「グループDEIフォーラム 2021」開催レポート

写真:「グループDEIフォーラム 2021」の様子。スタジオに司会者と5人の登壇者が着席し、背景にある大きなスクリーンにオンライン参加の社員の顔が複数並んでいる。 写真:「グループDEIフォーラム 2021」の様子。スタジオに司会者と5人の登壇者が着席し、背景にある大きなスクリーンにオンライン参加の社員の顔が複数並んでいる。

パナソニックグループでは多様性推進の機会の一つとして、これまでも毎年、社内イベント「D&Iフォーラム」を開催してきました。2021年度からは、Panasonic Group DEI Policyの制定と合わせ、「グループDEIフォーラム」として展開をしています。

2021年は「話そう。気づこう。越えよう。」をスローガンに、一人ひとりがDEIについての理解と共感を高め、行動につなげる機会とすることを目的として、パナソニックセンター東京をメイン会場とし10月の2日間にわたりオンラインで開催。約6,700人の社員がLIVE視聴を通じて参加しました。開催後はアーカイブ映像をグローバルのグループ各地域に配信しました。

※所属や肩書などの情報は、イベント開催当時のものです。

メインセッション・パネルトーク

役員によるスピーチやDEIポリシー映像の上映、パネルトーク等を通じて、一人ひとりの理解と共感を高める機会となりました。

トップコミットメントの発信

写真:「グループDEIフォーラム 2021」に登壇した楠見グループCEO

グループCEOの楠見、DEI推進担当役員の三島が登壇。楠見は、職場の方針など様々な決定内容について「『なんか違うな』『もっとこんな視点があるのでは?』と思ったことはないですか?」と問いかけ。「アイデアや意見など、『一人ひとりが言うべきことを言い合える』環境を大前提とする会社でなければ、多様な社会でお役立ちを果たすことはできない。これを実現する活動がDEIだ」とのメッセージを発信しました。

女性シニアリーダーとトップとのパネルトーク

写真:「グループDEIフォーラム 2021」パネルトークの登壇者たち

女性のシニアリーダーが自らの経験をベースに、他の先進企業と比べてまだまだ遅れているDEIの土壌について指摘。それを受けたトップからは、改めて変革の必要性についての認識と決意が語られました。また、DEIのさらなる推進にどういうアプローチで取り組んでいくかについて、参加者各自が表明しました。

サブセッション

多様な個性をもつ社員が、それぞれの立場でトークセッションを展開しました。

サブセッション①「Equityを知ろう」

「Equity」とは何か?立場の違う人たちの環境を理解することを目的に、様々な立場の人の経験談を共有しながらEquityについての理解を深め、実現する意味を議論しました。

写真:「グループDEIフォーラム 2021」の登壇者たち

サブセッション②
「インクルーシブな職場づくり」

組織能力を高める取り組みで先行してきた事業部門のメンバーが登壇。対話を通じて組織の見えない課題を発見し、ありたい姿を共有、現状とのギャップを埋めていくアクションに落とすにあたっての試行錯誤や大切にした点などを紹介しました。

写真:「グループDEIフォーラム 2021」の登壇者たち

サブセッション③「声をあげて動こう」

自分らしい性のあり方を見つけるサポートを提供するプロジェクトを立ち上げた社員や、自身の課題解決のために聴覚障がい者をサポートするアプリの全社導入に漕ぎつけた社員の活動を共有。まず声をあげること、その声を理解することの大切さについて語り合いました。

写真:「グループDEIフォーラム 2021」の登壇者たち

サブセッション④
「グローバルY/Z世代の挑戦」

日本、北米、欧州、中南米の各地から若手社員が参加。DEIの側⾯から⾒た各地域での社会背景や個人のバックグラウンドについて共有した上で、今後の企業活動においてDEIをますます重視すべき理由、現状に対する課題感などについて意見交換しました。

写真:「グループDEIフォーラム 2021」のサブセッションにて、オンラインで意見交換するY世代Z世代のグローバル社員たち

社員の声

フォーラム事前・事後に実施したアンケートの結果、DEIへの理解度や行動意欲は大幅に高まりました。一方、「DEIの取り組みがなぜ必要か」という腹落ち感や、自分ごと化、モチベーションアップ等には課題があることも分かりました。今回社員から寄せられた声に耳を傾け、今後の活動内容をさらにアップデートしていく予定です。

Q. DEIについて理解していますか?

図版:「DEIについて理解していますか?」のフォーラム前と後のアンケート結果。事前アンケートの回答者は5,600人。「理解している」25%、「一部理解している」47%、「言葉だけ知っている」20%、「知らない」8%。事後アンケートの回答者は2,030人。「すでに理解していた」12%、「理解できた」75%、「一部理解できた」12%、「よくわからなかった」1%。

事前アンケートでは「理解している」と答えた人が回答者の約25%だったのに対し、事後アンケートでは回答者の87%が「理解できた」「すでに理解している」と答えました。

Q. DEIの浸透に向けて、何か行動されていますか?

図版:「DEIの浸透に向けて、何か行動されていますか?」のフォーラム前と後のアンケート結果。事前アンケートの回答者は5,600人。「行動している」24%、「行動する予定がある」27%、「行動していない」49%。事後アンケートの回答者は2,030人。「すでに行動している」31%、「行動する予定」54%、「行動する予定はない」15%。

事前アンケートでは「行動している」と答えた人が約24%、「行動する予定がある」と答えた人が約27%だったのに対し、事後アンケートで「すでに行動している」と答えた人は約31%、「行動する予定」と答えた人は約54%に大幅にアップしました。

Q. DEIの浸透のための活動にどのくらいモチベーションを持っていますか?

図版:「DEIの浸透のための活動にどのくらいモチベーションを持っていますか?」のフォーラム前と後のアンケート結果。事前アンケートの回答者は5,600人。「非常に高いモチベーションを持っている」10%、「高いモチベーションを持っている」52%、「あまりモチベーションは高くない」35%、「モチベーションは低い」3%。事後アンケートの回答者は2,030人。「非常に高いモチベーションを持っている」14%、「高いモチベーションを持っている」59%、「あまりモチベーションは高くない」25%、「モチベーションは低い」2%。

DEI浸透のために自らアクションするモチベーションが「非常に高い」もしくは「高い」と答えた人は、約10%の増加に留まりました。DEIのさらなる推進に向けては、社員一人ひとりのモチベーション向上にさらに注力する必要がありそうです。

社員の声

自分のDEIの認識とは全く異なるレベルで社内の取り組みが進んでおり、その取り組みを通じて自己実現や社会貢献につなげている社員がいることに感銘を受けた。自分はどう取り組むかについて考える機会となった。

全社のトップオブトップコミットメントが出されたことが嬉しかった。トップとしての強いリーダーシップを感じ、自らも行動していきたいと感じた。

DEIの大切さは理解しているものの、いざ実践となると、なかなか難しい。ダブルスタンダードにならないようにするためには、トップの継続した発信や、目に見える結果が必要だと思う。

今回のアンケートから得た様々な社員の声を活かしながら、今後も継続して「グループDEIフォーラム」をはじめ、様々な取り組みを展開していきます。