2006年(平成18年)

大坪社長が就任

中村社長の「破壊と創造」の旗印のもと、パナソニックは2004年度から「躍進21計画」に取り組み、目標である「グローバル生き残りレベル」(営業利益率5%以上、連結CCMゼロ以上)をほぼ達成した。このような中、2006年6月、大坪文雄専務が社長に就任。中村邦夫社長は会長に、森下洋一会長は相談役に就任した。

大坪社長は就任にあたって「グローバルエクセレンスの仲間入りを果たすのが私の使命」と述べた。「グローバルエクセレンス」は、すでに中村社長時代から掲げられ、その指標とされたのが営業利益率10%であった。大坪社長はこの数値目標に加えて、そのめざすところについて「グローバルエクセレンスとは、たゆまぬイノベーションで成長を持続し、世界規模で健全な事業活動を展開することにより、世界中のすべてのステークホルダーに支持される企業となること」とあらためて定義した。そして、そのためには、全員の力を結集し、商品を取り巻くすべての事業活動をひとつの流れとして回し、よい商品、強い商品を生み出す「モノづくり立社」をめざす考えを明らかにした。

[写真]

社長交代の記者会見で握手する大坪社長(右)と中村会長(左)

2007年1月には、2009年まで「収益を伴った着実な成長」を積み重ね、「グローバルエクセレンス」への挑戦権を獲得することをミッションとした新たな中期計画を発表した。

具体的数値目標としては、(1)売上高10兆円以上、そのうち60%以上は海外での販売、(2)ROE(株主資本利益率)10%以上を掲げた。加えて、CSR経営とブランドの信頼について業界ナンバーワンクラスの社外評価を獲得することもあげた。

そして、グローバルに増販を達成しながら進化していく「グローバル・プログレス」、国内・海外で高収益を上げる「グローバル・プロフィット」、世界中で信頼されるブランド「グローバル・パナソニック」、これらの「3つのGP」の達成を目標に掲げ、「GP3(ジー・ピー・スリー)計画」と名づけた。

中村 邦夫