このように対向DMRによってC社製スマホ(+PU+)の挙動が異なる原因は、各DMRから受け取る「状態」が異なるためです。 A社製テレビ(DMR)は再生できない状態を「ERROR_OCCURRED(エラー発生)」、B社製BD-Player(DMR)は「NO_MEDIA_PRESENT(再生可能メディアなし)」という文字列で表し、いずれもDLNAで規定された表現ですので、規格違反ではありません。 一方C社製スマホ(+PU+)の仕様として、「ERROR_OCCURRED」の場合はすぐにエラー検知できますが、「NO_MEDIA_PRESENT」の場合には、その後再生に成功したことを示す「PLAYING」という状態が通知されるかもしれないため、すぐにエラー検知ができないのです。
しかし、3分間もの間、片方ではエラーメッセージが表示されているにも関わらずもう片方では「しばらくお待ちください」という状態不一致が発生することは、お客様にとってはとても不親切な仕様だと考えられます。 そのため、C社製スマホ(+PU+)の対応として、「NO_MEDIA_PRESENT」を受信した場合のエラーメッセージを表示するまでの時間を3分から30秒に短縮することにより、お客様をお待たせする時間を少しでも短縮するように修正しました。
これらのような対応を、事前に発売前の製品の仕様に組み込むことにより、発売後に他社製品との接続性不具合が発生するリスクを最小限に抑えることを可能としています。
このように、たとえDLNAの規格に準拠していても、メーカーごとに実装の仕様が異なることにより、相互接続性に問題が起こる場合もあります。 仮にいずれか数台のみとの確認で留まった場合、「DLNA準拠」の条件は満たしているにも関わらず、すでに発売されている他メーカーの製品との間でうまくコンテンツ共有できない危険性もありえるということです。事前に何台もの製品と互換性検証を行うことによって、市場におけるDLNA品質が格段に向上することは間違いありません。
これまでの数百台という互換性検証の結果、当部署では各メーカーで発生しうる接続性不具合をノウハウとして蓄積しており、開発初期の仕様策定の段階から不具合を発生させないための仕様提案を行っております。
DLNA互換性検証に関してご興味・ご質問などございましたら、お気軽にお問い合わせ下さい。