実験番号032 蓄音機を作ってみよう!

自分の声が身近なもので録音できて、その声を聞ける!? レコード盤はクリアファイル。レコード針はカッターナイフの刃。 マイクはプラカップ。さあ、挑戦してみよう!

蓄音機

今音楽をきく時、配信やCDが主流で、レコードで、という人は限られているけど、レコードにつながる録音の原理は19世紀にエジソンが発明したんだよ。 その原理は、「声の振動を伝える針が溝を作ることで声を記録し、その溝を針がなぞると記録した声が聞こえる」というもの。 エジソンは声の振動を円筒に針できざむ方法を考え、初めて声の録音と再生に成功したんだよ。今回の実験では、円筒のかわりにクリアフィルムを使った円盤状シート、針のかわりにカッターナイフの刃。そしてマイクはプラカップを使用。 ホントにできるの?という実験で、実はちょっとむずかしい。だけど、エジソンが19世紀に録音技術開発に成功した感動を体験してみたい、というきみにオススメだよ!

実験で使うものをチェックしよう! 使うもの  プラカップ  コップホルダー  クリアファイル数枚(A4サイズ)  押しピン  丸はし(大きい目玉クリップの穴に通る直径のもの)  カッターナイフの刃(幅1.8ミリ) カッターナイフ  木の板(23×32センチ前後)  ビニールテープ  ガムテープ  ハサミ  油性ペン 目玉クリップ(大きいサイズ2個 小さいサイズ1個)  おもしにする乾電池など 

材料集め

ほとんどの材料は、おうちの中にあるものや100円ショップ、インターネット、ホームセンターなどであつかっているものだよ。おとなの人と相談して材料を集めてみよう!


注意!

※カッターナイフを使う時は、手を切らないように気をつけよう。
※カッターナイフの刃をはずす時は、おうちの人にやってもらおう。

やり方(1)~(6)の順番にやってみよう!を押すとつぎのページがみれるよ!

やり方(1)①コップホルダーの底面がある場合は、底面から1センチくらいのところをカッターナイフでカットし、コップホルダーにプラカップをセットします。 ②プラカップの底の中央に、1.8ミリ幅のカッターナイフの刃をガムテープでしっかりととめます。   ここまでわかったら、>ボタンでつぎのページをみよう!

コツがあるよ!

  • プラカップとカッターナイフの刃をガムテープなどでしっかり安定させることがポイント。木の板を水平にすること。(大きな目玉クリップで木の板をはさんでいるのでその部分はテーブルの外に出すなど)
  • カッターナイフの刃に適度な重さをかけることがポイント。録音する時はコップホルダーの持ち手部分におもし(乾電池など)を乗せ、再生する時はおもしをはずすか軽いものにする。
    またはプラカップを回して録音の時はカッターナイフの刃の角度を深くし、再生の時は角度を浅くするなど。
実験のポイントはココ!   プラカップとカッターナイフの刃を安定させること、 カッターナイフの刃に適度な重さをかけることがポイントだよ。
どうして?  うまく録音再生できたかな?   どうして声を録音したり再生したりできるのか、くわしく説明するね。 プラカップに声が入ると、声で振動が起こる。その振動がカッターナイフの刃に伝わり、クリアファイルで作った円盤状シートなどに音の溝をきざむんだ。その時の溝の波の形は、ゆれ幅や波の間隔が音によっていろいろなんだよ。 再生の時は、録音の時と反対に溝の波がカッターナイフの刃を振動させる。振動がプラカップに伝わり、プラカップが音を出すんだ。その時の音は、録音した時の波の形を再現するので、同じ音になるんだよ。  エジソンが声の振動を円筒に巻いたスズのうすい膜に針できざむ方法を考え、初めて声の録音と再生に成功した蓄音機の発明が1877年。その時まで、人類は音を記録する方法をもっていなかったということなんだ。 エジソンのその発明は「話す機械」として評判となったんだけど、その後電話機開発をしたベルが改良を重ねたり、ベルの会社にいたベルリナーが針の振動を円盤にきざむ方法を用いてレコード開発に結びつけていったりなど、蓄音機はどんどん進化していったんだよ。

どうしてこうなったか?わかったかな?では、次の実験にチャレンジしてみよう!