャレンジすることが大事

ー ユービィさんの作品は、未就学の子どもから大学生や大人まで全員が楽しめていてすごいなと思っているのですが、第3期はいかがでしたか?大切にしたことはありますか?

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6つの箱それぞれに違うカラクリがしこまれていて、上の棒のようなパーツがそれぞれ色々な動きをするという作品。距離センサーも使い、ある場所に手をかざすと、6つのカラクリが同時に動き出すようになっている。

今回の作品は、6種類同時に動いているところに感動して、自分でも今までで一番いいな!って思っています。同じような運動方向に見えても動きは微妙に違う、ということを実現できて嬉しかったです。

中でも面白かったエピソードがあって。カラクリのなかのカムっていう部品の位置を間違えて設計しちゃって、どうしようと思いながら試しに動かしてみたら、めちゃめちゃ不規則で面白い動きをしていたんです!「いいやん!」と思ってそのまま採用することにしました。失敗だと思ったのに、結果的に大成功して面白かったです。ただ、悔しかったこともあって。かなり修正を繰り返したのに直しきれなかった部分がありました。修正できないっていうのはかなり悔しかったです。

僕は、とりあえず作ってみたらすごい上手くいったっていうことがよくあるので、チャレンジすることを大事にしています。Try & Try & Errorです!

カラクリを作って楽しむワークショップをやってみたい

ー アルケミストに通うようになって、気持ちの面とか、つくる作品の方向性とか変化したことはありますか?今後やってみたいこともあったら教えてください。

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一番大きい出来事は自分のお金で3Dプリンターを買ったことで、作品づくりに使ったり、壊れかけていた家具の部品を作ったりしました。それからピタゴラスイッチの見方も変わって、仕組みのネタ集めとして見るようになりました。今後は、第1期のころから考えていたワークショップをやってみたいと思っています。カラクリって本当に面白くて、見るだけじゃなくて作るのも面白いので、ぜひみんなにも味わって欲しい!

将来の夢は決まってないんですが、プログラミングも得意なのでプログラマーになれるかな?って思っています。アルケミストではアナログなものばかりを作ってますが、実はデジタルの方が得意なんです。アナログもデジタルも楽しいから、両方やっていきたいな。

プログラムに参加して[保護者の方から]

ー 第1期から9ヶ月間アルケミストプログラムにご参加いただきましたが、いかがでしたか?ご家庭での変化もあればお聞きしたいです。

ユービィは幼稚園にあがる前からピタゴラ装置が好きで、今回の作品はこれまでの蓄積もあって、どこかに展示してあっても見劣りしないと思える出来栄えで、親としても「遂にここまできた」という満足感があります。

アルケミストプログラムに通うようになって、自ら数学を学ぶ姿が見られるようになりました。作品の設計を考えるときに、三平方の定理が分かれば辺の長さがわかる、三角関数が分かれば角度がわかると、自分から「数学を勉強したい!」と言って学んでいました。もともと算数は得意で、リスーピア*4も大好きでずっと通っていて、今回ものを作ることによって数学の知識が活かせると気づいてくれてとても嬉しいです。

 

*4 パナソニックセンター東京が2006年~2020年まで運営していた、理数の魅力と触れ合うための  体験型ミュージアム。AkeruEはリスーピアの後継施設として誕生。



ー ユービィさんの学びに関して意識していることや、将来はこんなふうに育ってほしいなど、お考えのことがありましたらお聞かせください。

日常生活では、没頭している時間に伸びると思うので、集中しているときに邪魔しないようにしばらく観察したり横で褒めたりしながら、本人がどこまでやり遂げるかを見守るようにしています。将来は、自分の特技を活かして自分が好きなことを楽しめている人になってくれたら嬉しいですね。何よりも、自分が楽しくて幸せな状態でいてくれたら幸せです。

聞き手/鈴木順平 AkeruEプログラムディレクター/アルケミストプログラムエデュケーター

撮影/中里亜純 AkeruEグラフィックデザイナー/アルケミストプログラムファシリテーター

ライター/長谷川菜月 アルケミストプログラムファシリテーター

 

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